一体誰が買うの?相模原にある「銃砲火薬店」を徹底調査!
ココがキニナル!
相模原鉄砲火薬店というお店を見つけました。ホームページを見る限り、かなりの数の鉄砲があります。どんな人が買うのか、何に使っているかを調べてください。あと、鉄砲だけで経営は成り立つのかも(腰痛おじさん)
はまれぽ調査結果!
クレー射撃などの競技や、狩猟を行う用途で販売されている。銃の保持者は減少傾向にあり状況は厳しさを増しているが、経営は成り立っている
ライター:はまれぽ編集部
取り扱っている銃について
相模原銃砲火薬店で販売されている銃には、どんな種類があるのだろう? まずは散弾銃(ショットガン)について伺うと、
「この店で一番多く扱っているのが散弾銃です。火薬を使って小さな弾が詰まった"装弾(そうだん)"を発射させる仕組みで、クレー射撃や狩猟でよく使用されます」と教えてくれた。
装弾は狙う獲物によって変えるそうで、基本的には小さなターゲットには小さな弾が入ったもの、大きなターゲットには大きな弾が入っているものを使用するそうだ。
散弾銃で使用される装弾のしくみ。中にいろいろなサイズの弾が入っている
中身が空になった装弾
これは散弾銃の模擬弾。装填の練習などで使用される
模擬弾を散弾銃に装填するようす
次は空気銃(エアライフル)について解説していただいた。
「空気銃(エアライフル)は、火薬を使用せずに空気やガスを使って弾を発射させる銃です。この銃は、クレー射撃や標的射撃などの競技に使用されます」と小俣さん。
「散弾銃やライフル銃と比較すると、所持するための手続きが少ないので手に入れやすい銃とも言えますね」と教えていただきつつ、空気銃の弾を見せてくれた。
パッケージの中に入った空気銃の弾
出してみるとこんな感じ。エアガン(玩具)のBB弾に似ていなくもない
最後はライフル銃について、小俣さん所有の実銃を見せていただきつつ、説明していただいた。
「ライフル銃は所持するハードルが一番高い銃です。手に入れるためには散弾銃を10年以上継続して所持しているという実績が必要です。当店で扱っている銃の中ではもっとも威力が強く、最大到達距離は、大口径のライフル銃で約3200~4000メートル、小口径のもので約1600~2200メートルほど。狩猟ではクマや、シカ、イノシシなど大物が標的である場合に使用します」とのこと。
小俣さんのライフル銃。遠くの獲物を狙うためにはスコープが必須
なるほど。それぞれの銃にはそれぞれ適した用途があるということですね。素朴な疑問なんですが、国産の銃ってあったりするんでしょうか?
「現在日本ではミロクという銃器メーカーがあり、当店でも扱っていますが販売する銃の7割は海外製でイタリアやアメリカ、スペインなどのメーカーが多いです」とカタログを見せてくださった。
ベレッタ、ウィンチェスターは映画の中でもおなじみのメーカーですね
銃を所持するためには
クレー射撃や狩猟に興味を持ち、実際に銃を買いたくなったらいったいどうすればいいのだろう? 小俣さんにお伺いしたお話をもとに以下にまとめてみた。
このように銃を所持し、使用するためには厳しい条件がある
小冊子を見せていただきつつ教えていただいた
うーむ。かなりハードルが高いような気がするが、実際のところはどうなんだろう?
小俣さんは「銃を所持しようと思ったら、まずうちのような銃砲店に相談するのがいいと思います。許可を得るために必要な書類作成のアドバイスもしていますよ」とのこと。
実際、取材中にもクレー射撃を始めたいというお客さんが来店し、さまざまな疑問を小俣さんにぶつけていた。そばで会話を聞いていたが、かなり実践的なアドバイスをしていたのが印象的だった。
お客さん(顔出しNG)の質問に答える小俣さん
同店では、販売前の相談から、銃や弾、銃を保管するためのロッカー(銃保持者には設置が義務付けられている)などの用具類の販売、また、購入後のメンテナンスまでを行う。ゆえに長年にわたってお付き合いが続くお客さんが多いとのことだ。
銃のメンテナンス用品など
空気銃の弾など
メンテナンスルームにはさまざまな工具が
鉄砲だけで経営は成り立つの?
ここでキニナルにあったゲスい質問をぶつけてみた。ぶっちゃけ経営は成り立っていますか?
「おかげさまでなんとか成り立ってます(笑)」と小俣さん。
「でも、問題はいろいろとあります。まず銃に関する規制が強化されていることです。2007(平成19)年12月に長崎県佐世保市で散弾銃乱射事件が発生しました。翌年には、銃刀法が改正され、そのことを契機に銃の保持者も激減しました」とのこと。
また別の問題もあるそうで、
「神奈川県内には16店舗の銃砲店がありますが(2017<平成29>年10月現在)、多くの店で後継者不足が問題になっています。また銃保持者の高齢化も進んでいます」とのことだった。
相模原銃砲火薬店は康茂さんがしっかりと受け継いだ
いろいろと悩みはありそうだが、現代においてはどんな職業でも同じようなことが起きているような気もする。最後にお店の今後についてお伺いすると、
「クレー射撃の大会などで、当店のお客さんが優勝したりすると嬉しいですし、なんといってもオリンピックにも採用されている伝統ある競技ですから、普及が進むように私も努力していきたいと思います」と小俣さんは答えてくれた。
店内には協議会や研修会のポスターがたくさん貼られていた
取材に応じていただきましてありがとうございます!
取材を終えて
さまざまな凶悪事件などが発生するたびに、やり玉にあげられる銃。しかし、スポーツ競技や狩猟文化として磨き抜かれてきた歴史があることを思い知らされた取材だった。
―終わり―
取材協力
相模原銃砲火薬店
所在地/相模原市南区上鶴間2-1-11
電話/042-742-9605
営業時間/午前8時半~午後6時
定休日/日曜日、祝祭日
https://sagamihara.shop-pro.jp/
YAM-3さん
2017年10月21日 22時44分
エアーライフルはクレー&標的射撃ではなく狩猟&標的射撃では?ちなみに写真の弾は狩猟用で弾頭が丸いです。対して標的射撃超用は的にパンチで開けたような正確な穴を開けるために弾頭が平らになっています。
烏龍茶さん
2017年10月21日 16時18分
一般人で銃というと害獣の狩猟のイメージだったけれど、実際には7割が競技者だったとは。
TTTさん
2017年10月20日 05時49分
漫画読みで 狩猟興味有るなら少し前に連載終了した「山賊ダイアリー」と言う作品作者の銃扱いの体験記で面白いですよ