居酒屋のキャッチについて行ったらどうなる?その3
ココがキニナル!
横浜駅周辺で「安い店ありますよ!」と声をかけてくる強烈キャラぞろいのキャッチのオニィさんたち。怪しい匂いがプンプンするがついていったらどうなってしまうの?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
連れて行かれるのは最低最悪の店から、「キャッチの人を雇う必要があるの?」と思うほどレベルの高い店まで様々。良いキャッチに出会うのは運次第。ご利用時は自己責任で・・・
ライター:はまれぽ編集部
「髭ハンサム君」との再会
本当は出会ったすべてのキャッチ君にインタビューしたかったのだが、残念ながら「丁寧メガネ君」「愚問です!君」には再会することができなかった。雨に濡れつつ鶴屋町の鶴屋橋近辺をぐるぐるまわっていると・・・
また来てしまった・・・
前回と同じ場所に現れた「髭ハンサム君」を発見。
逃がさん!
ダッシュし「こんばんは!」と声をかけた。
一瞬「え?」という感じではあったが話をしているうちに思い出してくれたようだ。
いきなり背後から声をかけたため少々驚いた様子
実は取材をしていたこと、そしてお勧めの店の料理がとても美味しかったことを伝えると
「よかったー。あのパスタ美味しいですよね。キャッチの人を雇っているようなお店ではないでしょう?ただ、激安を望まれてしまうと、違うタイプの店ですよね」
と、この日もとても落ち着いた物腰で話してくれる。
料理がおいしかったことを話すと、喜んでくれた
ビブレ前の南幸橋でも同じ取材をしていたことを話すと、彼も第2弾登場の「愚問です!君」同様「他のキャッチさんの事を悪く言うことはできませんが」と前置きした上で
「西口エリアのキャッチを雇っている店を持っている会社と、この鶴屋橋周辺でキャッチを雇っている店は、全く違うんですよ。この辺りは高級店も多いし、安くても美味しい店も多いので、競争も激しいっていう事で雇ってくれる店が多いですね。
横浜には『生ビール』と書いてあるのに発泡酒を出す店とか、質の悪い店もたくさんありますけど、僕の担当している店は、フランチャイズでチェーン店の名前をかりてやっている店が多い会社が運営しているので、変なことができないんですよ」
と答えてくれた。
実は前回の取材時、橋の真ん中あたりでキャッチ同志が客を譲り合うシーンを見かけた。という事はこのあたりの縄張りは鶴屋橋の真ん中あたり?
「厳密には決まってないけど、橋の真ん中からアチラとコチラっていうのはありますね。でも、エリア外で最初に他のキャッチの人と話していた人が、自分のエリアを通って、最初のキャッチの所に戻っていくようなら、無理にお声がけしませんし、『どうぞ』という感じですね」
橋の真ん中あたりが縄張りの分かれ目
「髭ハンサム君」も「チャンスをください!君」みたいにアルバイトなのだろうか。
「アルバイトではなく業務委託ですね。おおもとの会社があって、その系列の店からいくつかのお店を担当させてもらってます。今は僕ともう1人、2名体制でやっていますね」
そうすると歩合とかではなく?
「業務委託で売り上げを任せてもらってるので、店の売り上げ次第っていう感じです」
様々なお店の情報をお持ちのようだけど、業務委託ではない店に送客することもあるのだろうか?
「今自分の担当の店は、居酒屋2軒と、他の系列の居酒屋2軒と、肉バル系2軒。ビブレの方でも肉バルと、小料理屋に案内できますね。業務委託している会社以外の店にお客さんをご案内する時は歩合だけです」
彼も業務委託を結んでいるとはいえ、自由に動けるようだ。
疑いまくって恥ずかしくなってきた、はまれぽ編集部
「歩合だけのお店にお客さんを連れて行くとしても、自分の常連さんを付けないといけないと思っているんで、しっかりやりたいですよね」
「髭ハンサム君」には常連さんが付いているのか!?
「はい、いますよ。自分の常連になってほしいから、お声がけしたお客さんには、安心して飲めるお店を紹介してます。だからお客さんが離れるような変な店には案内したくないですね(笑)。お店の人も僕がお客さんを連れて行って、新しい常連さんになると喜んでくれますからね。送客しているお店の人とも関係は良いので、飲み放題は強要しませんし、お通しカットや割引も積極的にお願いしていますよ」
じーん・・・素晴らしい・・・って感動している場合ではない。疑わなければ!
本当に?「げえ!汚い!」っていう店に連れて行く事はないの?ぼったくるような店には連れて行かないのぉ?
ちょっと「髭ハンサム君」!優等生すぎない?
誰も彼も疑う底意地の悪いはまれぽ編集部に対し「髭ハンサム君」は誠実である
「もちろん、全てがピカピカのおしゃれな店って訳にはいかないですよ(笑)。お客さんの好みによりますね。待つのが嫌だからすぐ入れるなら狭いところでイイよ、と言われれば、そういう店に電話してお連れしますし、大衆的な店がイイ、と言われれば、チェーンで例えると〇〇水産みたいな簡素な店で、でもツマミは美味しい店に連れて行きますし。
自分の担当の店はキャッチは使ってくれるけど、いい食材使ってるし頑張っているお店ばかりだと思うんですけど」
週末や、急に飲みに行くことになった時、電話しても満席という事は多い。
「そうだ!この前良い店に連れて行ってくれたキャッチさんに聞いてみよう」なんて事も少なくはないだろう。良い店に連れて行くことで、客との絆もでき、必然的に自分の顧客ができるという訳か・・・。
強引な客引きは違法だが(とはいえ居酒屋の場合、あまり強引な人はいないような・・・)「美味しい店知らない?」とお客が頼ってくる場合、町のグルメガイド的存在にもなれるのではないだろうか。
逆に変な店に連れて行ったら二度と頼ってもらえないだろう。
仕事後、ごみ拾いまでして帰る鶴屋橋上のキャッチたち
「この前ご案内したお店も、本当にいい食材を使っているお店なので決して安くはないんですよ。でも僕の常連さんで、お肉食べたいっていう人をご案内しても、ほとんどクレームはないですね」
第2弾で大変美味だった熟成肉の店の方と。お店との関係の良さがうかがえる
あまりにも「髭ハンサム君」がしっかりしていて、なんだか自分の人生が恥ずかしくなってきた。アナタ様はおいくつなの?
「自分26です。19歳からやっています」
7年と言えばもうすっかりこのあたりの「カオ」では?
「いやー、もうぜんぜん(笑)。いまだバカにされていますよ(笑)」
ご謙遜! 素敵な人だぁ・・・
最後に彼は
「僕たちは仕事が終わったら、このあたりのごみ拾いをして帰ってるんですよ。仕事させてもらっているわけですからね。そりゃあ怪しがる人もいると思いますけどね。もし良かったら他のこの周辺のキャッチに取材してあげてくださいね」
と言い残し、爽やかに仕事に戻っていった。
いやーん、恋しちゃうかと思った!
取材を終えて
仲間内で急に盛り上がり「飲みに行くかぁ」となった時、大人数で居酒屋を探しても、なかなか空席がないという時、「あいているお店ありますよ」と声をかけられたら、頼りたくなるのは普通の心理。今回の取材を通して感じたポイントは
◆「どこでも良いので安い店」という何もない状態が、一番外れクジを引く可能性が多い
◆強制飲み放題・一人何品以上強制という店は断ろう。ただし自分が「今日は飲み放題が良い」という場合は一概には言えない。
◆「こんなものを食べたい」という確固たる意志があれば、ある程度リクエストに応えてくれる
◆この店のオーナーだ、というトークは話半分に聞き流そう。そうではない人が多そうだ
◆中には本当にびっくりするくらいまじめなキャッチもいる
引っかかるなら自己責任で・・・ということにはなるが上記の点を注意していただきたい。
ー終わりー
ベルデさん
2019年04月16日 23時12分
髭ハンサム君に、不動産屋の営業に通ずるものを感じた。
Kitkatさん
2018年11月07日 12時27分
世の中には本当にいろんな仕事があるんですねー。これで食べていけるだけ稼げるんだ、ある意味でいい時代だなと思います。
たかたかたかださん
2018年11月03日 11時43分
ただキャッチについて行くだけでなく、その後キャッチにインタビューするっていうところがはまれぽらしくて大好きです。