火葬場の灰から金銀が!? 「残骨灰」を売却する横浜市の苦悩とは
ココがキニナル!
火葬場で遺体を焼いた後に出る「残骨灰」を横浜市は回収して中に混じった金などを業者に売っているとテレビで取り上げられていました。この収益は何に使っているのでしょうか?(bubukaさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
遺骨をすべて回収した後に残る残骨灰の売却益は、市営斎場(火葬場)のトイレや待合室の改良に使用している。横浜市は透明性確保のために売却をはじめたが、長期的な制度とは考えていない
ライター:はまれぽ編集部
残骨灰を売却したお金の使い道は?
肝心のキニナル部分が、売却後の利益をどうするかという問題。
2017(平成29)年度の売却益は7800万円に上り、2018(平成30)年度も8500万円の売却益を見込んでいる。決して小さな金額ではない。
残骨灰から得られた利益をどのように使うかについても、横浜市は頭を悩ませたようだ。
酒井課長によれば、「もともと、お金が欲しくて売却を行っているわけではありません。利益は市営斎場を使う方の目に見える形で還元することにしています」という。
職員の給与などが支払われる一般財源に組み入れることなく、市営斎場の設備の改修などに使われることになるようだ。遺体を燃やす燃焼炉など、いわゆるバックヤードを維持・管理するのは「市費で行うべき」との考えから、売却益は斎場利用者が使うトイレの様式化や、老朽化が進む待合室の改修、観葉植物などの充実といった分野に使われている。
市営の南部斎場(金沢区)ではトイレなどの改修も進んでいる(市営斎場HPより)
一方で、利用者への還元という意味では市営斎場の利用料を値下げすることで還元するという案もあったが、こちらは見送られた。
「残骨灰が将来的に売却できるとは考えていません。社会状況が変われば売り払いはできなくなり、またお金を出して処理してもらうようになる可能性があります。今しか得られない売却益ならば、施設の改修に使うべきだと考えたのです」。
というのも、残骨灰に含まれる金属は、ほとんどは金歯や銀歯に由来するもの。特に「金歯」は、一定の年齢以下の人はなかなか使用しておらず、時代とともに灰の中にも含まれなくなっていく可能性が高い。銀歯も、近年はセラミックの導入などにより減少傾向にあるようだ。
副葬品の時計やアクセサリーなどの金属資源に注目する動きもあるが、「横浜市では炉を傷める可能性があるので、棺には入れないようにお願いしています。仮に入っていても、そうした貴金属は融点が高く、形をとどめて残ることになるので、残骨灰として処理することはありません」と酒井課長。やはり残骨灰の中にある金属に、長期的な期待を寄せてはいないようだ。
棺にはこうしたものを入れることはできない(市営斎場HPより)
残骨灰から金属が抽出できるーー。それは、今だけの一過性の現象なのかもしれない。
取材を終えて
全国の自治体では、残骨灰を売却せずにすべてを保管する方針の自治体もある。ただし、遺骨の一部を骨壺に収め、残りが残骨灰となる関西圏と、全骨収容の関東圏では、事情が異なるということにも注意が必要だ。
日本人のほとんどが最後は火葬にされることになる以上、遺骨をお墓に収めた後の灰がどうなるかは、誰もが関係している問題。
そのお金の使い道を含めて、まずは「残骨灰の売却」という事実を知ることから始めたい。
ー終わりー
ナチュラルマンさん
2018年08月09日 13時53分
人間くらい無駄な死に方をする生き物はいないですね…火葬の為に化石燃料使って二酸化炭素出す、人体燃やせばこの問題…土葬すれば土に人は帰れるのに…土葬の方がエコかと思いますが…自分は火葬されたくない…森林の中で土葬されたい。
Q-cahnさん
2018年08月09日 00時14分
焼けば小さな骨出来るし、煙にも粉塵が含まれ、この処置はやむなしではこれらのコストは火葬費用だけでなく、税金で賄われていることを見落としてはならない。