最新の鍵はどんなもの？ 未来の鍵は？

「住宅用電気錠もトップシェアです」と、住設機器事業部営業部の小酒部（おさかべ）さん

「最新型の鍵は、やはり電気錠です。現在最も進んでいるのは自動車用キーですが、当社はその技術があるので、住宅用の電気錠にも応用できるのです」
　

カードタッチで解錠する最新型の住宅用電気錠
　

カードだけではなく、この小さなICチップ内蔵のシールキーで解錠することができる

シールキーならば、いつも持ち歩くものに貼り付けておくことができる。スマートフォンとの連携で、外出先で自宅のドアが施錠されているかどうか、さらに家族が開けた（帰宅した）といったことなども確認できるスマートハウスとの連携も始まっている。

電気錠は電機メーカーが得意なように感じるが、停電など万が一の時のためにメカの鍵も必ず併用されるため、電機メーカー単独ではなかなか参入できないそう。

現在、アルファの住宅用電気錠は、大手建材メーカー YKK AP株式会社の主力玄関扉「スマートドアヴェナート・プロントシリーズ」などに採用されている。

将来的に鍵は住宅や車などだけではなく、免許証や様々な会員証など、さまざまな個人識別アイテムと連携できるようになるのではとのこと。

そして、住宅用だけでなく、さまざまな場所に最新式の鍵が登場している。
　

こちらは、最新型のコインロッカー。Suicaなども鍵として使用できる
　

静脈認証式のロッカー

静脈認証ロッカーは、取り出すときに指でタッチ認証すると、入れた場所の番号が表示される。どこに入れたか忘れてしまっても安心だ。小酒部さんによると、指紋認証、網膜認証、静脈認証などは既に製品化されているが、一般家庭への普及に関しては認証スピードと認証率、そしてコストが未だ課題なのだそう。

では、未来の鍵はどんなものが登場するのだろう。興味深いものではモーションキャプチャーキーが研究されているという。これは、動作に現れる特徴や癖によって個人を見分ける技術。

指紋、網膜、静脈、そしてモーションキャプチャーといった最新技術に共通しているのは、生身の人間自体が鍵となるので、「キーレス」つまり物としての鍵がなくなるということ。鍵のトップメーカーが、キーレスの研究を進めているというのはちょっと面白い。

「キーレスになっても、停電などの非常時に備えてシリンダー錠は絶対になくなりません。最終的にはメカの鍵が重要なんです。ですから、最新の鍵の開発も、当社の長い歴史の中で蓄積してきた精密なメカの鍵の技術があることが大前提なんです」と小酒部さん。
　

取材を終えて

創業者の銅像。「幸運の女神には前髪しかない。幸運の女神の前髪をつかめ」ともよく言っていたそう

　
社員と一緒に昼食を食べようとあるレストランに入った創業者は、ショーケースの中に、肉がたっぷり入った美味しそうなカレーライスを見て、それを注文。ところが出てきたカレーライスにはほとんど肉がなかった。創業者は社員に「見本と違うじゃないか。君、ボーイに取り替えるように言ってきなさい」と命じたという。

社員が躊躇すると、創業者はこう続けた。
「看板と違うことをやってはいけない。それは我々も同じこと。はっきり言ってやった方がこの店のためになる」
　
結果、肉がたっぷり入ったカレーライスが出てきた。
その時の社員は「恥ずかしかった。でも後から、商売の心構えを教えてくれたんだと気付きました」と語ったという。

強い印象と共に「信用の重要性」が、時間をかけて刻み込まれていく。幼少期から苦労を重ね、鍵に情熱を抱いた創業者ならではの社員教育だと感じた。


　
―終わり―


株式会社アルファ　ホームページ：http://www.kk-alpha.com/

■■■読者プレゼント■■■
株式会社アルファさんからプレゼントを頂きました。
小さくてかわいいミニ南京錠（非売品）を5名にプレゼントします。
　

ご希望の方はお問い合わせフォームより、以下の情報を明記のうえご応募ください。
・ お名前
・ ご住所
・ 連絡先（電話番号）
・ 希望商品
※ 当選の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。あらかじめご了承ください。応募締切／2013年11月24日（日）まで

商品の発送をもって当選発表とさせていただきます。