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元々の住みかを失った「三浦メダカ」、野生環境で順調に数を増やす!

ココがキニナル!

京急の三崎口駅周辺の開発事業の際、三浦メダカの生息地の「三戸地区・北川」が埋め立てられました。油壷マリンパークで飼育しているようですが、もう天然物の三浦メダカは絶滅してしまった?(まさしさん)

はまれぽ調査結果!

半年前の調査に比べ、4倍近い数のメダカを確認できたが、まだまだ油断は禁物。メダカだけが住む池を整備するなど、取り組みは今後も続く

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ライター:田中 大輔

真打ち登場!? 三浦メダカも大量に!


 
前回の調査同様に、いろいろな生き物がジャンジャン捕まっていたわけだが、肝心の三浦メダカもこの日はたくさん。なんとこの日の調査では、前回を大きく上回る155匹もの三浦メダカが網にかかった。

勝呂さんは「三桁は初めて」と目を細め、過去最高の数に喜びもひとしおといったところ。
3cm弱の成魚のほか、一回り小さい今年生まれの若いメダカも多く見られ、代替わりも進んでいる様子。
 


今回はメダカうじゃうじゃ。これでも一部

 
今回、池に入って生物の捕獲を行ったのは主に2名(筆者は除く)。勝呂さんによると「昔は経験のあるNPOの人たちが一緒にやったこともある」そうだが、「それでも50匹程度だった」と言う。

5月の調査でも今回より多い4人体制で網を振るって40匹ほどだったことを考えると、三浦メダカの数は増えていると考えられそうだ。

三浦メダカの会の参加者も「放流から3年ほどは、メダカの採取数も少なかった。それでも、稚魚が見つけられたからこの環境に期待をかけた」と振り返り、メダカが増えつつあることをよろこんでいた。
 


池の中を泳ぐ三浦メダカ。たくましくその数を増やしている様子

 
前回の調査時、「今後、メダカだけが爆発的に増えることはない」と勝呂さんは話していた。これは、池に住んでいるのがメダカだけではないため、ほかの生物とのバランスの中で増減することになるからだ。

今回はだいぶ増えたように感じるが、「このくらいの数だと爆発的とまではいかない」と勝呂さんは言う。「メダカをエサにする肉食性のエビやハゼ、ヤゴなどがいる中で、上手くやってるようだ」と感じているそうで、「順調ですね」と笑顔を見せてくれた。
 


今回捕獲された三浦メダカには、さらなるミッションが・・・

 
よろこびムードの中だが、三浦メダカの会のメンバーは今回の調査結果を「80点」と採点。さらに、「ひとつの池でしかメダカが見つからなかった」と残りの20点分を指摘することも忘れない。

確かに、前回は別の水場でも捕獲されていたメダカだが、今回見つかった155匹はすべてビオトープ内の一番大きな池に集中していた。「今の状態だと、あの池がダメになったらそれで終わり」というわけで、ほかの場所にも定着してくれれば、と今後のさらなる課題も話してくれた。
 
 
 

メダカだけのパラダイス? 新たな池にお引っ越し


 
さて、今回の調査ではもうひとつ、大きな出来事があった。それは、前回の調査時に勝呂さんが検討していた「三浦メダカだけが住む池を新たに作る」という計画。今回は、その池へのメダカの引っ越しが実行に移されたのだ。

増えてはきているようだとはいえ、まだまだ数の少ない三浦メダカ。彼らを襲う肉食動物のいない場所を作ることで、保険をかけておこうという作戦だ。上手くいけば、前述の「一つの池がダメになったらアウト」という万が一の状況にも対応できることになる。
 


ヤゴにとってメダカは獲物(写真は前回調査時のもの)

 
こちらの計画は、用意された池に浮かぶ余計な水草や、底に沈んだ腐った植物などをきれいに掃除して、環境を整えていくところからスタート。
 


生物採取と並行して行われた池の整備

 
写真からも分かるように、池は結構な深さ。写真手前に積まれたべチャっとしたものが腐った植物で、水を含んで重く、掃除をするのもかなりの重労働だ。

二人掛かりで池を使える状態にまで整え、調査の最後にいよいよ三浦メダカを放流。今回は、20匹の若いメダカが放された。

 

いざ新天地。来年の調査では、この池に何匹のメダカが見られるか

 
今後、来年(2018年)の春ごろに行われる次の調査までは、なるべく何もせず、自然な環境を維持していくそうだ。そのときに、果たしてメダカの数が増えているかどうか。
勝呂さんは「またひとつ楽しみができたね」と期待を込めて話してくれた。
 
 
 

取材を終えて


 
前回の調査から比べると、三浦メダカの数は増えたようだが、まだまだ油断はできない。だからこそメダカ専用の池を作るなど、いろいろな取り組みが行われているというわけ。
 


調査を終え、引き上げる面々。お疲れ様でした

 
勝呂さんは、「“安心”と言えるようになるまでは、もっと長い年月が必要」と話す。それまで、このビオトープは一般公開されず、場所も秘密。
そのため、みなさんが直接目にすることはない取り組みだけど、人知れず頑張っている人がいるということを知ってもらいたい。

いつかこの場所が公開されたり、観察会などが行われることがあったら、そのときこそ三浦メダカの保全が実を結んだ、と言えるときなのかもしれない。
そのときに向けたひとつのステップとしての今回の調査。現時点では「満足」のできる結果を出せたようだ。


―終わり―

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