見つけたらラッキー! 高さ296メートル、横浜ランドマークタワーの窓掃除の現場に突撃!
ココがキニナル!
ランドマークタワーの窓ガラスの清掃ってどのような方法でどのくらい時間がかかるものなのか気になります。やっぱり風などの気象条件に相当左右されるんでしょうか。(こっしーさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
窓掃除は月1回行われ、天候が悪い場合は日程が変更される。長くて5時間くらいの作業があり、作業中に急な雨や突風などがあれば中断することもある
ライター:カメイアコ
見られてラッキー! 窓拭き作業はお客さんに大人気
69階の展望フロアにはオープンと同時にお客さんが訪れているようだ。もうすでに横浜市内の眺めを楽しむ人の姿が見られた。
すると、展望フロアのBGMはポップミュージックのようにノリノリ。なんとなくだが、クラシックやヒーリング系の音楽が流れているイメージだったが、今にも躍り出せそうな音楽がかかっていた。なんでだろう、横浜という土地柄も関係するのかな・・・
スカイガーデン事務局運営ディレクターの猪又さん
「音楽は専門の業者に依頼して、横浜ランドマークタワーのイメージに合う曲を選定してもらっています。このようにポップな音楽もあれば、クラシックのように静かな曲も入っていますよ。クリスマスや年末などのイベント時には、特別バージョンが流れます」とのこと。
耳からも眺望を楽しめるような配慮がなされているのだ。季節の節目やイベント時に行くと、いつもと違った楽しみ方ができるかもしれない。こうしているうちに作業員の方が到着。
一人乗り用のゴンドラがやってきた
中央のゴンドラから切り離された1人乗り用のゴンドラは、ビル側のレールに沿って移動していくのだ。
ちなみに「掃除風景は従業員の方にとってはお馴染みですか?」という質問には、「これまでに清掃を見たのは数えるくらい。きょう見られて、ちょっと得した気分です」と猪又さん。お仕事中ということもあり、大抵は気がつかないうちに終了しているそうだ。
清掃スタート
いざ清掃作業がはじまると、子どもたちが一斉にむらがる。大人も興味津津だ。旅行でいらしたというフジモトさんファミリーも「見られてラッキーです。作業員の方が行っているのですね。すごい」と興奮気味に話してくださった。
写真掲載の許可をいただき、パシャりっ
「実は2014(平成26)年秋ごろまでは、お客様がいない早朝に清掃を行っていました。でも296メートルの高さの窓をどのように清掃しているのかキニナっている人もいるだろうと思いまして、逆にお客様がいる午前10時以降にお願いするようにしたのです」と菊池さん。
お客さんの評判も上々で、今では横浜ランドマークタワーの名物の一つになりつつある。
フロア内にあるイラストショップ「CHEF’S」の川原田さん
「常にお店にいるわけではありませんが、2ヶ月に1回は見かけますね」と話してくださった。
展望フロアとホテルの窓清掃は月に1度は必ず行われている。しかも、台風がきたときや、鳥のフンなどで汚れてしまったときは、そのつど山口さんらに助けを求めるそうだ。そのため、いつでもツルツルピカピカ。窓があることを忘れてしまうくらい。
すると「地上からも清掃の様子を見てみましょうよ」と山口さんの計らいで、ご案内いただくことに。
圧巻の立ち姿
屋上から見ていたときはゴンドラが近かったせいか「あれ意外と怖くないのかも」なんてのんきに思っていたが、下から見上げるとビルの高さに卒倒しそうになった。
限界まで寄っても小さく見える
「見上げることがないので」と写メる林さん&菊池さん
清掃中は安全を考えて、一部通行禁止に
お客さんも取材陣がビルを見上げているので、何だろうと不思議そうに集まってくる。
関西から旅行に来たという「宮っ子」さん親子
「何度か旅行できていますが、初めて見ました! 晴れていますし、はっきり見えますね」と答えてくださった。
計20名ほど「窓清掃を見たことがあるか」と伺ったが、職員の人以外は窓清掃を今回初めて見るという人ばかりだった。
窓清掃について徹底インタビュー
では、改めて
写真左から、作業員の山口さん、主査の林義一(はやし・よしかず)さん、林(俊)さんを交えてお話を伺います。右隣の林さんと同姓だが、ご家族ではないとのこと。失礼致しました。では気を取り直して、まずはツルピカの窓の秘密を教えていただくことに。
「窓は2重になっていて、耐久性が高い作りになっています」と林(義)さん、「拭き掃除は基本的に真水のみで行っています。洗剤はご家庭で使う皿洗いのものと同じ中性洗剤です。滑りをよくするために、薄めたものを使います」と山口さん。
意外なことに特殊なことは一つもなかった。基本的にほかのビルと清掃の仕方も同様だという。
「そのため、きれいに磨けるまで早い人でも1ヶ月、みっちり練習を重ねます」とのこと。
清掃を担当した(写真中央から)桜井さん、新城さん、鈴木さん
「作業員として初めての仕事が横浜ランドマークタワーの窓拭きでした。恐怖心はある程度持ち合わせていますが、怖がりすぎたらできない仕事なので、そこは大丈夫です」と桜井さん。
恐怖心がなさすぎるのも怪我や事故につながるので、つねに緊張感を忘れずに作業されているそうだ。ほかのビルよりも高いし、手当とかつくのかな・・・なんてゲスい質問にも。
「とりわけ危険手当がつくことはありません。どんなに高くても、低くても同じです。それだけ安全なゴンドラを使用していますし、少しでも雨が降っていたり、風が強ければ作業途中でも中断になります」と山口さんは丁寧に説明してくださった。
必要なのはゴンドラを操縦するための免許のみ
ランドマークの窓拭きに必要なのはゴンドラを操縦するための「ゴンドラ取り扱い特別教育」という受講証のみ。それ以外は、ほかの窓清掃作業員を同じなのだそうだ。
「安心、安全に作業してもらうのがモットーですから、作業員の方に無理をしてもらうことはありません。天候が悪ければ別の日に変更すればよいことですから」と林(義)さん
お互い安全に作業するための認識を共有しているからこそ、これまで無事故で作業を終えられているのだろう。
安心、安全が一番
どんなに安全に配慮しているからといっても、リスクを絶対に回避することはできない。なぜロボットの手を借りないのか伺うと「2年前まで自動窓拭き機を使用していましたが、やはり人の方が丁寧な手仕事をしてもらえますし、仕上がりが違います。機械にトラブルがあった場合も、結局作業員の方に行ってもらわなければならないので使用を中止しました」と林(俊)さん
作業が長い日は1日5時間ほどゴンドラで過ごすそう。その際は、簡易トイレや昼食を持参するようだ。これぞ本当の天空レストランと言えるだろう。
お客さんが手を振ったり、話しかけたりする様子も見られる
「実際にお客さんの声は聞こえません。でもアイコンタクトはできますよ」と新城さん。屋上で「行ってきますのポーズ」をとってくださったサービス精神旺盛な新城さんは、お客さんに手を振り返したりもするそうだ。ただ作業中なのでくれぐれも邪魔にならないようにしよう。
では最後にこれまでの作業で「ひやりとした出来事」を山口さんに教えていただいた。
「ゴンドラはレールが敷いてあり、しっかりとした作りなので揺れることはありません。しかし、急な突風がくると、ひやっとしますね。予報や風量計を見て万全を期して作業を行いますが、予測できない風がくることもありますので」
展望フロアからの絶景
これからも安全第一で、横浜ランドマークタワーの窓をピカピカに磨いてくださることだろう。今度、横浜ランドマークタワーに行くことがあれば、作業員の方々の存在を少しでも思い出してみてほしい。プロの手仕事あってこそ、この素晴らしい眺望を見ることができるのだ。
ご協力ありがとうございました!
取材を終えて
横浜ランドマークタワー内に勤めている方も数えるくらいしか見たことがなかった窓清掃作業。裏側では、真面目な職人たちの丁寧な仕事ぶりを見ることができた。
ただ、残念ながら清掃は決まった曜日に行っているわけではないそう。見られた人はラッキーということで、横浜ランドマークタワーに行く楽しみの一つにしてみてはどうだろう。
もし、見たことがある人がいたら、投稿いただけたら嬉しいです。
―終わり―
取材協力
横浜ランドマークタワー
http://www.yokohama-landmark.jp/page/
三菱地所プロパティマネジメント株式会社
http://www.mjpm.co.jp/
株式会社ニワテック
http://www.niwatech.com/
IKさん
2016年04月11日 11時22分
機械でやってたのを人力に戻したとは意外。あと突激:×、突撃:○
ホトリコさん
2016年01月25日 12時23分
横浜アリーナで仕事してたとき、東日本大震災の余震で、携帯の緊急速報のアラームが鳴り、かなり揺れたのが照明管球交換作業中のライティングデッキキャットウォーク!さすがに諦めましたが、その場で何かに捕まって供えるのが精一杯でした。
三日坊主さん
2016年01月25日 11時29分
私にはムリ