泉に和泉にいずみにいづみ、町の歴史を屋号が物語る、はま旅Vol.90「いずみ中央編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第90回は、泉区和泉町にある「いずみ中央駅」。さまざまに異なる各屋号には、町の長い歴史とそれぞれの想いが込められていた。
ライター:河野 哲弥
ほかにもあった、意外な「泉」?
さて、はまれぽステッカーが貼ってあるのを見かけ、偶然立ち寄ったのが、「フランス菓子 ラ フォンティーヌ」というお店。以前、バレンタインの企画でお世話になったお店だ。代表取締役の佐伯パティシエによれば、店名のフォンティーヌとは、フランス語で「泉」という意味なのだそうだ。
泉表記の一例だった「ラ フォンティーヌ」外観
それぞれに違うサンタ帽がお似合いの、石井さん(左)、石島さん
同店ではこの時期、テレビ番組で優勝を勝ち取った看板商品「絹れあちーず」の、クリスマスバージョンを販売している。
この時期限定「シルキークリスマス(400円)」
これらの名前は、もともと長後街道が絹製品を運ぶ「シルクロード」と呼ばれていたことにちなみ、滑らかな口溶けをイメージしたのが、その由来とのこと。
また、いずみ中央駅に隣接した建物には、こんな名前の施設が。
通称「テアトルフォンテ」、正式名称は「横浜市泉区民文化センター」
ちょうど、クリスマスコンサートを開催していた
こちらも、「泉」のフランス語にちなむもの。
それにしても、近隣の皆さんは、この状況を不便に感じていないのだろうか。
早速、駅前でヒアリングをしてみたところ、高年層(手書き世代)は、「もう慣れちゃったから、これが当たり前だと思っている」とのこと。一方若年層(メール世代)は、「携帯の変換がメンドクサイ」と話す。
「メールがやりづらい」と話す、和泉町に住むKさん
どうやら、手書きか入力かという年代差が、不便を感じるかどうかの境目になっているようだ。そんな中、町の資料などを補完しようと区役所に向かうと、思わぬ事態に遭遇した。
新町境・新町名案に向けた動き
泉区役所の市民局窓口サービス課によれば、和泉町では現在、2012年から2015年にかけた4段階の町名変更手続きを、進めているそうだ。
地元説明会などの資料、一例
そして、既に2012年の10月、和泉町の最南端の一部を「下和泉」という町名に変更しているとのこと。今後は、順次地元の意見を聞きながら、他の地域についても進めていくそうだ。
もしかしたら、不便に思っている地元の声が反映されて町名が変更され、「和泉」「泉」問題に終止符の打たれる地域が、今後出てくるかもしれない。
ほかにも、数え切れないほどのバリエーションがある
今回ご紹介したのは、ほんのわずかな一例で、取材許可を得られた方々のご意見に限られる。必ずしも、全てのケースに当てはまる訳ではないことを、お断りしておく。
しかし、このように表情豊かな町は、全国でも珍しいのではないだろうか。「酒湧池」から「テアトルフォンテ」まで、長い歴史とさまざまな想いが感じられた、今回の「はま旅」だった。
■今回のはま旅「いずみ中央駅」周辺
(Googleマップより)
・「泉中央テニスガーデン」横浜市泉区和泉4715
・「泉風月」横浜市泉区和泉3851
・「和泉テニスクラブ・スクール」横浜市泉区和泉4420
・「横浜市立和泉小学校」横浜市泉区和泉4320
・「いづみ幼稚園」横浜市泉区和泉3675
・「ラ フォンティーヌ」横浜市泉区和泉3701
・「テアトルフォンテ(横浜市泉区民文化センター)」横浜市泉区和泉3511-9
―終わり―
ushinさん
2012年12月21日 20時26分
「親孝行の息子が、病気がちで酒好きな父親にこの池の水をくんでいったところ、お酒になったという伝説が」で、アレだろ?その池から流れだした川の下流は滝となっており、孝行息子が(中略)養老の滝という・・・って、それ岐阜だから。民話によくある話だが、泉区の伝説は知らなかった。相鉄いずみ野線は計画段階では「相鉄新線」、いずみ野駅は仮称「和泉町」だったかな。確かに平仮名駅名はやわらかい感じを与える。ただ「ゆめ」だとか、地元の由来に基づかない抽象的なものを採用し始めるとなんだかわからなくなるので慎重さが必要だな。
shi-taさん
2012年12月21日 14時10分
エリア外?!とのことでしたが、ぜひ第六天神社の記事も(笑)。和泉町のあたり、最近にぎやかになってきたし、田園は残っているし、いいところですよね。和泉小の近くの畑では、10年ほど前まで春になるとヒバリが飛んでいました。今はさすがにいなくなってしまったでしょうか。
mirrorさん
2012年12月21日 12時28分
いずみ町と言えば神奈川区、反町駅近く。国道1号線(バイパス)から横浜駅西口に向かう道路が分岐する辺りにも「泉町」が有ります。こちらも昔からある町名。「泉区」にあるのが「和泉町」で「泉町」は「神奈川区」に。この情況が、横浜市内を走り回るタクシーのトラブルの元になったりします。泉町なら、横浜駅西口からは目と鼻の先。和泉町なら、横浜新道か保土ヶ谷バイパスを利用してのタクシーとしては長距離の部類。横浜駅西口からなら、泉町へのお客様が圧倒的に多いのですが、和泉町へのお客様もそれなりにいらっしゃるのですよね。タクシー利用に慣れていらっしゃるお客様なら、和泉町は「泉区の和泉町」と言って下さるのですが、神奈川区泉町の存在を知らない方もいらっしゃいますからね。横浜市内に泉町と和泉町が存在する理由とかも調べて欲しいですね。