レストランの軒先にある食品サンプルの工場、鶴見の「イワサキ・ビーアイ」に突撃!
ココがキニナル!
食品サンプルってリアルで、見てるだけで楽しくなりますよね!そこで鶴見にある食品サンプル製造『イワサキ・ビーアイ』さんに体験レポートお願いします♪食品サンプルの直売所などあったら教えて!(きよたんさん)
はまれぽ調査結果!
イワサキ・ビーアイは食品サンプルの元祖で横浜に世界最大級の工場を持つ会社だった! 販売、食品サンプル製作体験は合羽橋、その他2ヶ所で営業
ライター:おばら かずし
完成・・・!!
このような工程の中で、職人さんたちの手を経て完成した美術品とも言える食品サンプルたち。そのほんの一部を一挙紹介!
海鮮丼!!
給食!!
グラタンたち!!
なんじゃこりゃー!! ハチミツとバターしたたる
この茶色に男子は飛びつきます
おまけに、職人さんたちの遊び心を少し。
バナナのペン立て
ドーナツの修正テープ置き
こういった遊び心から元祖食品サンプル屋の商品が生まれることもしばしばあるそう。
いやぁ、本当に楽しそうだと思う職場である。
横浜に世界最大級の工場があった
工場見学を終え、広報の黒川さんと工場長の寺島さんからお話を聞いた。
熱いお話をしてくださった工場長・寺島貞喜さん
お二人のお話に耳を傾ける
まずは横浜工場「Be-I Factory」について。
「ここ横浜工場は2003(平成15)年に営業を開始しました。イワサキ・ビーアイの工場は東日本に6ヶ所ありますが、横浜が最大規模の工場です。従業員はBe-I Factoryだけで80名。年間12万個の食品サンプルを製作します。従業員数も敷地面積も設備も食品サンプルの工場ではおそらく世界で一番大きな工場が、このイワサキ・ビーアイのBe-I Factoryです」と黒川さん。
横浜に「世界一」があるなんて市民としてはかなり誇らしいことだ。首都圏の顧客の製品を一手に引き受けるのがこの横浜工場「Be-I Factory」ということで、規模はかなり大きい。
寺島さんの名刺入れ。かわいい
横浜営業所の営業活動、広報活動に関しては次のように答えてくれた。
「横浜営業所には6人の営業が在籍しています。神奈川県内で言うと湘南台に湘南営業所があるので東のエリアを横浜営業所、西のエリアを湘南営業所が担当するようになっています」
「また広報活動の一環として都内の小学校で食品サンプルの授業を行ったりもしています」
授業で使用したスライド
子どもにも分かりやすい
小学生のころにこんな授業があったらかなり楽しかっただろうなぁと羨ましく思う筆者。
最近ではこのような消費者向けのサービスにも力を入れているよう。
「消費者向けに食品サンプルの技術から生まれたユニークで楽しい商品を販売したり、食品サンプル製作体験ができる“元祖食品サンプル屋”を合羽橋ショールームと東京スカイツリータウン・ソラマチ店、イオンモール幕張新都心店に作りました」
こんな商品が買える。お土産にいただいた焼き鳥のキーホルダー
食品サンプル製作体験! 是非やってみたい。
「現在はビニール樹脂で作成するのが主流ですが、30年前まではロウを使用して製作していました。皆様には30年前の作り方での食品サンプル製作体験をしていただきます。この作り方は、液体から固体へと変化するロウが、食品サンプルに姿を変えていきます。この様子が、驚きと感動を与えられると思っています」
テレビなどで見たことのあるやつだ! これ、横浜でもできないのでしょうかね??
「現在は合羽橋ショールームとイオンモール幕張新都心店で食品サンプル製作体験を行っております。インバウンドの需要が高まり外国人観光客が増える中、日本独自の技術であるこの食品サンプルは大きな反響をいただいています」
話題になってから各所からの取材依頼も多いそう
なるほど! 横浜での体験はできないか…。残念。しかしながら、日本の文化としてクールジャパンの一翼を担うことのできるコンテンツであることは間違いない。今後国内各地への展開や海外へ視野を広げていくことも多いにありそうだ。
すべてはお客様のために。モノづくりへの思い
食品サンプルを顧客に提供する際に、最も重要なことを工場長に聞いてみた。
「まずお客様の商品そのままをサンプルでも再現すること、そしてとにもかくにもおいしそうに見えるということが一番重要です。職人にはやはり表現力のセンスが問われます。技術も大事ですがこのセンスがないとなかなか難しい」
出来上がった完成品を見れば分かるが、工場長の言う通りかなりのセンス、色や
質感への繊細な感性が必要になる。
会議室にもセンス詰まったサンプルが並ぶ
「ただし、やはりお客様からの指示、納期やコストの制約の中での作業になるので個々人の勝手な考えや『もっとこうしたほうがいいのに!』といった思いを製品に込めることが難しいのが現実です。また、芸術的な感性よりも効率を優先しなくては行けない場面も多く出てきます。そういった中でも顧客が喜ぶものを作るというのが最終目標です」
職人さんの心の中では、自己の表現と効率のはざまでのせめぎ合いが起きているようだ。それだけモノづくりに対して熱い思いを持って仕事をしているということである。
「時にはフラストレーションが溜まることもある。そんな職人たちの為に年1回、自由に作品を作って発表する場を用意しています。今年は夏休みに東京スカイツリータウンに作品を展示しアート展を開催しました」
ポスターだけでも職人さんの工夫と心意気が伝わってくる
営業所の入り口に飾られている作品たち
普段の仕事ではできない表現を
職人さんたちがここぞとばかりに爆発させている
普段の注文品ではできない工夫やアイデアが随所にちりばめられており、芸術品により近づいたように感じられる。
先ほど登場してくれた岡村さんの作品。ミキサーと野菜たち
「このようなイベントも含めて、今後も技術力、ノウハウを活かしてお客様、一般のお客様の喜びの手助けをしていきたいです」
そんな黒川さんの言葉には顧客第一主義、モノづくりへの情熱が凝縮されていた。
仕事ってこういうことなんだなぁ
食品サンプル業界において日本、ひいては世界でもナンバーワンのイワサキ・ビーアイ。
今回取材をしたことで改めて日本のモノづくりの繊細さ、独自の文化に気づかされた。
なんといってもこの会社の雰囲気の良さ! 一度でいいから職人さんたちの熱意と楽しげな食品サンプルたちに囲まれて仕事をさせてもらいたい! そう思える会社だった。
寒空の下、余韻に浸りながら家路を急ぐ
―終わり―
横山市民さん
2015年12月20日 06時24分
シウマイ弁当のサンプル 欲しいっていったら、一体いくらするのだろう?
あいこさん
2015年12月10日 16時06分
家の近くにあります。中を見学したいな~っていつも思っていました。あれだけ緻密な作業をされているなかでがやがやするのは忍びないですね。学校の社会科見学とかできたらいいのに!
ポスポスさん
2015年12月10日 12時20分
子供のころから食品サンプル大好き!まじまじと見せていただきました。ここで働く方々の出身校はやはり美術系なのでしょうか・・・・・・・・。