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みんな知ってる? 40年前に火事で焼失した鶏肉専門店ハマケイの「幻のアメリカンドッグ」ってどんなメニュー?

ココがキニナル!

「ハマケイ」は横浜市民のソウルフード?/かつて鶏ミンチのアメリカンドッグを販売していました。調理時に出火して以降作るのを止めた記憶が。復活しない?(羽後人さん、山下公園のカモメさん)

はまれぽ調査結果!

ハマケイを知っていたのは28人中4人。しかし、その歴史は驚くべきものだった。再現された幻のメニューは絶品だったが、復活の予定はない

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ライター:楪 ゆう子

農協から始まったハマケイの歴史



これまでの調査から、すべて国産自社製造にこだわった高品質な鶏肉惣菜を、買い求めやすいリーズナブルな価格で提供していることがハマケイの魅力だということが判明した。

さらに、代表取締役社長の京野宏昭さん、取締役営業部長の門間豊和さん、商品部課長の渡辺勝利さんに詳しいお話をうかがう。
 


手前から渡辺さん、京野社長、門間さん


まず、冒頭で紹介した【横浜駅ハマケイ知名度アンケート】の結果をお知らせすると。
 


この失礼なアンケートボードを見せたのか


「弊社は横浜でも南の方から発展してますからね~。あちらの方でのアンケートならまた違った結果になったと思うんですが・・・」と残念そうな京野社長。

ガッカリさせてしまってスミマセン!
でも、根強いファンはやっぱりいらっしゃるんですね。

「なにしろ、今年で48年目になりますから・・・もともとは横浜市養鶏農業協同組合から始まっており、当時は農協として直接流通していたのですが、消費市場参入は異端者で農協法にも触れてしまうことから販売会社として株式会社ハマケイを作ったんです。横浜市養鶏農業協同組合は2010(平成22)年6月に解散しましたが、農協が株式会社を設立したのは、日本初だったそうですよ。直営店では、1967(昭和42)年5月に1号店の戸塚店、同年7月に2号店の上大岡店をオープンさせています」
 


「横浜市電保存館」保管車両の内部には当時の広告が
 

広告中の電話番号は一昨年まで実際に使われていたもの


設立以前は、養鶏農家の鶏を店に卸したり、学校給食に出したりしていたそうだが、昭和40年代にブロイラー(柔らかい肉質の鶏)が日本に入るとそれに特化した会社として1966(昭和41)年7月21日にハマケイを設立したとのこと。

現在ハマケイでは、通常月間90万本から95万本ものやきとりを販売しているが、鮮度が重要なレバーや脂の処理が難しい皮などを含めた約半分を産地工場で串刺し処理、残る42万本分を本社工場で加工して串刺しにしている。

そこからほかの商品も含めて計算していくと、本社工場で取り扱う鶏肉の量は1日1トン弱、月間にして約20トン。京野社長によると鶏の重さは一羽2.2キロ弱とのことなので、ナント1日約450羽分、月間では1万羽分もの鶏肉が加工されているのだ!
 


毎日膨大な量の鶏肉が本社工場に集まる


驚く筆者に門間さんいわく「取り扱う量もそうですが、弊社は当時農協が会社を持つのはタブーという風潮の中で初めて俗にいう『特殊法人』を作ったという経緯もあり、昔はいろいろと最新鋭で先駆けを作ってきた会社でもあるんですよ。まず、焼き鳥のテイクアウト販売というスタイル自体がハマケイ発で、ほかは全部後続で全国に広がっていったんです」
 


ハマケイの歴史を物語るやきとり(モモ・ネギマ)


地方ではその場で食べるスタイルにプラスして持ち帰りも可という形が多いが、関東ではテイクアウトが多く、その先駆けがハマケイとのこと。仕事帰りに飲んで帰ったお父さんのお土産ではなく、家庭で食べるためのやきとりを普及させてくれたのか。
 


醤油ダレのもも肉は柔らかでジューシー。甘辛タレがからんで最高に美味


なにしろ、子どもたちはもれなくみーんな、やきとりが大好き。けれども家庭でおいしく焼くのは難しい。お母さんが晩ごはんのおかずとして気軽にやきとりを出せるようになったのは、ハマケイのおかげかもしれませんね!

さらに「やきとりの『塩ダレ』というのも実は弊社が始めたものなんです。開発時には“塩ダレなんてありえない!”といった声が社内でもありましたが、あっという間に全国的に定着していきましたね」と門間さん。
 


 

塩ダレにレモン汁・・・生ビールください


筆者が大好きな塩ダレやきとりもハマケイ発でしたか! 考えてみれば、キニナル投稿された鶏ミンチアメリカンドッグだって相当のアイデアメニュー。新商品開発に力を入れているんですね。

すると「新商品といえば、横浜での地産地消商品の開発を始めているんですよ」と京野社長。昨年の10月から2月末まで限定で、平塚地区だけで栽培されている“平塚ネギ”を使用したネギマなどを店頭で販売しているとのこと。
 


平塚土ねぎは軟白部をむいておらず鮮度が保てる


むきたてが美味しいのが特徴なんだそう。
 


青々としてみずみずしい小松菜を手にする渡辺さん


3月と4月は小松菜を使った照り焼きチキンハンバーグを販売することが決まっている。はまれぽでもかつて「横浜ならではの地場野菜とは?」という記事で取り上げたが、横浜では古くから小松菜が栽培されており、それを活用したメニューだ。
 


甘味のある鶏肉とあっさりした小松菜のとりあわせに濃厚な照り焼きソースがからむ一品


5月以降はまだ未定だが、地産地消商品開発の背景には京野社長のこんな想いがある。

「弊社はもともとが横浜で農業を営む方々が集まって作った会社ですので、横浜への強い愛着はもちろんのこと、生産者から消費者へ橋渡しをしていく役目があります。そのため、鶏肉だけではなく、こうした地場野菜を使ったメニューの開発をすることで、地域の活性化となることをやっていきたい、横浜の子どもたちの食育にも貢献したいと考えました」
 


肉自体の甘さが際立つ鶏肉シウマイ。醤油やタレ無しで何個でもイケます


やきとりやシウマイ、骨付きチキンやカブト焼きといった定番商品と並行して、今後は積極的に地産地消に取り組んでいく方針だ。
 


5月人形の兜に似ていることから名づけられた「鶏のカブト焼き」と「骨付きチキン」
 

その身はシットリ、皮はパリッと香ばしい




40年前の幻の鶏ミンチアメリカンドックをついに再現!



そしてついに、キニナル投稿にあった40年前の鶏ミンチアメリカンドッグの謎について門間さんが答えてくれた。

「鶏ミンチアメリカンドッグ調理中に火災が起きたのは本当です。現場となったのはハマケイ第1号店でもある戸塚店で、火事が起きたのは1978(昭和53)年12月27日のことでした」
 


トツカーナ移転前、火災後のハマケイ戸塚店


「なにぶん、われわれの入社前の出来事で、私なんかちょうど生まれた時分の話なので詳細な記録はないんですが、関係者の話によるとこのアメリカンドッグを揚げるフライヤーが原因で起こった火事のようです。まだ温度を管理する『サーモスタット』という装置がなかった時代で、油が高温になりすぎて人手が手薄な折に発火してしまい、火災につながってしまいました」

来店を誘うため、手頃な値段の子ども向け商品として開発された鶏ミンチアメリカンドッグ。やきとり屋さんならではの発想で、つくねをアメリカンドッグにしたものだが、価格は一本100円程度。いまでいう「100円あったらマックに行こう」的なノリのスナックとしての扱いだったとのこと。

現在も同様の狙いからフライドポテトなどを販売しており、ファストフード店のものより美味しいと好評である。

しかし「そのアメリカンドッグがソーセージを使った普通のアメリカンドッグより美味しかった!」などと聞いてしまうと、どんな味か知りたくなるのが人情というもの・・・。

ハマケイさんに頼み込んで、今回の取材のため、特別に40年前の味を再現していただきました!
 


これが再現された幻の鶏ミンチアメリカンドッグ!


京野社長ご本人が「正直いって、私自身が鶏ミンチアメリカンドッグの存在を知りませんでした」とおっしゃり、今回はまれぽ読者からのキニナル投稿を受け、初めて社員に聞き込み調査を敢行「そういえばあった!」とムリヤリ記憶を掘り返したようなこの企画。

40年前の幻のレシピをどうやって復元したのか?

当時から取引のある製粉メーカー・昭和産業に問い合わせたところ、製菓部門の子会社の株式会社オーバンが取り扱っているミックス粉が材料の一つであることが判明。当時の味を知る関係者に食感や風味をリサーチし、試食を繰り返しながら再現していったのだという・・・。

そこまでガチに取り組んでいただいて、キニナル冥利に尽きます~(涙)。
 


想い出の味を再現した貴重な一品をいただきます
 

ガブリ!表面はサクッ、ミックス粉の生地はモチフワでほのかに甘い


味見させていただくと、たしかにこれは子どものおやつにピッタリの味わい。しかも、脂肪分が少ない鶏肉に玉ねぎ入りならソーセージよりもヘルシーで安心して食べさせられる。
 


中の肉は意外な歯ごたえ。鶏肉つみれのコリコリ感と弾力にビックリ


これは家でも作ってみたい!

レシピとしては、ホットケーキ用のミックス粉ではなくたいやき系の甘さを抑えたミックス粉で生地を用意。蒸して火を通した棒つくねを生地にくぐらせて油で4分ほど揚げれば出来上がり。家庭で作るコツとしては、とにかくこぶりに小さ目サイズにすること。おやつはもちろん、朝食にもピッタリのメニューだ。
 


美味しくてあっという間に1本完食


原価計算まではしていないが、現在販売するなら1本120円~150円ぐらいの価格になりそうだとのこと。

こ~~~んなに美味しいのに、本当に復活販売の予定はないんですか、京野社長!

「事故を起こした機械は、アメリカンドッグの串部分を上にして本体を縦で垂直に何本も並べて油に入れることができる形式のフライヤーだったんですよ。それが火災で失われて以降は製造自体なくなり、販売をやめてしまったという経緯があります。現在もから揚げやコロッケ用のフライヤーはありますが、それを使うとなると本体を横向きに投入せざるを得なくて効率的ではないですし、現時点での復活販売は考えられないですね」

残念ムネン・・・。

しかしながら、1日限りのプレミアム、幻の鶏ミンチアメリカンドッグは本当においしゅうございました。ハマケイゆかりの子どもたちのソウルフード、想い出のアメリカンドッグは永遠です!
 



取材を終えて



依頼を受けて初めて知ったハマケイだったが、安心安全で美味しい鶏肉惣菜へのこだわりや、長年地域に根ざした商売を行ってきた企業としての姿勢に大いに感心した取材だった。ぜひ初耳の読者もこれをきっかけに店舗に足を向けてほしい。

また、自社の歴史の一幕として埋もれかけていたアメリカンドックのエピソードに本気で取り組み、発掘してくれた心意気に感謝するとともに、横浜の子どもたちのためにいつか本当に復活させてくれることを切に願います・・・。
 


 

なぜなら、こんなに夢中になってかぶりつくほど大好評だったから!



―終わり―
 

鶏専門店 ハマケイ
http://www.hamakei.co.jp/

横浜市電保存館
http://www.kyouryokukai.or.jp/train/ 
 

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  • 相模原市民ですので町田のハマケイさんを利用してます 町田なので全国系と思いきや神奈川の地場さんなら一層愛着が湧きますね

  • アメリカンドッグを食べることが出来たなんて、羨ましすぎますー!私は子供の頃、ふつうのアメリカンドッグが嫌いだったんですが、ハマケイの鶏のアメリカンドッグ大好きでした!皮が薄甘いのは覚えていたので、ハマケイのシュウマイをホットケーキミックスに潜らせてみました!…違う…美味しくないwwwwあの味がしない…落胆しました。そして今!再発がないと知り、更に落胆しました(泣)今から、東京の自宅に帰りますが帰りにハマケイ寄って帰ります。

  • 私の中でハマケイといって真っ先に思い浮かぶのは、骨付きモモ肉です。子供の頃からずっと好物です。この店を知らない人が結構多かったとは、ちょっと意外でした。アメリカンドックも食べてみたかった!

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