週に1本しか走らない激レア長距離路線「淵24系統バス」とは?
ココがキニナル!
登戸駅から町田駅まで週に一本の定期運行のバス便があるって本当? 休日の早朝に淵野辺駅から登戸まで神奈中バスが往復しているが何故この区間を走らせているの?(マッサンさん、とがでんさん)
はまれぽ調査結果!
登戸~淵野辺間を走るのは神奈川中央交通の「淵24系統」バス。免許維持路線として日曜日と祭日のみ同区間(約20km)を走っていた。
ライター:福原 麻実
実際に乗車(淵野辺駅北口から登戸へ)(つづき)
しばらく乗降のないままバスは走り、午前7時10分、11個目のバス停「図師(ずし)」で女性1人が乗車、その1分後に「並木」で女性がまた1人乗車。さらにその1分後に「神学校」で始発から乗っていた女子高生たちが下車した。
その後も頻繁に乗車があり、午前7時21分「金井入口」に到着。お話を聞かせてくださった女性が下車した。この時点で乗客は9人となった。
午前7時30分、バスは「鶴川駅」に到着し、最初の男性以外が下車。ここでキニナルものを見つけたのだが、撮り損ねてしまった。復路では必ず撮ると誓う。
空いている
この後しばらく乗降もなく、バスは空いている道路をスムーズに走っていた。信号以外で停止しないバス。ゆったりしていて、座席の下があったかくて、なんだか眠くなってしまうが、なんとか目を開けて過ごす。
午前7時50分に「多摩警察署前」で女性が1人乗車。乗客3人を乗せたバスは「多摩区役所前」「向ヶ丘遊園駅」を過ぎ、終点へ向かうのだが、この1区間だけ道幅が狭い! やたらと狭い!
しかしぶつかることなく、無事に終点「登戸」に到着。運賃は330円だった。
着いた
言うまでもなく、帰りも1便である
バス停には誰もいない。降りたばかりのバスにまた乗ったが、結局ここから乗った乗客は筆者1人だった。
午前8時10分、定刻通りの発車。8時22分「五反田」で年配のご夫婦が乗車したが、3分後に「生田折返場」で下車。「鶴川」までまた1人となった。
ここで、往路でキニナったものを再度見つけ、写真に収めた。
珍しいのかどうかは分からないが、初めて見たバス停の表示。
「1」はまあ分かるのだが・・・
「0」って?
運転士さんに伺っても「0番線とかですかね? そういえば何故ですかね?」とのこと。不思議だ。どうしてもキニナルので、これも後日の調査とさせていただく。
ここからも乗降は多少あったのだが、誰もが短い区間で降りていく。午前9時7分に着いた終点で降りたのは、筆者を含めて8人であった。降りる直前に1人の若い女性に乗車目的を訊ねると「淵野辺から横浜線に乗るので」とのことだった。通勤は車なので、そもそも電車にもあまり乗らないそうだ。
この路線、果たして淵野辺駅利用者は知っているのか?
「淵24系統」の名を知らなくても、バス停利用者なら時刻表を見ていたりして「週に1便しかないバス路線」をご存じかも知れない。そう思ってバスターミナルにいた方々に訊ねてみたが「そんな路線あるの?」「知らないです」という回答。
こういう女性たちを美魔女と呼ぶのだろうな、という美しい女性2人組も「週に1本?」と驚いた様子だった。
写真NGとのことだったが、お願いして遠めに撮らせていただいた
移動しつつ20人ほどに聞いても誰も知らない「淵24系統」。乗車前に会った男性の「激レア」という言葉を思い出しつつ、今度は中学生らしき2人組にも質問。「知らないです」との答えに「路線利用者しか知らなくて当然」という気がしてくる。筆者自身、乗らないバス路線など気にしたことがない。
彼らにはこの後、上りの横浜線でも会った
この後も数人に尋ねたが、ついに「知っている」と答える人には会えず。
最後に「朝まで仕事だった」という男性(写真NG)にも尋ねたところ、「そんな路線があるんだね。どこ走ってるの?」と興味深げだった。
経路を話すと、町田とか川崎の開発を見込んで走らせたんだろうけど、結局のところ(この淵24系統は)小田急と併走してるようなものだから、長距離を利用する人はみんな電車に乗っちゃうでしょ? 鶴川より向こう(登戸方面)はほかのバス会社のバスもあるし、今後も増えないんじゃないかな」と独自の見解を聞かせてくれた。
駅構内は人がたくさんいたが
午前9時30分でもバスロータリーは閑散としていた
路線の存続のために走り続ける、免許維持路線。
地域の発展を想定して生まれながら、地域の人に知られることのない存在というのは、なんだか切ない・・・が、筆者も同じ路線を電車が走っているのなら、安価で速くて渋滞で遅れることがない電車に乗る。この路線の今後を憂う立場ではないが、いつか「維持した甲斐があった」と言われる日が来れば良いと、こっそり願う。
1往復、約2時間。ありがとうございました!
取材を終えて
人生で最長距離の路線バスの旅だったが、乗客のカウントやメモばかりに気を取られて、あまり風景を見なかったことが悔やまれる。激レア路線なのに。
あと、登戸から淵野辺駅に着いてから知ったことだが、淵野辺駅から登戸へ向かうバス車内で女性が教えてくださった鶴川駅行きのバス路線は「鶴37系統」という。
この路線もなかなかのレア度でキニナル
―終わり―
Kohji Masakiさん
2021年05月06日 20時06分
私は中学校1年途中まで(1988年10月)まで、町田市鶴川団地に居住していました。小学4年生の頃(1985年)は鶴川駅を発着する神奈中バスや小田急バスの写真を撮ったり、また鶴川団地経由以外のバス路線の時刻表をノートに手書きで書き写すのが、趣味のひとつでしたので、当時から淵野辺発登戸行きのバスには興味がありました。一度、鶴川駅の隣の妙行寺バス停を通過する、淵24系統の中型バスを見たことがありましたが、自転車で追いつく訳もなく、柿生方面に走り去ったのが最初で最後の淵24系統との”出逢い”でした。小学高学年になって、地元のおじさん達に「淵野辺発登戸行き」のバスの話を振っても、「そんなの知らんわ」「神奈中も(プライド)意地張ってるだけやろ」ということで、免許維持路線をもじって、「免許意地路線」とか言ってる大人もいました。2021年も路線があるようなら、37年ぶりに見て乗ってみたいなとも思います。
黒船さん
2016年03月06日 10時32分
かつては「淵24」は毎日1本走っていました。現在は、淵野辺駅北口発の便は「淵23」の野津田車庫でほとんどの便で系統分断されていますが、かつて(1990年代前半ぐらいだったか)は「鶴37」の淵野辺駅北口-鶴川駅がメインでした。しかし、長距離系統であるが故の宿命と言える定時制の確保が難しくなり、「淵24」は休日1本、「鶴37」は平日1本になった経緯があります。小生も鶴川第一小学校(町田市野津田町)に通っていたので、下校時間帯に登戸発の淵野辺行でよく帰ったものです。なお、大昔(1950年代)は、鶴川駅から現在の上溝、水郷田名、果ては半原(愛川町)や本厚木駅といった今では考えられない長距離路線も走っていたようです。現在の「淵24」「淵23」「鶴37」関連はそれらの名残といってよいです。
のんべえさん
2016年02月11日 21時04分
バス運行路線に興味ありの者ですが、日曜日の朝7時に淵野辺駅はつらいなあ・・。