世界初！　ミッケラーもびっくり！

　
「ミッケラーがやりたかったであろうことを勝手に体現しました（笑）」。そう話す麻生さんの目はキラキラと輝いている。

ミッケラー（Mikkeller）とは、数学と物理の教師をしながら独自のビールレシピを作り上げたミッケル・ボルグが設立したデンマークのビール醸造メーカー。無類のラーメン好きとも言われており、自身でラーメン店を経営したり、ラーメンに合うビールを作るほどだ。

ミッケラーを愛する麻生さんは、「ミッケラーはきっと、ビール醸造所とラーメンを一緒に提供できるような場所を作りたかったんじゃないかと思うんです。それは、他ジャンルの店を展開している自分だからこそできるスタイルかな、という感じで挑戦してみました」と、醸造所と麺処を併設するに至った経緯を語る。
　

入り口側の席からは醸造所の様子がバッチリ見える

　
そしてこの建物のオーナーさんの、「この辺りはご年配の方が多いから、うどんもやってほしい」という声に応え、“クラフトビール×ラーメン×うどん”の新ジャンルを誕生させたのだ。

では、ロトブルワリー・麺や天空で食べられるラーメンとうどんを紹介しよう。
　
　
鶏白湯＋煮干しラーメン
　

鶏白湯＋煮干し（750円／税込・以下同）

　
鶏が香り高い白湯スープは、最後にフワッと煮干しが香る。麺は川崎市の大橋製麺に特注で発注しており、太さの異なる番違いの麺が一杯の中に入っているそうだ。麺とスープのバランスが良く美味しい。
　

あっさりとした鶏白湯とコシのある平打ち麺

　
上に乗っている鶏ハムはスチームコンベクションオーブンで作っており、しっとりとして美味しい。添えられた豆苗も味のアクセントとなっている。
　
　
とり天うどん
　

とり天うどん（600円）

出汁のよく効いたスープが身体に染み渡り、お酒を飲んだ後に食べたらホッとする味だろう。ラーメンの麺より少しもっちりとしており、スープを吸ってもすぐにはふやけない。
　

カツオと煮干しのスープにモチモチの麺

　
とり天は塩麹で下味をつけているため、単品で食べても美味しい。衣が薄付きで油っぽさがなく、天ぷらうどんを食べている気がしない。

ラーメンもうどんも、ビール醸造の片手間で作っているような感じは一切ない。麻生さんは、「本当に美味しいものをお客さんに食べていただくことが一番。雑誌やYouTubeをよく見るんですけど、先人の技術はどんどん真似してアウトプットしています」と話してくれた。
　

「いろいろな方の湯切りを動画で何度も見ました」と麻生さん

　
味に妥協しない麻生さんは、ロトブルワリーで天ぷらをメインのおつまみにしている。
　

写真左から、岩下の新生姜（200円）、大根（150円）、とり天（150円）

　
ここでは天つゆを使わない。野菜はそれぞれに下味をつけており、大根は白出汁で、ゴボウやニンジンはカツオ出汁で下ごしらえしているのだとか。
　

シイタケ（200円）は片面だけ焼いて水分を傘の中に閉じ込める

　
下味のことや焼き方のことなど惜しげもなく話してくれるので、箸も話も進んでしまう。ここに上大岡ビールが加わると思うと、終電を逃してしまいそうだ。

最後に麻生さんは、「しばらくは、初めてクラフトビールを飲む方でも飲みやすい、爽やかでフルーティーなビールを作ろうと思っています。でも頭の中では、日本酒や焼酎などビール用以外の酵母を使って発酵させてみたいなぁ～なんて、いろいろなシュミレーションをしています」と、ビール作りへの熱意を語ってくれた。
　
　
　

取材を終えて

　
ふと足元に目をやると、麻生さんの靴が色違いなことに気付いた。「ファッションですか？」と聞くと、「いや、普段からこうしておけば、本当に間違えた時に周りから変な目で見られないでしょ？」と笑う。
　

好きな色は赤なのだとか

　
アイディアマンの頭の中はよく分からない（笑）。でも、そういう突飛な考え方が上大岡に新たな風を運んでいるのだろう。

2018年5月12日、京急百貨店・上大岡駅で上大岡ビールのお披露目会があるので、その日は色違いの靴を履いて上大岡ビールの完成をともに祝いたいと思う。
　
　
ー終わりー
　
　
Roto Brewery（ロトブルワリー）・麺や天空
住所／横浜市港南区上大岡東2丁目42−14
電話／050-1360-1069
営業時間／午前11時～午後11時
定休日／不定休

※情報は取材当時のものです