大岡川沿いの桜の木がバサバサ伐採されているって本当?
ココがキニナル!
南太田駅のあたりの大岡川沿いの桜の木が、バサバサと伐採されてしまっているんですが、なぜそんなことになってしまってるんでしょうか?調べてみてください。(ジョンソンさん)
はまれぽ調査結果!
大岡川プロムナードでは樹勢が衰えるなど植替えの必要な桜を伐採し、歩道整備とあわせて新たに桜を植樹している!
ライター:大和田 敏子
再度、現地に
改めて現地を歩きながら、説明をしてもらった再整備計画について確認してみる。
木が伐採された後の切株は、抜根(ばっこん)しなければ、新しく木を植えたり、歩道整備ができない。取材時には既に抜根が終わっていたためその様子を見ることはできなかったが、大きな根を掘り起こして取り除くのは、時間も費用もかかる大変な工事だという。
掘り出された根が置かれているところもあった
また、地中の土が固いと、根がやわらかいところを目指し地表面に伸び、道を突き上げてしまうため、歩道に凸凹ができてしまうとのこと。
そこで、伐採されなかった桜の木の周辺や新たに植樹する部分には、桜の成長により路面に凸凹ができにくい特殊な土壌を使用して地中の状態を整えているという。
根系誘導耐圧基盤を使用して改良のイメージ(横浜市道路局資料より) *画像をクリックで拡大
再びこのような状態にならないように配慮。こちらは工事区間外
歩道の幅を拡幅する工事も行われている
もともと歩道は、桜の木のありなしや幅員などが場所によって異なっていた。
歩道整備の工事はただ拡幅するだけでなく、安全に走行できる車道幅を確保することも必要なため、すべて均一幅で整備というわけにはいかない。限られた幅の中でどう調整するかというところに苦心したようだ。
基本的に、車椅子が走行できる1メートルを確保するため、場所によっては70~80cm拡幅したという。
歩道が広くなると歩きやすい。まだ整備途中
工事は順次進めていくが、完了時期は未定。予算や状況によって進行が変わってくること、既に工事が終わっている箇所でも、経年によりメンテナンスが必要な部分が出てくることが理由だ。
当時は問題のなかった木でも、痛んで倒木の危険があれば、すぐに伐採しなければならない。必要に応じて、樹木医の診断を受けながら対処していく必要があり、いわば永続的にメンテナンスを続けていかなければならないということだろう。
ちなみに、横浜市道路局では2015(平成27)年度から「健康みちづくり推進事業」に取り組んでおり、今回の整備に関しては、その事業にも位置付けられているそうだ。
伐採後はどうなる? お花見への影響は!?
大岡川プロムナード再整備基本計画の第3期の区間では、桜の木が42本中20本伐採され、新たに14本植樹される。
今の街路樹の設置基準では10メートル以上の間隔を空けることになっているが、昔からの桜は、それよりもかなり密に植えられている部分もあったという。そこで歩行空間を確保しながら、植樹間隔を適正に調整して植樹したため、桜の木の本数は減少したようだ。
3月中に植えられる桜は、高さ4メートル、地上から120cmの幹の周囲が20cm程度の若木だという。
川まで枝を伸ばす大木になるには少し時間がかかりそう
新しく植えられるのは、ソメイヨシノではなく、ジンダイアケボノ。こちらは、病気に罹りやすいソメイヨシノの問題を改良した品種だという。
こちらはソメイヨシノだが、ジンダイアケボノも見た目はほとんど変わらないそう
歩道は、歩きやすさに配慮して、透水性のあるベンガラ入りのアスファルト舗装になる。
こちらは整備済み区間(提供:南土木事務所)
付近を歩いていた方に話を伺った
「歩道が歩きやすくなるのはうれしい。桜は落ちた花びらや葉っぱの掃除が大変ですが、花が咲くとにぎやかになるので、毎年楽しみにしています」と話してくれた。
開花を前に、お花見への影響がキニナルところだが、そのころには工事も完了し、新しく植えた木も花を咲かせられるように頑張っているようだ。
キレイになった歩道を歩いてお花見を楽しめそう(提供:南土木事務)
南区桜まつりは2016年4月3日(日)に開催。メイン会場の蒔田公園では、模擬店、バザー、東日本大震災被災地物産展、ステージイベントが行われる。
ライトアップは3月26日(土)~4月10日(日)までで、2500灯ものボンボリが点灯される。
ボンボリもすでに準備されていた
中区側の大岡川桜まつりは4月2日(土)~3日(日)、ボンボリの点灯は、3月19日(土)~4月10日(日)まで。
美しい桜を眺められるのが楽しみだ!(提供:南土木事務所)
大岡川沿いの桜を楽しめる季節は、間近に迫っている。
取材を終えて
桜が伐採されるといっても、桜並木が失われてしまうわけではなく安心した。
道路上の空間確保のために街路樹は剪定(せんてい)が必要だと聞いた。しかし、桜はもともと剪定された部分から病気にかかりやすく、街路樹には向かない木なのだそう。そうした桜を保全するための苦労、一般の人たちが事故に遭わずに安心安全に生活できるように道路をメンテナンスしていくことの大変さを垣間見る取材だった。
―終わり―
〈参考文献〉
「大岡川の桜と南区の懐かしの風景 横浜開港150周年」横浜開港150周年南区推進会議編
「蒔田の今昔と組合の沿革」苅部龍太郎編
「南区の歴史」南区の歴史発刊実行委員会
INUさん
2016年05月26日 05時10分
お花見とは言うけど、あの狭い歩道に屋台が並んでみな酒飲んで酔っ払って、ゴミだらけで、地面に座り込んでなんか食べたり、お花見ってこんなんだっけ?もっと「お花見」と呼べるくらい綺麗に整備してほしい。
tokusannさん
2016年03月23日 17時00分
私たち部外者は桜の季節きれいだねだけで、過ごしてきましたが、裏方さん大変なんですね生き物と共生云うはやすけれど行いは難し、裏方さんの苦労よく理解できました地元住民はその苦労よく見てるのでしょうね,以後感謝を背景に桜,観賞いたします取材有難う。
ホトリコさん
2016年03月22日 20時00分
事情はどうあれ、保土ヶ谷区にも南区の取り組みを見習って欲しい。