パン発祥の地・元町近辺にある個性的なパン屋さんはどこ?
ココがキニナル!
元町近辺で、美味しいという評判を聞く店が代官坂にあるようです。天然酵母にこだわる「アップル」や「ロータス」も気になりますが、ニューヨークスタイルというベーカリーがもっとキニナル(bj さん)
はまれぽ調査結果!
「アン・アップル」は閉店。自然素材にこだわっている「ロータス」。ニューヨークスタイルの「ブラフベーカリー」はアートな店内も魅力的。
ライター:楪 ゆう子
代官坂を望むパン屋さん「ブラフベーカリー」
ラストは、代官坂の“ニューヨークスタイル”がキニナルというパン屋さん。調べによれば「ブラフ ベーカリー(BLUFF BAKERY)」という人気店があるらしい。
地図だとこのあたり
みなとみらい線「元町・中華街駅」に戻り、元町出口から元町商店街を抜けて2つ目のブロックを左折。
「食パン」発祥の店・ウチキパン
120年の歴史を持つ老舗ベーカリー・ウチキパンの前を通り過ぎ。
横浜開港期には山手在住の外国人が関内との往来に使った代官坂
山手に向かう代官坂を上ると、右手に1946(昭和21)年のオープンからハマに唯一残るダンスホール「クリフサイド」の建物と代官坂トンネルが見えてくる。
1932(昭和7)年開通の代官坂トンネルとクリフサイド
「ブラフベーカリー」はそのお向かい、左手にブルーのフラッグをたなびかせて登場・・・いや、代官坂を上り始めた時すでに、辺りを漂う濃厚なパンの香りに引き寄せられていた!
横浜の青い空に映える海色のフラッグ
まるでブティックか雑貨屋さんのよう
これってホントにパン屋さん? コバルトブルーの外観が目を惹く。
いざ店内へ!
一流デザイナーを起用したという店内は、シンプルでいてアーティスティック。
トングとトレーもデザイナー特注のオリジナル
店の奥には、白い壁に黒と鉄が映えるスタイリッシュな平台が置かれ、ソフト系、ハード系ブレッドやセイボリーブレッド(惣菜パン)たちの素朴なビジュアルとのコントラストが絶妙。ほのかな照明で、パンが浮かび上がるように見える。
こちらは「静」の印象
中央にある、重厚な存在感の木製平台の上は、カラフルなスイーツ系のパンたちで埋め尽くされ、お祭りの祭壇のように華やか!
こちらは「動」でエネルギッシュ
レジの後ろには、日本を代表する芸術家・草間彌生(くさま・やよい)さんの版画があたたかな色彩を放っているし、厳選された雑貨や木のおもちゃが飾られているディスプレーを眺めているだけでも楽しい。
「かぼちゃ」(草間彌生作・版画)
さらに、奥の壁に嵌め込まれたフレームが神秘的な青い光を放ち・・・「ブラフベーカリー」は、まるでギャラリーの趣。
フレームの絵が表すものは?
扉を開けた瞬間に、パンとインテリアで構成されたアートの世界に入り込んでしまったかのような、不思議な空間だった。
こんなパン屋さん、初めて!
木のおもちゃで遊んで待つ子ども
もちろん、お店のみならず極上のパンたちにも目を奪われっぱなし。
まっ先に視界に飛び込んできたのは、カラフルな「QQ×NYCドーナッツ(270円・税込)」。
「QQ」とは台湾メーカーが作る小麦粉で、日本ではあまり知られていない貴重なもの。これが独特の変わった食感を生み出すのだという。もう見た目からしてかわいすぎて、わが子のお土産に即買い!
QQ×NYCドーナッツ
予約数ナンバー1、看板商品「ブラフブレッド(1.5斤 530円・税込)」は、マガジンハウス刊『&Premium3』のパン特集号で日本の食パン名品10本に選ばれた逸品。十勝産小麦キタノカオリを100%使い、もっちりとした焼き上がりと繊細な甘みが特徴だ。
ブラフブレット
また、リピーターが多いのは「ミルクフランス(210円・税込)」。皮が薄くパリッと歯切れよく仕上げたミニフランスに、蒜山(ひるぜん)ジャージーバターとグラニュー糖、それに練乳を練り上げた自家製ミルククリームがたっぷりはさまれている。
ミルクフランス
グラム販売の「キャロットケーキ(1グラム2円・税込)」も、ブラフベーカリーならではのスイーツ。人参、オリーブオイル、くるみをたっぷり使って、しっとり焼き上げた生地と、酸味と甘さが際立つクリームチーズのアイシングが、オールドアメリカンの懐かしい味わいだ。
キャロットケーキ
バラエティーに富んだ品ぞろえがうれしくて、あれもこれもそれもこれもぜんぶほし~♪と浮かれて眺めていると。
絵が飾られていた青いフレームが開き、中からオーナーの栄徳剛(えいとく・つよし)さんが登場した!
厨房とともに現れた栄徳さん
なんとこのフレーム、ただの絵ではなく、厨房の中が見える「窓」だったのである。ブラフベーカリーというギャラリーを飾る、一番ダイナミックな「動く絵」。いや、むしろ「舞台」と言ってもいいかも。
焼き上がったパンをオーブンから出す
なぜなら、その後展開した栄徳さんの熟練したパンづくりの様子は、まるでショーを見ているかのようにあざやかなものだったからである!
バゲッド生地に切れ目を入れる
完成したパンを「窓」から店頭へ
パン作りの工程をつぶさに眺めたうえで、焼き立てのパンをそのままトレーに取ることができるなんて、うれしすぎる~。
お目当てのパンの焼き上がりの時間や、素材についてなど気軽に訊ねられる
さらに素敵だったのは、「窓」を通したコミュニケーション。お客さまからの質問に答えたり、おしゃべりしたり。
このフレームは、パンを作る人とパンを食べる人をつなぐ「窓」でもあるのだ。
お店の昼休みに突撃インタビュー!
こんな一風どころか二風も三風も変わったパン屋さんを創った栄徳さんとは、どんな人なのだろうか?