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実行委員会の不正経理発覚で春の野毛大道芸が中止! その真相は?

ココがキニナル!

野毛大道芸の協賛金の会計に不正があったそうで、春先に行われる大道芸が中止になってしまったそうです。経緯を調査してください(brooksさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

スタッフTシャツ作成用の協賛金が3年間で約120万円不正処理されたが、全額精算済みで、委員も辞任。春秋の大道芸は中止し9月に一度だけの開催

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ライター:はまれぽ編集部

3年で120万円が不明



1986(昭和61)年に始まり、今や春と秋の野毛の風物詩となった「野毛大道芸」。その実行委員会の経理に不正な処理があったため、この春予定されていた「第40回野毛大道芸」が中止になった。真相と今後の見通しを追求すべく、野毛大道芸実行委員会を訪ねた。
 


野毛大道芸実行委員会が入居するビル
 

対応してくれた事務局の久米弘泰(ひろやす)さんによると、不正処理があったのは大道芸スタッフのTシャツに関する協賛金。Tシャツを作成するため、2010(平成22)年から委員が野毛の飲食店などから集めた200万円以上の協賛金のうち、3年間で119万2670円が使途不明になっていた。

昨年秋の「第39回野毛大道芸」の経理処理の際、経理担当ではない委員2人が「実行委員会の本会計とは別の口座を作っていた」と自己申告があった。これを受け実行委員会が銀行に確認したところ、2010(平成22)年5月から2013(平成25)年10月までの間、本来は実行委員会の会計で扱うべきTシャツ作成費を2人が作成した口座の中で処理するという不正な手順で行われていたことが発覚した。

2人はTシャツ用の協賛金として集めたお金を別口座に入金。その口座を使ってTシャツに関する精算を行っていた。Tシャツは横浜市内の業者に発注して作成している。年度によって枚数は変わるものの、おおむね春・秋で総額70万円程度を見込んでおり、業者によると、毎回見積り通りの支払いがなされていた。
 


野毛大道芸スタッフTシャツ
 

実行委員会は別口座の存在を知らされておらず、久米さんは「申告がなければ分からなかった」と話している。2人は「良くないこととは分かっていた。いつか話さなければと思っていた」と説明しているという。

野毛地区街づくり会と実行委員会の聞き取りに対して、「実行委員会で使うパソコン5台とイベント用テント1基を購入した」と、不適切な処理を認めた。2人は「パソコンは市内の大手家電量販店に知人がおり、そこで購入した。テントはインターネット通販で購入した」と話しているという。いずれも別口座内で入出金の記録はあるが、領収書は残っておらず、パソコンなどは大道芸の運営に使用されていた。
 


「大道芸のため」だという(フリー素材より、写真はイメージ)
 

Tシャツ代金の支払いも滞りはなく、作成した業者も「支払いに不備はなかった。私たちも報道を見て(別口座の存在と大道芸の中止)を知ったので、詳しいことは何もわからない」と困惑しながら話していた。

2人は「大道芸の運営がスムーズでないと感じる部分があり、大道芸のためになればと思って購入した。私的な流用は一切ない」と話しているという。神田会長と影山委員長は「長年大道芸を応援してくださっている皆さまの信用や期待を裏切ってしまったことに心からお詫び申し上げます。今後は信頼回復と健全な会計に努めていきたい」とコメントした。
 


以前はまれぽの取材を受けていただいた神田会長
 

実行委員会は、2人を今後一切の事業に関与させないことを決め、2人も昨年11月に委員を辞任。今年2月24日に口座を解約し、残金は実行委員会の本会計として精算する処理を行った。