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「動かすと事故が多発した」川崎の六地蔵とは?

ココがキニナル!

稲田堤駅近くを通る、府中街道沿いの菅の六地蔵について調べて下さい。一部のお地蔵さんは一度移設されたあと、周辺で交通事故が多発したため戻されたようですが、詳細な経緯が気になります(SUICAさん)

はまれぽ調査結果!

厄除けとして、街の境界線とその間に地蔵が立てられている。古くなった第四地蔵を移したところ交通事故が多発したので元の場所に戻した。

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ライター:小方 サダオ

郷土史会の方に話を伺う

 

「稲田郷土史会」の鶴見さん
 

「稲田郷土史会」の鶴見邦男(つるみ・くにお)さんに伺うと「六地蔵は並んで立っているのが一般的です。しかしここ『菅の六地蔵』は、珍しく街道沿いに一定間隔を置いて立っています」

 

第五地蔵は南側に立っていたものが北側に移り、道路を向いていない
 

「また一番目から六番目まで、道路をはさんで北側と南側に交互に、道路を向いて立っています(五番目は事情があり南側より北側に移り、道路を向いていない)。町の入り口から出口まで、街道沿いのそれぞれの場所に祀られ、それぞれの場所ごとに管理しています」

「もともとは菅馬場にあった代官屋敷内に立っていました。1707(宝永4)年3月に作られたのですが、その年の10月に大地震が起こり、11月に富士山が宝永の噴火を起こすなど災害が頻発したのです。そして『六地蔵』は埋もれてしまい、放置されていました」

 

代官屋敷があった菅馬場のあたり
 

「すると噴火の影響かもしれませんが、疫病など災難が起こったため村人は『六地蔵の災い』と考え、掘り起こしました。そして村の6つの集落ごとに村を守ってもらうために丁重にお祀りすると災難はやんだのです」と答えてくれた。

疫病の流行は、放置されていた「六地蔵の災い」と考えられて、街道沿いに祀られるようになったようだ。

続いて、移設されたという投稿にある地蔵について伺うと、第四地蔵が一度移設され、元に戻された地蔵だという。

 

南武線稲田堤駅
 

南武線稲田堤駅からも近い第四地蔵
 

第四地蔵堂には新旧2体が並んでいる
 

新しい像(左端)と古い像(右端)
 

第四地蔵に関して伺うと「1961(昭和36)年のことです。像が古くなって破損をしたため、新しく作り、古いものを石屋の脇に放置していました。しかしそれではいけないと、ちょうど開園した『民家園』内に移設したところ、地蔵尊のあたりで交通事故などが頻繁に起こるようになったのです」

「そのため1982(昭和57)年11月29日に『民家園』より返却 していただき、現在の場所に戻したため、新しいものと古いものが2体あるのです」と答えてくれた。

続いて第四地蔵にまつわる話がキニナリ、地元の方に伺うことにした。



地蔵尊の管理人と周辺住民に伺う

 

車の事故が多い第四地蔵近くのJR稲田堤駅入り口交差点
 

第四地蔵の近くの住人に「第四地蔵と事故の多発」に関して伺うと「私はこの近くに1974(昭和49)年に来ましたが、その年、早朝に居眠り運転をした運転手の車が、交差点で信号待ちをしていた人たちに突っ込む事故があり、重傷者が数名出る大事故がありました。また、そのころ近くで、立ち話をしていた女性のところにダンプカーが突っ込み即死する、という事故もありました」

 

事故の多い丁字路
 

「また近くの丁字路ではよく事故があります。さらに昭和50年代には交差点の近くにあった材木屋のようなお店が火事になることもありました。1976(昭和51)年ごろには、橋の下を流れる水があふれ、商店街まで流れ出し、船が出るほどの水害に見舞われたこともありました。その後すぐに、橋げたの高さを上げて水を流れやすくする工事を行っていました」

「その工事の際に、交差点付近にあった第四地蔵を今の位置に移動したように記憶しています」と答えてくれた。

 

以前交差点付近(緑矢印)にあった第六地蔵を現在の位置(青矢印)に移動した
 

JR稲田堤駅入り口交差点に向かって坂道になる
 

橋の位置を上げる工事が行われた
 

東京方面からだと第六地蔵あたりで蛇行した下り坂になる
 

第四地蔵は六地蔵中最も事故が起きやすい場所に位置している
 

橋を上げたために、JR稲田堤駅入り口交差点の前後では坂道になってしまい、上り坂の車にとっては反対車線の車の見通しが悪くなったり、スピードが出やすい下り坂の先が蛇行していたりと、事故が起こりやすい場所になった印象は感じる。

その悪条件による事故が重なったことが、「第四地蔵尊の災い」のうわさの一要因になった可能性があるように感じた。

そのことについて第四地蔵の近くの住人に伺うと「たしかに六地蔵の建つ場所の中では一番見通しが悪い場所にあり、交通事故が起こりやすい条件のある場所に立っているといえます」

 

植樹された桜の木が風情を感じさせる
 

「しかしあのお地蔵様に関しては、民家園に運ぶ際に、像を台座から切り離すために作業員が数名で、ハンマーで接続部分を壊していたところ、全員のハンマーが一斉に柄の部分から折れる、ということがあったそうです。不思議な力を持っているのかもしれません。そして古い像が戻ってきてから事故は少なくなったような気がします」

「私たちも地蔵尊の管理人に加わっていますが、毎年9月14日には住職に来ていただき、丁寧に供養を行っています」と答えてくれた。



取材を終えて



この地域の人たちは、自然災害への畏怖の念から「菅の六地蔵」を祀ったようだが、不安を感じさせる自然災害が多い昨今、そのようなあつい信仰心に共感できる思いがした。

 

大災害のあった年から府中街道沿いに祀られるようになった「菅の六地蔵」
 


―終わり―
 
 

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  • 第1地蔵のちょっと西に進んだ矢野口交差点近くの交番横の地蔵は関係ない地蔵なのだろうか? 近いので関係ある地蔵だと思っていたが…

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