横浜に協会本部があるスポーツチャンバラってどんなスポーツ?
ココがキニナル!
横浜にスポーツチャンバラ協会の本部があります。一体スポーツチャンバラってどんなスポーツなんでしょうか?(ハムハムさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
1歳から90歳まで、全世界で競技人口37万人・42ヶ国に支部を持つ大きな組織だった! かなり疲れるが、ストレス発散にはもってこいのスポーツだった!
ライター:井上 こん
「大人クラス、どうしますか?」「ぜぇぜぇ・・・お願いします!」
大人クラスは“型”から始まる。
剣を振り下ろし、滑らかに後ずさる・・・そしてまた剣を振るう。流れるような型に魅了される。試合では、身をひるがえし目にも止まらぬ速さで相手のスキを狙う、そんな敏捷(びんしょう)な競技だが、それも基本姿勢を集約したこの型ができてこそなのだ。
「ザッ!」圧巻の所作
試合では迫力のジャンピングも!
東京大学・早稲田大学などの学生や社会人を中心とするこのクラスでは、序盤は男女に別れて対戦し、終盤に男女混合の合戦にて腕を磨く。
まずは男対男、女対女で対戦。毎回ワクワクする
合戦。「はじめ!」・・・3秒後、瞬殺される。それでも楽しい!
クラス終了後も残って対戦する生徒さんたち
スポーツとしてはかなりハードなものだった。そのため、両クラス合わせ3時間、裸足で駆け回ったため、気付くと足の裏がべろっと剥がれていた。高校3年生の美紀(みのり)さん(写真下)やそのほかの生徒さんに聞くと、皆さん初めのころは経験したそう。野球少年の手のマメが潰れるのと同じ。これはスポチャン初心者の登竜門なのだ。
スポチャン歴5年の美紀さんはなんとはまれぽ読者!
野村さん、今野さんご指導ありがとうございました!
「スポーツはストレス発散できるものであるべき」
続いて、中区長者町にある国際スポーツチャンバラ協会へ行き、スポチャン創始者である田邊哲人会長にお話を伺う。
幼少期のあだ名が「ガン」(由来は頑徹)というほどガキ大将だったという田邊氏。1942(昭和17)年にパラオで生まれ、2歳で帰国し由比で育ったという。男4人兄弟であったこともあり、派手な兄弟喧嘩で転げ回ったり、山で柿を採ったりと活発な毎日を過ごしたそう。
高校から剣道道場に入門し剣道や居合道を習得したが、精神論有りきで鍛錬を強いられる日々に疑問を感じていたという。このころから「スポーツは娯楽性があり、楽しくあるべき」という思いを抱くようになる。
スポチャン創始者である田邊会長
その後、兄の経営する警備会社で護身術の講師となるが、いわば紋切り型の術を教える現状に見切りを付け、1971(昭和46)年スポーツと護身術を融合させた“スポーツチャンバラ”を提唱し、1973(昭和48)年に協会を発足させる。「神奈川で育ったし、今も横浜に警備会社を持ってるからね。だから協会もここからスタートさせたんだよ」と会長。
現在では、ロシア・フランスをはじめ、なんとラトビアやシンガポールと世界42ヶ国に支部があり、日本・海外含め約37万人がスポチャンを楽しんでいる。年齢制限は全くないため、先述の野村五月さんのように、最年少では1歳のよちよち歩きの子も小さな剣で遊んでいるそうだ。また、最高齢を伺うと90歳の方がいらっしゃるという!
取材を終えて
護身術のプロがスポーツによる精神充実を目的に生んだスポーツチャンバラ。
2012年、日本体育協会に加盟を果たし活動領域が拡大している。協会発足から40年ほどだが、“公益社団法人”であることは有効で、この先学校教育に取り入れられることも、オリンピック種目になることも、決して希望的ではなく現実的な展望として広がっている。
「子どもの遊びでも、女性の護身でも、純粋に競技でも、きっかけは何でも良いんです。ストレス発散してほしい」という田邊氏の言葉通り、スポーツチャンバラとは、年齢や性別の垣根なく楽しめる、懐の深いものであることをお伝えする。
―終わり―
国際スポーツチャンバラ協会
http://www.internationalsportschanbara.net/jp/honbu/about.html
かにゃさん
2014年04月29日 09時37分
田邊会長が藍綬を受章されました。おめでとうございます。