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横浜駅南口の通路にひっそりとある小さな謎のマンホールの正体は? 一般市民が立ち入り禁止の「消防隊進入口」に突撃!

ココがキニナル!

横浜駅南口の市営地下鉄から相鉄ジョイナスのクイーンズ伊勢丹に抜ける通路の途中に「消防隊進入口」と書かれたマンホールのようなものがある。ここから消防隊が進入するの?(nobaxさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「消防隊進入口」は消火活動やテロなどの毒物災害の除染作業に使用すべく、昭和47年に駅の創業と同時に設置された! 実際に使用されたことはない!

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ライター:松宮 史佳

投稿によると、JR横浜駅南口にナゾのマンホールがあるらしい! 場所は“横浜市営地下鉄からジョイナス・ザ・ダイヤモンドのクイーンズ伊勢丹に抜ける通路の途中”とのこと。ナゾのマンホールは「消防隊進入口」というようだ。
 


投稿された画像


一体どれくらいの大きさなのか? 人が入れるのか。それとも小人さん用?? 実際にナゾのマンホールをこの目で確かめるべく、実際に現地へ行ってみることに!



ナゾのマンホール「消防隊進入口」

夕方のラッシュ時。ジョイナス・ザ・ダイヤモンドにある「クイーンズ伊勢丹横浜」から横浜市営地下鉄ブルーラインの乗り場へ。“ナゾのマンホール”を探すため、じっと床を見つめながら一人で歩く松宮。

・・・探すこと30分。
 


横浜市営地下鉄ブルーライン乗り場に到着
 

超真剣に階段を見ながら下りていると、“落ちそうになる”


「ない・・・」「どこにあるの!?」「もう見つからないかも・・・」とあきらめかけたその時!

「ああっ! なにかある!」
 


もしやこれがナゾのマンホールか!?


・・・ゆっくり近づいてみると・・・
 


これだっ!!! ナゾのマンホール=「消防隊進入口」を発見!


階段下にひっそりとある「消防隊進入口」を見つけた「投稿者の方はすごい!」と感心する。

・・・一辺の長さは松宮の足3つ分ほど(24cm×3=約72cm)くらい。このナゾのマンホールは一体どこに続いているのか!? 

どこが管理しているかまったくわからず、途方に暮れる。が、“消防隊”という文字を手掛かりに「本田圭佑選手を育てた大叔父の大三郎氏は横浜市消防局訓練センターの超鬼教官だったってほんと!?」でもお世話になった横浜市消防局に問い合わせてみる。

すると、「消防隊進入口」は横浜市消防局が使用するものだが、管轄は交通局との答え。担当者の方によると、横浜駅南口にある「消防隊進入口」は「ホームとつながっている」とのこと。取材を申し込むと、なんと! 「職員以外立ち入り禁止」のホームから今回は特別に「消防隊進入口」の中を見せていただけることに!
 


「消防隊進入口」の設置目的とは!?

・・・取材当日。待ち合わせ場所の「消防隊進入口」で一人ボーっとしていると、姿勢がよく、ビシッとして見るからに“タダ者ではない”オーラを放つ数人の男性が! 声をかけると、担当者の方々と判明! 一緒にホームへ。

歩きながら本田大三郎氏のことを話題に出すと、「私は教え子です」と横浜市西消防署警防第一課長・消防司令の安西茂治(しげはる)さん。「おおーっ!」と奇遇な縁に驚く松宮。当時の本田氏の印象を伺うと「厳しかった・・・」とのこと。しかし、恐れられながらも「生徒には尊敬されていた」ようだ。ちなみに安西さんは(本田氏と)「現在も交流がある」という。
 


(左から)横浜駅副駅長・宮崎滋さん、横浜市西消防署・安西茂治さん、山内優さん


「消防隊進入口」が設置されたのは1972(昭和47)年。「横浜市営地下鉄ブルーラインの開業と同じ年です」と宮崎さん。横浜駅構内に設置されているのは1つのみ。横浜市営地下鉄ブルーラインにはもちろん、グリーンラインの全駅にも設置されている。設置目的は乗客の避難経路とは別に、消火活動を行う経路が必要だったため。前述したが、この「消防隊進入口」は地下鉄のホームまでつながっているのだ。
 
駅で火災が発生した際、乗客が避難する経路と消火活動を行う動線が同じだと混乱してしまう。そのため「2つの動線を分けている」と横浜市消防局警防部計画課の種子田(たねだ)太郎さん(残念ながら写真はNG)。

ちなみに「消防隊進入口」の設置は「法律では義務付けられていない」そうだ。しかし、「消防隊進入口」の隣にある消火栓は「設置が義務付けられている」とのこと。消火栓を開けたことがない松宮。中を開け、見せていただけることに!
 


消火栓を開けるとこんな感じ!


・・・そういえば、消火栓はどうやって使用するのか? 安西さんに尋ねると「必ず(消火栓の扉の後ろ)に書いてありますよ!」と教えてくれる。一般市民は「消防隊進入口」を使用することはできない。だが、消火栓は「使用可能」とのこと。
 


消火栓を使うには「ホースで消火を行う人」と「ボタンを押しバルブを開ける人」が必要
 

火災が発生した場合、まずは非常ベルを押す


すると、駅構内のバックヤードにあるポンプが作動し、「(消火用の)水が出る」。
 


消火活動を行う人はホース先端を持ち、「構え!」


ホースは2本入っており、長さはどちらも15メートル。ホースは「放射状で25メートルほどの範囲の消火活動が可能なように」と設計されているらしい。
 


ホース口(赤い丸)からは地上の「ポンプ車から水を送ることができる」
 

「不備がないように」と年に2回ほど定期的に点検を行っているそうだ
 

消火栓に貼ってある「このマークは?」と尋ねると・・・
 

「消防章」と答えてくれる種子田さん


そのほか「消防隊進入口が使用される時は?」と尋ねる松宮。種子田さんによると、現在想定しているのは「テロや毒劇物災害の発生時には、隊員の安全が確保できる活動拠点にも活用が可能」とのこと。つまり、毒物が拡散していない場所(JR横浜駅南口近くの階段下)にある「消防隊進入口」からホームへ降り、「汚染の除去作業を行う」のだ。
 


横浜駅南口階段下にある「消防隊進入口」から・・・
 


ホーム端にある「消防隊進入口」はつながっている!


通常、消防隊の方は重さ10kgほどの空気呼吸器(酸素ボンベのようなもの)を背負い、消火活動を行う。しかし、それはあくまで「最小限の場合」。フル装備の場合、「20kgから30kg」になることもある。「消防隊進入口」は約70cm。フル装備で人を背負い、救助を行うには狭い。そのため、「救助には使用しないですね」と山内さん。

ひととおりお話を伺ったところで、いよいよ「消防隊進入口」に突入!