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前横浜市長 中田宏さんを徹底解剖!

ココがキニナル!

『政治家の殺し方』で話題の前横浜市長の中田宏さんってどんな人?

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ライター:吉澤 由美子

横浜市長としての実績

公共工事の談合を根絶、60近くあった市職員の手当を4つにまで減らし、職員数を20%も削減して、横浜市の財政を建て直した中田前市長。

横浜市長として誇れる実績っていうのをあげるとしたら?

今までは作ったものは作りっぱなし。メンテナンスだけでどんどん横浜市の財政が蝕まれていた。そこで、作ったものを税金を使わずどう維持管理するかということに取り組みました。
たとえば、横浜国際総合競技場のネーミングライツ(命名権)を売り出して、日産スタジアムと名前を変えて市民の税金を一切必要としない公共施設にしました。

同時に公務員の手当の見直しです。最初は5年かかるって言われましたが2年でやりました。そして、待遇見直しですね。
例を出すと、退職する日の給与額を基に退職金を計算するため、退職する最後の1日だけ昇給する仕組みで退職金を膨らますという信じられない慣行があったのですが、これも廃絶しました。
 

 
結果として、市民一人当たりの職員の数は、全国の政令指定都市の中で横浜市が最も少なくなりました。その他、いろいろやりましたが、債務残高は1兆円の純減となり、横浜市の財政を健全化することができました。

やっぱり財政を立て直すという約束をしたことをやったということですね。そのほとんどは嫌われることですね(笑)


手当の廃絶で、市職員からも猛反発を受けられた

差出人の名前や部署名が入った「死ね」と書いてあるメールもありました。市長を脅迫して逮捕された職員もいました。ただ、本当に真面目にやってくれた職員がいっぱいたからこそ、改革を行えたわけです。
一方で、他の民間組織に比べて、公務員は社会常識にちょっと反する人たちがいる割合は多いのかもしれません。これも本の中で書きましたが長年の構造が生んだものと言えます。


Y150について、ご自分では成功・失敗、どちらだと思っていますか?

歴史を振り返れば、開港50周年の時には開港記念会館を建設し、開港100周年の時にはマリンタワーを建設しています。だけど、箱物を作るっていうことに僕は今でも疑問をもっている。一度作れば維持管理費が永遠に発生することになるからです。そこで150周年は横浜の歴史を知る機会にしよう、っていうのがY150というイベントをすることになったそもそもの話です。黒字になった財政で毎年貯金をして催したのですが、成功か失敗かは市民のみなさんが決めること。成功事例も失敗事例も、それで市長がいろいろ言われるのは当然の事だと思います。


市長職の忙しさはどんな感じでしたか

今だから言いますが、市長在任中、僕はどの職員よりも働きました。職員と一緒の時間に出勤して、市長公舎に帰り着くのは11時前後。家に帰ってからも資料と格闘する毎日でしたから。
 

 
 
 
任期を残して突然の辞任

任期途中で突然の辞任について教えて下さい

市民にとってなにがプラスか考える。これが最初から最後まで僕の行動原理。それにつきるわけです。

横浜市の財政がなぜこれほど蝕まれたのか。オール与党の要求型議会、というのが最大の問題なわけです。僕があと半年やって任期満了でいけば、各党相乗りの市長選挙になり、またオール与党の議会が復活することが目に見えている。
 


鶴見川沿いを歩く中田さん。もちろん、現在も横浜在住

 
―国政では対立しているように見える各政党が、市政では互いの予算要望を通すために連立して、その傀儡にふさわしい人を相乗り候補とする可能性が高くなるということですね

だから、衆議院議員選挙に市長選挙の日程を合わせることで、相乗り選挙はできなくなるわけです。同日選ならば、自民と民主が手を組むことはあり得ないから。半年後に市長選を単独でやることを考えれば、選挙経費の削減にもなりますし、ここだと決断しました。

もちろん、目標にしていた2010年までに財政を健全化するということについて、めどが完全についていたからできたことです。


リーダーシップというのは、決断ができて、さらにその責任をとることが大事なんだとよくおっしゃっていますね

そうです。最終的に批判されるのも、自分が全部、受けるしかない。自分にとってのプラスを考えるなら、任期満了まで平和にやっていたほうがいい。自分にはその方がいいけど、社会のためにはならない。任期満了まで1年を切っている中で、既に各党相乗りで市長をつくる動きが始まっていたわけですから。当時の新聞に載っていますよ。それは財政を蝕む諸悪の根源。財政を建て直しても、また使い果たす市長にしてはダメだということです。
 

 

市長の待遇、給与や退職金について教えてください

たまたま昨日、話のネタに持って行ったものですが、どこだったかな…。
(バッグの中を探す)
あった。これ横浜市長時代の僕の給与明細のコピー。この時は、給与カット
が重なって月給は、差し引き支給額45万2149円です。だれも横浜市長が45万円の給料でやっているなんて知らないと思います。
 


横浜市長時代の給与明細書コピー

 
本来なら支給額はもっと多いですよね?当時は満額なら110万円くらいでしょうか?

そうそう、カットにカットを重ねているっていう。

それなのに、職員の定期代の支給を1ヶ月から半年一括に変更したことでその差額を返却するよう求める裁判を市職員に起こされ、そして捏造記事の名誉棄損。こういった裁判にかかる費用は自費ですよね

そうです。そうした嫌がらせ裁判を起こされても、嘘捏造を書かれたことに対して私が訴えた裁判も全て自費です。因みに、週刊誌を訴えた裁判だけで自腹で700万円の弁護士費用を払っています。

それはかなりキツいですね。退職金を含めてもトータルで考えると政治家の報酬としてはかなり低いと思います

「政治家の殺し方」の中で説明したから、退職金にからめて短い行数の中で言いたくないけれども、退職金は給料などとトータルで考える必要があります。そして、ありがたく感謝しながら使わせていただくっていうことにつきますね。

市長を辞めるとわかった時のご家族の反応はいかがでしたか

正式に発表する1週間前くらいに、女房に言いました。女房も最初はポカーンとしていました。市長公舎に入っていたから引越しもしなければならないわけですし。でも、ある意味どこかでホッとした、とは思いますよ。