奇抜すぎる謎の集団! ゲリラで登場する「革命アイドル暴走ちゃん」って何者?
ココがキニナル!
最近みなとみらいにやたらと出没してYouTube動画をあげている革命アイドル暴走ちゃんとは、どのような団体なの? 奇抜な服装なので目立っていました。(おおたさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「革命アイドル暴走ちゃん」は元地下アイドルで少し暴走気味の演出家が立ち上げた劇団。ゲリラライブは国際舞台芸術ミーティングの企画の一環
ライター:秋山 千花
衝撃? 笑劇?
今回お邪魔した稽古場で行われていたのは、ドイツ、オーストリア、イタリアの3ヶ国で行われる「ヨーロッパツアー2015」の直前練習。
ついに筆者もその衝撃のステージの目撃者に!
「革命アイドル暴走ちゃん」は、二階堂さんと桜美林大学時代の同期・加藤さん、アメリカ人俳優アマンダ・ワデルさん、横浜LOVEっ子であり、大学時代の後輩・高村さんの4名からなる。
海外を暴走しているとは思えない気さくな笑顔
今回、残念ながらアマンダさんには出会えなかったのだが、こちらも抜群のキャラクターのようで、先日TBS系列『アメージパング』にも出演したのだとか!
これは、また・・・(写真中がアマンダさん)
そんな「暴走ちゃん」のステージは、劇団員のほかに20~30名の客演俳優を招いた大所帯で展開されるお祭り騒ぎ、乱痴気騒ぎのカオスな世界。
客演俳優も個性的な面々。中には、二階堂さんが居酒屋でナンパした子も!?
「おはぎライブ」は常に大音量でアニメやゲーム、アイドルソングが鳴り響く中、演者たちがヲタ芸をうち、もはや聞き取れずに雑音でしかない台詞を絶叫し、ワカメを投げ、水をまく・・・。まさに「カッパ着用でご鑑賞ください」というある種かなり危険なステージなんだとか。
紙吹雪レベルは、ほんの序の口、当たり前!
今回、筆者が拝見させていただいたのは、本編「おはぎライブ」の前に披露されるプリセット。
その衝撃の映像がこちら!(それぞれ写真をクリックすると動画が再生されます)
プリセットは、本編を前に、まったく無の状態にあるステージを一気に暴走ちゃん色に染め上げていく過程をたくさんの小道具を用いて魅せる演目。
観客をも巻き込む喧噪的な演出は、一見するとアドリブだらけのやりたい放題にも思えるが、実はすべて計算され作り出されたカオスなのだとか。奇抜で前衛的、奇を衒(てら)うかのような演出は、正直賛否両論、好き嫌いの別れるところだろう。
実際、海外では露骨に席を立つ観客もいるという。筆者自身も、めまぐるしく動き回る演者たちを目で追い、鳴り響く音楽に耳を刺激され、何か巻き込まれるのではないかという不安にパニックを起こしそうになった。
抗うこともできず、ただただじっと固まる筆者であった
しかし、演出家・二階堂瞳子は言う。「その世界こそが2015年の東京に生きる我々を取り巻く『現象』なのだ」と・・・。
情報過多と言われる現代社会。めまぐるしいスピードで次々と現れては消えて行くさまざまな現象。その雑多な状況の中で、人は何を感じ、何を見いだすのだろう。
興奮、衝撃、無力、空虚・・・
そして、その狂宴の後に訪れる静寂を前に、人はふと気づかされるのだ。日常の中にある些細なことに。
もちろん感じ方は、性別やそれまでの人生経験、年齢、国籍などすべてのアイデンティティによっても違うだろう。
「深読みしてもいい、誤読してもいい。そこから何かを感じてほしい」
それが二階堂瞳子の作り出す「革命アイドル暴走ちゃん」への思いだという。
目の前の出来事に気を取られ、全体図が見えなくなってしまうことも・・・
今回の取材の中で、筆者の心の中にもさまざまな感情が入り乱れた。
期待、悦楽、驚愕、困惑・・・。
そして押し寄せる疲労感・・・。
帰りの電車の中、何事もなかったかのように静かに流れる時間の中で、筆者は家で眠る我が子を思った。
まさに演出家・二階堂瞳子の狙い通りだ。
これが「とにかくすごい二階堂瞳子」たる所以なのかもしれない。
食わず嫌いを起こさず、ぜひ一度体感してみてほしい
制作・樺澤氏によると、海外ツアー後の予定についても、すでにいくつか決定済みとのこと。今秋には、池袋の劇場での凱旋公演も控えている。
「今後やってみたいことは?」の問いに、口々に大いなる野望を語ってくれたメンバーたち。
「大掛かりなことがやりたい!」
「車を降らせたい!」
「嵐を起こしたい!」
「海外ロングランをやりたい!」
「武道館でやりたい!」
「専用劇場がほしい!」・・・
そして、高村さんからはもちろん「目指せ! 神奈川芸術劇場」。
KAATで嵐が起き、車が降る!?
さらに、メンバーが口をそろえて声を大にして目標にあげるのが「オリンピック開幕式!」。
どこまで本気で、どこからネタなのか・・・? 謎の集団「革命アイドル暴走ちゃん」。その暴走はまだ始まったばかりだ。
取材を終えて
演出家・二階堂瞳子という人間について、その活動を演者として最も近くで長く見続けて来た加藤さんは言う。
「人間が好きな人」だと。
なるほど、個々に稽古をつける二階堂さんの姿を見ていると、その言葉の意味が分かる気がする。
彼女は、演じ手ひとつひとつの動作に目を見張り、移り変わる表情のひとつひとつに反応する。
喧噪の中で行われる個々の芝居にも、細部にわたって指示を出す
作品作りにあたり、二階堂さんは役者ひとりひとりに膨大なアンケートを取るのだという。
趣味、特技、黒歴史、今まで一番驚いたこと、好きな音楽・・・。そこから引き出されたものを全部武器にして、作り上げるのが演出家・二階堂瞳子の世界なのだ。
二階堂瞳子の「おはぎライブ」は、まだまだ研ぎすまされ、進化していくことだろう。時代が変われば、また新たな世界も広がっていくに違いない。
広がる! か・・・?
「革命アイドル暴走ちゃん」、そして演出家・二階堂瞳子。その限りない可能性に、今後もますます期待が募る。
最後に、筆者の個人的な希望を言わせてもらえるなら、10年後20年後でもいい・・・。
彼女の独自の視点から作り上げられる「現象」の中にある人間のドラマも見てみたい。
おつかれさまでした!
―終わり―
まきひこさん
2015年05月12日 20時56分
安全ちゃんってまだ生きてるのかな?
マッサンさん
2015年05月12日 15時50分
これも「人間の業(ごう)の肯定」ですね。
詮議いたすさん
2015年05月12日 11時32分
一周して元に戻ったのか、それとも演劇自体が全く動いていないのか、ひょっとしたらお国歌舞伎や猿楽の昔から「演劇というのはこういうもの」なのか。・・・・変わってないんだなあ。。。。演劇界ってのは。