鶴見川に遅咲きの桜「センダイヤ」を植える「仙台屋」とは?
ココがキニナル!
鶴見川沿いに仙台屋という桜を植えている団体がいるようですが、仙台屋がどんな桜なのか、またどんな団体なのか気になるので取材してください(にゃんさん)
はまれぽ調査結果!
丈夫な山桜、「センダイヤ」を植樹しているのは「鶴見川沿いに桜を咲かせたい」という、夢を叶えたシニアたちのボランティア団体だった
ライター:山口 愛愛
遅咲きの桜は大きな夢を咲かせていた(つづき)
「お疲れ様でした!」と声を掛け、さっそく渡邉さんにお話を伺うことに。
―「桜を愛する会」はどのような経緯で活動をすることになったのですか?
「設立したのは2002(平成14)年。青葉区に住む、発起人の石原会長が “鶴見川の土手が殺風景だから花でも咲かせたい”と話したことからはじまりました。最初は3、4人で夢を語っていたのを具体化していき、賛同してくれる有志を募り、今では会員が108名になりました」
―何もない土手に桜並木を作るなんて、簡単な話ではないですよね? どんなことから始めたのですか?
「まず川沿いの土手が国の土地だったので占有許可を得ることが大変でした。占有許可が下りたのは、最初の話が出てから3年経った2005(平成17)年です。
鶴見川周辺には、魚や植物などの環境を守る団体があり、当初は、植樹作業が環境を壊すのでは? という意見もあったので、18団体に説明をし、納得していただいて、やっと活動を始めることができました。
植樹する木も丈夫で寿命が長い『センダイヤ』を選び、青葉区が手配して、2005(平成17)年に初めて15本を植えることができたのです。この頃の会員はまだ20名ほどでした
実際に植えようとして土手を掘ったら、下が硬いがれきまじりの土砂で、つるはしなどを使って土を掘り返さなければいけなかったので、重労働だったのも大変でした」
当初はここまでセンダイヤが立派に育つか不安だったそう・・・
―最初に植えられたことだけでも、嬉しかったでしょうね?
「はい。2006(平成18)年12月には2回目の植樹を行い、川間橋から新川間橋の間に新たに25本を植えました。以降、2010(平成22)年に新川間橋から谷本橋に42本など、徐々に植樹し、今では宮前橋から谷本橋までの2kmの間に107本の桜が並んでいます」
素敵なTシャツには「絆」の文字
モデルさんも素敵です!
―あの・・・この桜を植樹する資金はどのようにまかなっているのでしょうか?
「ほぼ会員の年会費です。年会費が1人2000円で、その中でやり繰りしています。
あと、青葉区の区民祭などのイベントに参加し、焼きそばの屋台で販売した売り上げなどを資金にしています。資金集めも協力して楽しみながらやっていますよ。副会長の飯島さんは、焼きそばを焼く名人なんです (笑)」
お祭りや、親睦行事のバーベキュー大会でも大活躍の飯島さん
―会員の方はどんな方がいらっしゃいますか?
「年会費2000円という決まりだけで、あとは年齢制限もないので、下は30代から最年長は93才です! 定年退職してこの活動に参加した人が多いですね。
中には市会議員などもいますが、活動中はみんな友達みたいなものですから、政治の話とか難しい話もあまりしませんね(笑)
大手の会社役員だった人や大学教授、医師など、社会経験や人脈が豊富な人が多く、知恵を出し合っているので、少ない資金でもうまく活動できていると思います」
―活動の中で、やりがいを感じることや嬉しいことは、どんなことですか?
「鶴見川沿いを散歩しますが、日々、桜の成長が嬉しいですね。
さくらの保護や普及活動に対して、日本さくらの会から“さくら功労賞”をいただいたり、活動日記を公表している“あおばみん”で努力賞をいただいたり、少しは社会のお役に立てているかなと・・・。区民の方や家族に喜んでもらえるのが嬉しいですよ」
2010(平成22)年には「さくら功労賞」の表彰も受けた
それでは、会員の声も聞いてみよう。
「鶴見川沿いを散歩していて、『桜を愛する会』の看板を見つけ、ぜひ一緒に活動したいと思って、すぐに電話をかけました。7人いる孫が大きくなったときに、おじいちゃん達が桜並木を作ったんだよ! と誇りにできるといいですね」(澁井さん)
「まだ桜は小さいですが、しっかり育てて大きくなって、花見シーズンに人が集まるような山桜の名所にしたいですね。この活動がずっと続いて、孫の代くらいで立派な桜並木になっていれば嬉しいです」(飯島さん)
丁寧に対応してくださった(左から)澁井さん、飯島さん、渡邉さん
なるほど。お話を聞いて、この会はビジネスや何かの宣伝活動に結びつけて活動している点はまったくなく、みなさんが純粋に地元の鶴見川で一花咲かせたいという思いで活動し、心から楽しんでいることが伝わってきた。
最後に、渡邉さんからもひと言をいただく。
「桜の成長は感慨深いものです。もっと会員が増えて、跡継ぎができ、先の世代まで桜も、この活動も続いてほしいです。
年齢制限はありませんから、桜の会ホームページに連絡先もあるので、気軽に参加してください!お待ちしています」
笑顔から充実感が伝わってくる、桜を愛する会のメンバー
取材を終えて
「鶴見川に桜を咲かせたい」という思いが、国まで届き、人の心を動かし、ここまでの桜並木につながった。粋なシニアたちのプロジェクトXはまだまだ続くだろう。取材中のいくつもの明るい笑顔に元気をもらった。来年の春は谷本橋付近でお花見をしようと決めた。
―終わり―
桜を愛する会
電話/045-971-0246
担当/事務局長・豊田
http://aoba-portal.net/group/sakura/
にゃんさん
2013年06月21日 13時58分
取材ありがとうございました。
雲葉 @since1992さん
2013年06月19日 11時09分
「桜を愛する会」サイトもあるようです。 http://aoba-portal.net/group/sakura/index.html 単なる丸投げではなく、こういう投稿がもっとあればと思います。興味深い記事でした。