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横浜市が提案する特別自治市とは?

ココがキニナル!

横浜市が神奈川県との二重行政を解消するため、特別自治市制度の導入を掲げていますが、具体的にはどういうものなのでしょうか?(フミさん、ryoryoさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜市が提案している「特別自治市」は、県の持つ権限や事務などを市に移譲し、市が県から独立して、より効率のよい市政運営を行おうとする案です。

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ライター:吉田 忍

どのような効果が期待できるのか?



横浜市大都市自治研究会の第1次提言では、横浜市が特別自治市になると、およそ5兆円の経済効果が期待され、1200人の一般行政職員が削減できると試算。

また、市域内における県議会機能の停止と同時に、区選出の市会議員による区議会の設置や区長公選などにより、より住民自治の制度的強化が期待できると提言している。

積極的な政策展開が可能となるのは、企業誘致政策、就業支援・雇用対策、義務教育、子育て支援など。

身近なところでは、県と市の窓口がひとつになることによって、いろいろな手続き時の手間や書類が減り、また、災害時の自衛隊出動要請などが迅速に行われれば、より安心して暮らせる街になるとされている。
 


http://www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/daitoshi/bunken/leaflet/leaflet-tokubetsu.pdf
新しい大都市の姿をわかりやすく説明※画像提供:横浜市政策局




特別自治市の問題点



一般的に最も懸念されるのは、大都市が府県から独立した場合の残存地域における利益が損なわれる可能性。つまり、税収の多い大都市が独立した場合、同一府県内にあってそれまで不足する財源を大都市の税収によって賄っていた他の市町村は以後の財源が確保できなくなる。さらに、それによって大都市への人口集中がいっそう増し、大都市部の土地価格高騰や地方の過疎化につながるのではないかということ。

この点について、横浜市大都市自治研究会の提言では、神奈川県の市町村財政力指数は下記表の通りとなっており、横浜市に税収が集中していないと検証している。

市町村財政力指数とは、地方公共団体が標準的な行政を行う場合に必要な一般財源額のうち、どの程度を地方税等の収入でまかなえるかを示したもので、「1」が神奈川県の平均。数字が大きいほど財政力があると言える。
 


http://www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/daitoshi/bunken/jitiken/teigen-honbun.pdf
これによると、川崎市が特別自治市になった方が税収面では有利になる※表提供:横浜市政策局


財政状況は上記の通りであるとしても、黒岩知事の発言のように、神奈川県や県内他市町村の反発が予想される。

黒岩知事はその後、林市長と同席した場所では、「いろいろお騒がせしているが、私と市長の間は一枚岩だ」と述べている一方、「いろんな地方制度の枠組みはあると思うが、一番大事なことは県民にとって、どういう姿が一番いいかだ」と県民主体を強調する発言をしている。



まとめ



特別自治市への移行は、国の法改正が必要だが、実際に法改正が行われるかどうかは不明。また、今回紹介したのは、あくまでも横浜市の提言で、その全てが法律に定められるとも限らない。

二重行政解消や、それにともなう職員数の削減は行われるべきだが、その答えは特別自治市の創設だけではないという意見もある。

特別自治市については、川崎市でも検討が行われている。
はまれぽは、この問題について、横浜市・川崎市・神奈川県など、様々な立場の意見や動き、特別自治市のメリットとデメリットなどを今後も紹介していく予定。


― 終わり―


横浜市政策局 大都市制度推進室 大都市制度推進課ページ
http://www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/daitoshi/bunken/


リーフレット『横浜市が提案する「特別自治市」ってなあに?』
http://www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/daitoshi/bunken/leaflet/leaflet-tokubetsu.pdf


「横浜市大都市自治研究会 第1次提言」
http://www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/daitoshi/bunken/jitiken/teigen-honbun.pdf
 

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  • 許せません!こんなものはストライキしてでも絶対に止めないといけません。厄介なのが、大阪都構想の逆で、県と国の権限を横浜市に全て委譲というもの。大阪都構想の場合は大阪市民が結局不利益被るということで否決になりましたが、今回は横浜市民「だけ」が得をすると言う話なので、ムダに選民思想とプライドが高い横浜市民の絶大な支持を得やすいという点です。どちらも日本と地方共同体を破壊する構想に間違いないのですが。横浜市を出て、横須賀市や大和市に行くと、急に停電が散見され、個人商店はすべて潰れている、駅から離れると完全民営化されたゴミ収集事業者は利益にならないとサービスを打ち切っているので悪臭がする、水道は消毒されていないため皆ミネラルウォーターを買い横浜市の周辺に水泥棒が頻発、多くの移民スラムがありそこは日本ではない、と言ったディストピアを同じ神奈川に作りたいのですか?と言う話です。

  • 重要な問題であり、また、道州制の問題もあり、日本全土として、最適化を考えてほしい。個人の生活の維持確保、地域性の確保、地域としての発展、国としての無駄の排除、といった相反しがちなこととをうまく聴視する案にみんなで取り組んでほしい。そのために市や県のメンツにはこだわらないということも大事だ。

  • とても気になる内容です。ぜひもっと調べてもらいたいです。なぜ黒岩知事は反対しているのか。また、二重行政による損失はどのくらいなのか。大阪都構想などもあり、今とてもホットな話題だと思います。引き続きの調査をお願いします!!

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