横浜市林市長が「カジノを含むIR誘致」を表明! その会見の様子は?
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結局、カジノ構想ってどうなったの?(だいこさんのキニナル)
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横浜市の林文子市長は8月22日の定例会見で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を正式に表明した。この日、林市長との面会を求めIR誘致反対派の市民が市役所に集まったが、市長は現れなかった。
ライター:池田 恵美子
市役所で林市長との面会を求めた反対派市民
林市長の定例会見は、通常の1時間を超え1時間半後に終わった。
会見室を出ると、カジノ反対を叫ぶ市民が秘書課(市長室)前に集まっていた。その数は段々増えていき、80人近くになっただろうか。参加者は、個人から市民団体のメンバーら様々だ。
IR誘致反対派市民に対応する政策局職員
林市長に面会を求め市長室(秘書課)に入ろうとする反対派市民
こんなポスターを掲げる市民の姿もあった
先頭に立ち、IRを担当する政策局職員に、丁寧な口調で「集まった5890人の署名を林市長に手渡したい」と訴えていた男性がいた。彼は、ギャンブル依存症患者の支援にあたっている「ことぶき共同診療所」の医師、越智祥太(おち・さちひろ)さんだという。
「林市長に数分でいいから会いたい」という市民の声に対し、政策局の職員は、林市長が中にいることは認めたが、「こちらが署名簿などを預かり市長に渡すことになっています」を、繰り返すばかりだった。
反対派市民と政策局局長を初めとする職員との押し問答は1時間以上続き、集団で市長室に突入しようとする行動にまでエスカレートしていった。
政策局の職員に要望書と署名簿を手渡す反対派市民もいた
反対派の人並に、少年を連れて林市長に署名を渡そうとしていた母親の姿があった。突入の最中、「怪我をしてないだろうか」と心配になり見渡すと、集団から少し離れたところで、「私は普通の一般市民です」と言って、IR誘致方針の撤回を求めた意見書と署名簿を職員に渡して帰って行った。子どもの姿はなく、先に帰ったようで安心した。
「市長は『白紙』と言ったのに市民を騙したのか」「市長出てこい」などの怒号が飛び交う中、この母親のように怒鳴ることなくカジノ反対の意思表示をしていた人達も少なくなかった。
結局、2時間後の17時半、副市長2人が代理で抗議文を受け取り、市長が後日、回答することでようやく解散した。反対署名はいったん持ち帰り、市長に手渡す方法をあらためて協議することになったそうだ。
街の人たちはどう思ってる?
ここで、横浜市民を含む街の人達はカジノについてどう思っているのだろうか、街頭でインタビューを行うことにした。
横浜市役所前にいた60代女性は、「カジノができると治安が悪くなりますよね、それが一番心配。私は、反対です。いまの静かな横浜で安心して暮らしていきたいです」と治安悪化により環境が変わってしまうことを懸念している様子。
近くで買い物をした帰りという女性
関内駅前でお話を伺った横浜市在住の50代の女性は、「私には、高校生の息子と中学生の娘がいます。子育てしながら働き続けてきました。カジノができたら治安が悪くなるし、子ども達に悪影響を及ぼすことになりませんか。私は反対です。林市長は、本当に子ども達のためを思っているのでしょうか」と、子ども世代の将来を案じてIR誘致を決定した市長に疑問を呈しているようだ。
息子さんと娘さんと待ち合わせていた母親
続いて、横浜公園でビールを飲んでいた、横浜市在住の40代女性は、「私は医療関係の仕事をしているけど、カジノができたら、ギャンブル依存症の人は増えるでしょうね。パチンコ依存症の人をみていると、依存症を治すのはなかなか難しいです。詳しくは知らないんだけど、『白紙』と言ってた林市長を応援した人達には、裏切られたという気持ちがあるんじゃないでしょうか。どちらかというと、私は反対ですね」と、医療関係の仕事に携わっているからこそ、依存症患者が増えることに懸念をいただいているようだ。
ベイスターズビールが好きで、今日は横浜公園に来たんだそう
ベイスターズファンという横浜在住の男性2人組に話をかけた。50代男性(下写真右)は、「カジノは賭博場ですよね、そういう娯楽施設を造ったら、港町・横浜の価値が下がるんじゃないか。税収を増やすためにカジノを造るんだったら、企業誘致などほかにやりようがあるでしょ。横浜市の新庁舎もできるんだよね、大反対だな」と、税収を増やす目的なら違う方法で行うべきだと話した。
大画面でベイスターズの試合を見るために横浜公園に寄ったという2人組
一方、横浜市民でない方は、どのように思うのだろう。東京都在住の40代のご夫婦は、「カジノを含む娯楽施設の誘致には賛成です。都民だけど、カジノができたら横浜に遊びに来たいです。もちろん、東京にカジノができるのは賛成。カジノができると治安が悪くなると言われてますけど、カジノができなくたって、治安の悪いところは悪いんじゃないのかな。反対理由がよくわからない」と、住んでいる東京でもカジノができることには賛成と話す。
好きなアーティストのコンサートがある横浜に、下見がてら遊びに来たというご夫婦
インタビューさせていただいた4人の横浜市民の皆さんは、口を揃えてカジノ誘致に反対だった。会話しながら感じたのは、林市長の感覚が市民感情と乖離していることだった。
今回の会見で林市長は、全18区で市民に直接説明する説明会を開くことを何度も強調していた。ぜひ実現させて、市民の声と真摯に向き合ってほしい。
取材を終えて
林市長がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致を表明した8月22日の定例会見と市民の動きをリポートした。日本で初めて公認の民間の賭博場ができることになる。それを横浜市に造っていいのかどうか、これからも行政の動きと市民の声を伝えていきたい。
-終わり-
Nicksさん
2019年12月11日 00時49分
横浜の企業と海外企業が協議して制度を決めIRを共同運営する仕組み作りもいいと思う。シンガポールのIRがホテル、コンベンション、ショッピングモール、ユニバーサルスタジオ、水族館、アミューズメント等とカジノを旨く組み込んで観光客が倍増し地域経済に高い受注効果や雇用効果を生み出した事を考慮していいと思う。いっぽうMM21、横浜駅周辺、関内、新横浜、港北NTへの企業誘致を強化し、関内関外の既存オフィスビルが国の特区指定で建て替えが進むようにして企業に魅力ある横浜都心にすることも大事だと思う。国の地方拠点強化税制が横浜進出にも十分適用できるような要望をする事もいいと思う。横浜発着クルーズ誘致でクルーズ拠点性を強化することも大事だと思う。市内就業人口を如何に増やすかを目的に施策してほしい。郊外区は都市計画道路の遅れが目立ち渋滞やアクセス難への改善要望が多いと思うので重点的に開通を目指してほしいと思う。
INUさん
2019年10月15日 23時03分
反対する人に聞きたいが、今後人口が減って少子高齢化していく中で、横浜の財政は右肩下がりなのに、カジノの誘致をせずに5年後、10年後、数十年後の横浜はどうやって発展してけばいいのか教えてください。住民税が上がっても文句言うんでしょ?カジノの誘致をしても文句を言う。法人税を上げますか?気持ち的な反対ではなく、自分の子供やその先を見据えて判断してください。あなたのことなんかどうでもいいので、あなたの10年下の世代がどうしたら幸せに暮らせるのか、教えてください。
North windさん
2019年09月13日 11時43分
計画だけを見て軽く考えると再開発のようで良いと映るかもしれない。しかし、IRはカジノ抜きでは決して行われない計画だと言うことを知って欲しい。外資のカジノ業者が莫大な資金を投入して行うのですから、それを回収し利益を上げる為にする事です。日本人にはカジノ利用に制限があるようでも利益が上がらなければ変更もされてしまいます。カジノはギャンブルです。海外でカジノが失敗した例を良く見てください。国も神奈川県も横浜市ももうカジノありきで市民の声を無視して進めています。親子連れやお年寄りがのんびりすごせる山下公園やホテルニューグランド辺りを守って欲しいです。新しいものばかりがいい事ではないです。