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磯子区杉田を自販機から見守る! 「ウメニー」っていったいなに?

磯子区杉田を自販機から見守る! 「ウメニー」っていったいなに?

ココがキニナル!

磯子区杉田周辺に「ウメニー」というキャラクターが書かれた自販機が設置されている模様。いったいどんな経緯で誕生した?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜市立杉田小学校の児童たちの「町に恩返しをしたい」という思いから、5台のウメニー自販機を設置。地域学習から一歩踏み込んだ取り組みの一環だった

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ライター:はまれぽ編集部

地域への恩返しがしたい!

「ウメニー」について、杉田小学校にお話をうかがうことができた。
 


当時の担当者は残念ながらいらっしゃらなかった

 
事の始まりは2013(平成25)年度に、当時5年生だった杉田小学校の子どもたちが「地域への恩返しのためにゆるキャラを作ろう」と活動を始めたことだった。

総合的な学習の時間を使い、杉田地域の特徴を生かしたキャラクターを3種類考案した児童たち。それらを住民らに投票してもらい、7割以上の支持を集めたのが「ウメニー」だった。

梅の花やつぼみをイメージしているような外見からもわかる通り、モチーフは「杉田梅」。
 


いまも地域で大切にされている杉田梅

 
そして、子どもたちは「キャラクターを来年度以降も存続させたい」という想いから、地域の企業にウメニーをPR。それを聞き入れたのが、地元企業である「安藤建設」だ。
 


冒頭の自販機や仮囲いも、安藤建設の取り組み

 
安藤建設の安藤竜一(あんどう・りゅういち)社長は、子どもたちの要望を受けて、デザイン関係の専門家にキャラクターの活用について相談するなどサポートを行った。

知的財産などの権利問題に抵触しないよう、同社がプロのデザイナーへ橋渡しし、児童らのコンセプトを引き継いだ上でウメニーを再デザイン。地域で使える杉田のキャラクターとして、現在のウメニーが誕生した。
完成は2015(平成27)年3月11日。この活動を始めた児童たちが卒業する、まさにその日のことだった。

ウメニーは耳がつぼみだが、初代は耳の部分が梅の葉っぱで、緑を基調としたデザイン。顔がちょっと某キャラクターに似ていなくもない。
 


左が初代ウメニーのぬいぐるみ(写真は過去記事より)

 
とはいえ、安藤建設はキャラクターを独占するつもりはまったくないという。
安藤社長は「ウメニーは杉田のキャラクターとして活躍していってほしい。当社だけが使うのではなく、企業色をなくしてフリーで使える、地元に愛されるキャラクターになってほしいと考えています」と思いを話す。

そんな理由もあり、ウメニーを生み出した当時の児童たちが卒業した後も、杉田小学校ではウメニーを使った地域への恩返し活動を模索してきた。

その代表ともいえるのが自販機の設置だ。
児童たちが声を上げたのは2017(平成29)年の夏休み。8月に杉田劇場で行われた「杉劇夏まつり2017」で、「ウメニーを使って街を明るくしたい」「町のためにできることはないか」と訴え、協力を募ったことがきっかけだ。
 


協力に名乗りを上げたのが「東京キリンビバレッジサービス」!

 
児童たちが卒業するまでの年度内に達成できる活動として、ウメニーをあしらった自販機を町に置くことが決定した。

東京キリンビバレッジサービス株式会社横浜支店の担当者にこのプロジェクトについてうかがうと、「当社としては地域社会に根付き、つながりを大切にして自販機を使った地域貢献活動を実施しています。その中の一つが今回の『ウメニー自販機』です」という。
また、今回の自販機設置を通して「子どもたちがそれぞれに持つ自分の可能性を広げ、『夢を発見する』お手伝いをしたいという想いで取り組みました」とも話してくださった。

その後、児童たちは各グループに分かれ、ワークショップで自販機のデザインを決めたり、設置に向けた広報活動などを開始。
自販機を置くことで街灯代わりに地域を明るくし、ウメニーを杉田のキャラクターとして定着させることが取り組みの狙いだ。
 


夜の自動販売機は明るく道を照らす(写真はフリー画像)

 
児童たちは、自販機の設置場所を募るためにチラシを作成し、ポスティングを実施した。当初、設置場所を提供してくれたのは、これまでもウメニーに協力してきた安藤建設と杉田劇場。特に杉田劇場は、2018(平成30)年3月にウメニー自販機がお披露目された当日に、劇場入り口とホワイエの2ヶ所に設置した。
 


杉田劇場の自販機が設置第一号だった

 
劇場の担当者は「以前から杉田小とは『歌声プロジェクト』などで深いつながりがあり、協力を決めました。杉田劇場は地域に根付いた活動を行っているので、これからも協力していきたいと思っています」と語るなど、サポート体制は整っている。

そして杉田小学校の児童は、もう一歩踏み込んで取り組みを広げることにした。




やるならトコトン! 子どもたちの「営業活動」

「杉田劇場や安藤建設は、きっと子どもたちのために協力してくれる。だが、既存の自販機にイラストを貼るだけなら東京キリンビバレッジサービスは損。協力してくれる企業のメリットを考えるなら、新規に置かせてくれる場所を探すべきじゃないか」。当時の担任の先生は、そう子どもたちに呼びかけた。
 


既存のキリン自販機はあちこちにあるが、大変なのは新規設置

 
「『子どもだから助けてもらえる』と思っていたかも」。子どもたちは意識を新たに、ポスティングの範囲を拡大。自販機を置く動機がある人通りの多いエリアやバス停の近くを重点的に回るなど、戦略的に「営業」した。

その結果、新たに個人宅前など2ヶ所に自販機を設置してもらえることに!
大人が手配したのではなく、子どもたちが自ら一歩踏み出して手に入れた成果だった。
 


民家の前に設置された唯一のウメニー自販機

 
自販機設置の取り組みは、横浜市教育委員会が2016(平成28)年度からスタートした「はまっ子未来カンパニープロジェクト」の一環でもある。

市内の学校と企業などの外部機関が連携して、社会課題を解決しようという取り組みで、横浜らしいキャリア教育を推進していくことが目的の事業。実際に自分たちのプロデュースした自販機が町に並ぶことになったことは、子どもたちにとって大きな経験になったに違いない。
 


マンション前の自販機。ちょっとお得な値段設定

 
ギリギリまで設置のお願いに回っていたこともあり、5台の自販機のうち、安藤建設前や個人宅前などの2台は児童らが卒業した後、2018年6月の設置となった。
中学生になった当時の6年生には、担任の先生から「成果」が伝えられている最中だという。
 


ウメニーはこれからも地域で広がっていく(写真は過去記事の「ウメニーパン」)

 


取材を終えて

「地域を盛り上げたい」という子どもたちの取り組みに、地元企業や大人たちが協力して実現した「ウメニー自販機」。カリキュラムとしての枠を超えて、児童の頑張りが実を結んだ結果は、これからも杉田の町に残り続け、まちゆく人の足元を照らしていくことになりそうだ。


ー終わりー


 

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  • こどもたち頑張った。安藤建設さんもナイスサポート。杉田は隣町、この自販機見かけたら缶コーヒー買おう。

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