横浜市長選立候補予定者が激論を交わした公開討論会の様子をレポート!
ココがキニナル!
横浜市長選挙が行われますが3人の候補者を紹介して。カジノ誘致反対か賛成かの戦いになるようですが、中学給食も含め具体案は?(ちゃたろうさん)
はまれぽ調査結果!
カジノは「白紙」と「反対」が鮮明に。中学校給食も実現すべきと、今の制度の改善対応で意見が分かれている。そのほか、3者の意見も
ライター:はまれぽ編集部
観光・経済
この分野について伊藤氏は「経済面では公園・道路・河川など、行政がお金をかけて管理していたものを民間に開放することで新たなビジネスチャンスが生まれると考えている。空き家対策、横浜の街を舞台にした結婚式市場も考えられるが、地元企業がビジネスチャンスをつかめなければ意味がない」とした。
観光については「横浜にしかないコンテンツをいかに創出するかが重要」とし、具体的な例として、横浜DeNAベイスターズのオリジナルビール「ベイスターズエール・ベイスターズラガー」を挙げた。
これも横浜オリジナルのコンテンツ
長島氏は「林市長はカジノを含むIR(統合型リゾート)で4万人の雇用を生むと言っているが、カジノよりも企業と人材のミスマッチを解消することが最優先。年を重ねても働き続けられる環境があれば、結果として介護医療費などの抑制にもつながる」と雇用政策の面で現職の方針と異なる意見。
さらに「横浜の歴史や文化を生かしたまちづくりを進めることで、観光客の誘致にもつながる」とした。
カジノは反対と明言
林氏は京浜急行電鉄、資生堂、日本KFCホールディングスなどの大企業を横浜に誘致した実績を主張しつつ「横浜市内の企業の99%以上が中小企業であり、誘致した企業も含め、中小企業にビジネスが流れる仕組みづくりをしていきたい」と展開。
加えて、「魅力的な都市農業のさらなる発展や文化・芸術面にも注力したい」とした。
みなとみらい地区に移転する京急本社のイメージ
ここで、カジノ反対の立場を明確にしている長島氏が「林市長の企業誘致の実績は評価する。伊藤さんの横浜ならではのコンテンツを作るという考えはもっとも」としたうえで、2016(平成28)年までは「カジノは税収確保の有益な手段の一つ」としていたが、2017年になって「カジノは白紙」とした林氏の態度を追及。
これに対して林氏は「IR整備推進法の成立後にギャンブル依存症の問題に注目されるようになった。市民が心配する気持ちも十分理解するし、現段階ではさらにカジノが与える影響を含めて研究しなければならないので、『白紙』ということ」と回答。
白熱する討論会
これに対して「今の回答で、私は林市長がカジノを正式に断念したわけでないと理解した」と応じた。
子育て
子育ての分野でも長島氏と林氏が「待機児童」と「中学校給食」をめぐって論戦を繰り広げた。「待機児童の絶対数を減らしたことは評価に値するが、希望通りの保育所などを利用できない『保留児童』を含めると、かなりの数の『隠れ待機児童』が存在するはず」と指摘。
さらに「『ハマ弁』という仕組みがあるが、全国の政令市で中学校の給食を実施すると明言しないのは横浜だけ」と質問した。
幾度となく議論の俎上(そじょう)に載せられてきた「ハマ弁」
長島氏の質問について林氏は「待機児童ゼロは当然これからもゼロを目指して施策を継続していく。子育てについては、ようやく小学6年生まで拡大できた小児医療費助成をさらに拡大していきたいし、子どもの貧困対策にも取り組んでいく」と返した。
給食については「家庭弁当と事前予約による『ハマ弁』、どちらも選択できる環境を整え、当日注文できる『業者弁当』で補完するのが横浜スタイル。ハマ弁は給食に比べて100円程度割高だったので、値下げすることで対応する」とした。
一方の伊藤氏は市の予算における教育関連予算の割合が15%に届かず、政令市の中でも低いことを指摘し、「教育関連の予算を拡充すべき」と主張。拡充した予算で英語教育やビッグデータの解析を行うことで、子どもたちが学習段階のどこでつまずいたかを把握し対策を行っていることを全国にアピールするべきだと話した。