スターバックスコーヒー鎌倉御成町店についてインタビュー

　

笑顔がすてきな店長さん「御成町店は私にとって『特別な存在』。店長に決まったときはうれしかったです」

この鎌倉御成町店について、広報の西垣友裕さんにお話を伺った。

－すてきなお店ですね！
ありがとうございます。鎌倉御成町店は全国にあるスターバックスの店舗の中でもかなりユニークなつくりになっています。横山さんの旧邸宅の面影を残しつつ、鎌倉という歴史のある町並みとの調和を大切にしたスターバックス の店舗です。

－読者から「日本一素敵」と投稿がありました。
それはうれしいですね。お店にも、国内だけでなく海外からわざわざ来てくださるお客様もいらっしゃいます。遠くから来てくださるお客様がいることを誇りに思っています。
　

「ふくちゃん」のパネル前のソファ席に座る店長

－このお店ができた経緯を教えてください。
ここは以前、漫画家の横山隆一さんのご自宅があった場所。横山さんは長く鎌倉に住み、同じ鎌倉に住むたくさんの文化人の方と交流があり、ご自宅が文化サロンのような役割だったといいます。

そして自分の死後、自宅の跡地を地域の人の交流の場にしてほしいという思いがあったそうです。
　

かわいいフェンス。テラスから見える横山隆一氏のアトリエの建物

設計は横山さんのお孫さんのご主人が行いました。テラスから庭とプールが見えますが、これは横山さんの邸宅に元々あったものがそのまま残っています。かつては個人宅にプールがあることが珍しくて、近所の子どもたちがのぞきに来たそうですよ。今でも「昔横山さんのプールを見にきたことがある」と懐かしそうに、店を訪ねてくださる方もいらっしゃいます。
　

藤棚とプール

－お店のオープンの際に、地域の方の反響はいかがでしたか？
横山さんご自身が生前「ここを人が集まる交流の場に」と言っていましたので、その言葉を大事にしたいですね。2005（平成17）年にオープンしたのですが、オープニングパーティには地域の方もお招きしました。横山さんと交流のあったそうそうたる文化人の方がたくさんいらっしゃって、それは豪華な顔ぶれのパーティーでした。

－お客さんはどんな方が多いですか？
近隣の方もご来店くださいますし、鎌倉観光の途中に寄ってくださる方も多いですね。銭洗弁天が近いのですが、洗ったお金はなるべく早く使うといいと言われているそうなんです。なので、時々、濡れたお札でお会計されると、銭洗弁天帰りだと分かるので、それをきっかけに会話が弾みます。また、お店の雰囲気が好きで「ご自宅を建てる際の参考に」とお店を見に来たという方もいらっしゃいました。
　

御成町店から徒歩20分ほどの場所にある銭洗弁財天

－スタッフにとって、このお店はどんな存在ですか？
かつて横山隆一さんが「交流の場に」とおっしゃっていたこともあり、人と人のコミュニケーションを大事にしたいと思っています。地域のためにできることを店舗のみんなで考え、近隣のクリーンアップ活動をしているのですが、スタッフもこの活動ができることを誇りに思ってくれています。少しでも地域にとけ込んだ店舗になれたら、と思っています。

これからも、何か地域に貢献できることをしていきたいと考えています。また、不定期でコンサートなどもやっており、地域の方や観光客の方、いろいろな方に楽しんでいただけるイベントをこれからもやっていきたいですね。

それでは、改めて、店長に案内され、店内をぐるりと一周。

「建物自体は新しいものですが、横山隆一氏へのオマージュが店内にちりばめられています。壁にはフクちゃんのイラストが飾られ、かつての横山邸にあった壁画をデザインした一角もあります。昔の横山隆一さんのお宅を知る方は、この壁画をみて『懐かしい』とおっしゃっていました」
　

フクちゃんのイラストの前が店長のオススメ席
　

この絵はかつての横山邸の外壁に描かれていたものだった

続いて、テラスで自然を愛でる楽しみを案内していただく。

暑い日、寒い日は窓際の席でガラス越しに、涼しい日にはテラス席で。横山隆一氏の庭の自然を楽しみたい。

「春は八重桜、今はなぜか藤が咲いていますね。バラもあります。秋は紅葉、冬の雪景色もすごくいいですよ」と店長。
決して広い庭ではないが、手入れが行き届き、四季折々の自然が楽しめる。
　

縁側に腰掛けられるようにゴザが敷いてある
　

ゆったりとしたテラス席
　

庭の木に、セミの抜け殻
　

季節はずれの藤の花

最後に、店長に一言いただいた。
「2005（平成17）年にオープンした鎌倉御成町店は、今年10周年を迎えます。ぜひみなさん遊びに来てくださいね」とのこと。
　

極上のコーヒー豆と限定メニュー

次に、ほかのスタバとは一味も二味も違う鎌倉御成町店ならではの楽しみ方を、店長に伺った。

まずはコーヒーから。2015（平成27）年現在、日本全国のスタバは1100店を超えるが、その中の約50店舗にしか置いていないレアなコーヒー豆が鎌倉御成町店にもあるとのこと。
　

「スターバックスリザーブ」という稀少なコーヒー豆を扱っている
　

「スターバックスリザーブ」のコーヒーは実際にお店でも飲める

スターバックスリザーブの豆は売り切れ次第終了となるものがほとんどで、常に同じものがあるわけではなく、レア感が高い！

取材で訪れた日に売っていた「100% コナ コーヒー パリー エステート」は250グラムで、な・な・なんと6330円。6330円はちょっと出せないけれど、飲んでみたい！　1000円くらいなら頑張れる！　という方は、店内で1杯1090円で飲むことができる。


季節によってさまざまな豆が登場するので、ぜひチェックしたい！

次は、カウンターへ。ガラスケースの中に見慣れないスイーツが。ほかのスタバと様子が違う！
　

フルーツロールケーキ（500円）とオレンジシブースト（520円）

「これは店舗限定のスイーツメニューです。季節によってメニューが変わります。」

そして、パンも・・・。
　

ブルーベリークリームスコーン（230円）とクロワッサン（170円）

御成町店では、パンとスコーンを店内で焼いているので、焼きたてが食べられる！

レアメニューを実食

なかなか飲めないレアなコーヒー「100% コナ コーヒー パリー エステート」と、このコーヒーと相性がよいという「オレンジシブースト」を注文。

「10分ほどお待ちいただきます」とのことで、待っている間ミニサイズのコーヒーを出してもらった。
　

豆は3種類から選べる。これは「ケニア」。すっきりしておいしい

しばらく待つと、店員さんが席までトレイで運んできてくれた！
　

一見スタバっぽくない！　コーヒーは「フレンチプレス式（コーヒーの抽出法）」で
　

コーヒー豆の情報が書かれたカードもついてきました

店員さんから、コーヒーの豆を説明するカードが渡された。
説明によると、このコーヒー豆はハワイのカメハメハ大王が王室用の土地として開墾された場所で栽培されたらしい。

では、いただきます。
　

色はかなり濃厚

かなり濃いめで、フレンチプレスで入れているのでややドロッとしている。ほどよい苦味。酸味はなし。見た目も舌触りも濃厚なのに、飲み終わった後舌に残らない。好き嫌いが分かれそうだが、筆者（苦めのコーヒーが好き。酸味があるものは苦手）はかなり満足！

一緒に注文したオレンジシブースト。シブーストは季節によって中に入るフルーツが変わるという。
　

かなりボリュームがある・・・

見た目、「あの濃いコーヒーにさらにこのボリュームのシブースト・・・」と思ったが、食べてみると、かなり甘さ控えめ（甘いもの好きの人には物足りないかも？　と思うくらい）。濃いコーヒーとちょうどよい組み合わせかも。

食べ終わると、気持ちのよい間接照明の中でウトウトしそう・・・。ほかの席でも本を読んだりしながらくつろいでいる人がたくさん。

一度ここへ来たお客さんは「居心地がいい」「くつろげる」と口をそろえるそうだが、これは本当。一日中でも過ごせそう。「日本一素敵なスタバ」は、想像以上にすごかった！

取材を終えて

鎌倉には何度も行ったことがあるものの、西口に行ったのは初めて。観光客の多い東口と打って変わって静かな街並に驚いた。スターバックスコーヒー鎌倉御成町店は「地域にとけ込んだ店に」というコンセプトがしっかりと軸になっており、景観に調和した外観（すぐ後ろに見える山の斜面の角度とのバランスを考えてつくられたという屋根の傾斜など、こだわりのあるデザイン）、木製のテーブル・椅子、ゆっくりと読書ができそうな一人席など、とにかく居心地がよく、できれば朝から晩まで過ごしたいと思ってしまうほど。通いつめたい・・・。

単におしゃれな建築、限定メニューがあるというだけではなく、スタッフが地域に溶け込むようにがんばっていたり、店内では混んでいても手際よく案内してくれたりと、細やかな気遣いが蓄積されてこの居心地の良さを生み出しているのかな、と思った。さすが！

―終わり―
　

取材協力
スターバックス コーヒー 御成町店
住所／鎌倉市 御成町15-11
電話／0467-61-2161
営業時間／8：00～21：00
定休日／不定休