身近にあるけど意外と知られていない!? テレビCMでも話題の「アマノ」ってどんな会社?
ココがキニナル!
大倉山と菊名の中間に、オフィスなどにあるタイムカードを製造しているアマノ株式会社があります。企業規模としてもかなりの大きさですが、一般的にあまり知れ渡っていない?(ヨリアキさん)
はまれぽ調査結果!
時間管理・給与計算に欠かせないタイムレコーダーの国産第1号の開発者が創業した会社。今も便利な機能を持った機器を世に送り出している!
ライター:ミズグチマイ
タイムレコーダーだけじゃない!
テレビCMにチラリと登場しているが、アマノでつくる製品はタイムレコーダーにとどまらない。
駐車場の入り口でチケットを発券する機器、工場の空気を清潔に保つ機器、清掃機器、ビルの入退場の際に使用するセキュリティーシステムなど幅広い。
駐車場でよく見るマシン。こちらも実はアマノ製品のひとつ
こんな入退場ゲートもアマノの製品
どういう経緯でタイムレコーダーから、多様な製品を展開するに至ったのだろうか?
「当時のタイムレコーダーの主な納入先は工場でしたが、天野は当時の工場の作業環境を改善できないかと考えました。清潔な環境をつくることで、従業員がより効率良く作業を行うことができるようになるのではないか? と考え、床洗浄などの製品を開発するようになっていきました」と永井さん。
アマノが扱う清掃用の機器
創業者の天野氏について「いま顧客になにができるか? を常に意識し、顧客第一の姿勢を大切にされていたようです」と語った。
こちらは集塵機。主に工場などで空気を清浄に保つために使用される
1973(昭和48)年にアマノは、日本初のマイクロコンピューターを搭載した自動料金精算装置を発売している。高度経済成長によって自家用車の所有率が爆発的に増えたことで、路上駐車が問題になり、有料駐車場が一般化したタイミングで登場した製品なのだ。
日本初の無人パーキングシステム(茨城県取手市)
この路上駐車にかかわる問題を解決するために、タイムレコーダーで培った時間管理の技術を応用したというわけだ。
狙いすましたタイミング!
時代によって発生するさまざまな問題を、技術と知識によって改善・効率化をはかっていくその姿勢は今のアマノ製品にも繋がっている。
最新タイムレコーダー! 登場!
アマノの歴史について一通り伺ったところで、時間情報事業本部・時間管理機器事業部・マーケティング室主任の竹内(たけうち)えりかさんからアマノが発売した最新タイムレコーダー「TimeP@CK-iC Ⅳ(タイムパック アイシー フォー)」についての説明を聞く。
TimeP@CKについて説明する竹内さん
もっと歴史の話を聞きたかったのに新製品の話か・・・と一瞬がっかりした。時間にして10秒ほどのがっかりだった。
一瞬でもアマノを侮った自分を叱咤したい。今まで伺った歴史から繋がる現在のアマノ製品。最新タイムレコーダーの機能や使い方のお話は、とても興味深かったのだ。
興奮してなめるようにタイムレコーダーを見るの図
大きめな規模の組織で見かけるタイムレコーダーは、その組織での用途に最適化するためのアマノのシステムエンジニアが設定を行う。すごく便利なのだが、小規模な組織では導入するのに少しハードルが高い。
アマノでは小規模な組織でもこのようなタイムレコーダーを気軽に導入できるように、ユーザーが自分で設定することができる製品もラインアップしている。その最新機種がこちらの「TimeP@CK-iC IV」なのだ。
画面をユーザーが変更できる
導入しやすい価格なのはもちろん、タイムレコーダーの画面操作だけで設定できるため使用するロケーションに合わせて自由な使い方ができるというわけだ。病院や保育園での時間管理に使用されることもあるとか!
ICカードが名札にもなるそう
「出勤・退勤」が「登園・降園」に!
記録したデータはもちろんパソコンに取り込むことができるが、その方法もUSBケーブル・有線LAN・無線LAN・microSDが用意されている。使用するロケーションで通信環境に差があるため、データの記録先を複数用意している親切設計が心憎い。
さらに、PCに取り込んだデータは付属のソフトウェア、あるいはアマノの運営するクラウドサービスから選んで勤怠の計算を行うことができる。
やるな、付属ソフト「サッと勤怠with」!
タイムカードに印字された時間を、人間がアナログで計算していた時代から便利をつきつめた果てがここだ。当時の勤怠計算をしていた人がこの仕組みを見たら、「楽すぎてこわい」と気絶すると思う。
付属ソフトの「サッと勤怠with」には「お客様と共に」という想いがこめられているのだそう。さまざまニーズを持った組織に向けて、勤怠管理の環境を気軽に導入できるように…という作り手の熱意を、お話を伺って感じた。
さらに、中・大規模な組織向けの製品も、想像していたよりスゴい。
伝言板・・・?
工場などで、使用されているタイムレコーダーで、従業員のお昼ご飯の注文を受け付ける機能を搭載しているのだ。
手書きだと注文をする側も管理する側も記録が大変だが、タイムレコーダーで注文するのであれば、非常に合理的ではないか。
スタミナ弁当ください
だが、組織ごとの細かいニーズに対してシステムエンジニアがその都度システムを作り直さなければならないのでは? と竹内さんに質問すると「さまざまな希望に柔軟に対応できるように、間口を広くシステムを設計してあります」とお答えくださった。
間口を広くした、柔軟性のあるシステムの設計は相当大変なのではないだろうか? 筆者がもしエンジニアだったら、顧客から必要とされない謎の機能を詰め込んでしまう自信がある。
謎のプログラム、入れちゃいます・・・
竹内さんは「お客様から『こういう機能や製品があったら良いな』というご意見や要望を蓄積するデータベースが社内にあります。そのデータベースを製品企画やシステム開発の部門の人間が見て、製品をよりよくする努力をしています」と続けた。
ナルホド。創業者・天野氏の「顧客第一」という姿勢が今に引き継がれて、顧客のニーズをとらえた製品を世に届け続けているのだ。
取材を終えて
日常の中に溶け込む、タイムレコーダーやパーキングシステム。だが、かつてはそれらの製品は存在しなかった。
「こうなったら、きっと働く人たちの効率はもっとよくなる」創業者・天野氏が顧客第一の姿勢でものづくりを進めたことで、顧客のニーズをとらえ、時代に合った製品をアマノは今も世に送り出し続けている。
新横浜の駐輪場にもアマノ製品!
2031年にアマノは創業100周年を迎える。創業100周年に向けて組織としての意気込みを伺うと「『時間』と『環境』というアマノの基本は忘れずに、新しいことにもチャレンジしていきたいと思います」と永井さん。
すごく派手ではないけれど、いつのまにかそこにある、日々の生活に欠かせないような製品をアマノなら作ってくれるのではないだろうか。
お忙しい中取材にご対応いただき、竹内さん、永井さんありがとうございました
最近、とあるドラマに「出演」したというタイムレコーダー。朝みた・・・ような
―終わり―
アマノ株式会社
https://www.amano.co.jp/
参考資料
コンピューター博物館:小型計算機 CS-10A
http://museum.ipsj.or.jp/heritage/CS-10A.html
国土交通省 日本鉄道史(PDF)
http://www.mlit.go.jp/common/000218983.pdf
国土交通省 交通関連統計資料集
http://www.mlit.go.jp/statistics/kotsusiryo.html
ホトリコさん
2017年08月27日 20時21分
CMに出演している本田博太郎も気になります。
ushinさん
2017年08月25日 20時58分
なつかしいWin1.0(使い物にならないと評ば・・・ゴホゴホ)でも、時期的に近いから出しちゃったのかもしれないが、こういう機器はウインドウシステムというより、組み込み系と呼ばれるやつなんで、あまり比較対象ではないかな・・・と。どちらかというと、Z80でマシン語が動いているとかだから、ザ・ベ読みながらMSXで16進打ち込んでたのを思い出すなぁ。
よこはまいちばんさん
2017年08月25日 11時47分
アルバイト時代も就職してからも、勤務先のタイムカード機器は全て「AMANO」でした。それよりも・・・テレビCM見ていて、自宅車庫の出入口にギャクで駐車場出入りシステムを取り付けて見たくなってしまったのは自分ダケでしょうか? 相談すれば個人宅車庫にも付けられるのかな~?面白そう。