「ババア サワルナ」と落書きされた壁、本牧市民公園の猫問題とは?
ココがキニナル!
中区で猫の事件かありましたが、同じ中区の本牧市民公園で猫に関する問題があるみたいです。本牧市民プール前の歩道橋下に不気味な貼り紙も。関連性があるのか?(鶴見の紳士さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
本牧市民公園ではネコに関する虐待や「地域猫」に対する住民理解などの問題があり、貼り紙は虐待犯への抗議文。「中区の事件」とは関係がなさそう。
ライター:小方 サダオ
「地域猫」の活動を定義づけた人物
神奈川福祉保健センターの黒澤さん
「地域猫」という定義の生みの親である神奈川福祉保健センター生活衛生課係長の黒澤泰(くろさわ・やすし)さんに伺うと「野良猫は主に、繁殖やフン害などが問題となります。行政側で苦情のあった野良猫を排除するだけではなく、地域で共存していくために地域猫として飼う形の提案を始めました」
『住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン』
「1998(平成10)年に私が磯子区福祉保健センターに赴任している時に、野良猫に関する問題があり、『飼い主のいない猫の飼育のガイドライン』を作成し、『地域猫』を定義づけしたのが始まりです」
地域猫とは「地域で管理する猫」と住民たちに認知されたネコのこと
「その地域にいる全てのネコに、これ以上増やさないために不妊去勢手術を行い、現存する一代で終わらせるために、住民たちが話し合いで『地域のルール』を決めて飼うこと。それが地域猫の基本です。ガイドラインとしては、決まった時間に行うエサの管理やトイレを設置するなどのフン対策を行うことです。ネコを捨てることは犯罪で、捨て猫を増やさせない、などもあります」
区で配布を行っている猫用トイレ
「行政側の対応としては、地域で地域猫に関するセミナーを開催したり、不妊去勢手術費用の補助を行っています」
市によるネコの不妊去勢手術推進事業
黒澤さんの作成した『地域猫活動のすすめ』
「しかし"野良猫"なのに"地域猫"と主張している人たちも少なくありません。飼い主のいない動物を世話する人たちは、エサをやるだけや去勢手術をしただけなので、動物愛護を中心に考えるのではなく、周りの住民たちのことも考える必要があります」
地域猫という言葉だけが独り歩きするケースがあるという
「虐待のあったという本牧のケースもそうで、あの場合は住民たちの間で話し合いがなかったために、ネコについて地域で知らない人が多かったようです。それでは、地域猫とはいえず、野良猫なのです。地域住民の理解を得られていなかったのが虐待事件の原因だったのかもしれません。野良猫が問題なのではなく、ネコがもたらす被害を減らし、ネコのトラブルをなくすのが目標になります」とのことだった。
野良猫をなくすのではなくネコのトラブルをなくすことが目的
本牧市民公園内のネコに関して伺うと「住宅地と違い公園だと状況は違います。住人もいないため苦情などは出にくいかもしれませんが、周辺住民の理解を得て飼われているネコではないので、地域猫とはいえません。公園か市がお金を出して飼うことはないので、公園利用者や周辺住民で飼育ルールを決めて世話をする『公園猫』にするのが良いのではないでしょうか」
動物の遺棄や虐待は犯罪だ
「環境創造局も以前のエサやり絶対禁止の姿勢から、適切にエサやりを認める方針になっています。ネコが集まっていると公園の利用者などが不安に思う可能性があるので、場所を分散した置きエサを止め、ネコがエサを食べ終えるのを見届けて、後片付けを行うなど、エサやりの方法を工夫するといいかもしれません」と答えてくれた。
「エサやりを認める方針の転換期に関しては、地域猫を定義づけた1998(平成10)年ごろからといえるかもしれません。その後2010(平成22)年に環境省発行の『住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン』において、地域猫活動のルールが明文化され、2013(平成25)年の動物愛護及び管理に関する法律の改正において、第1条目的に『人と動物の共生する社会の実現』が追加され、随所に適切な飼養が盛り込まれました」と答えてくれた。
保土ケ谷区にあった地域猫の活動に理解を求めるチラシ
地域猫の活動は広がっているが、正しく理解されていない場所もあるようだ。
取材を終えて
今は、以前の野良猫から地域猫という概念に変わってきているが、いずれにしてもその周辺住民などの理解を得ることが重要になっている。公園関係者や利用者の理解を得られれば、横浜地域猫擁護協会が中心に世話をしている本牧市民公園のネコたちも地域猫となり、虐待も減るのかもしれない。
本牧市民公園のネコ
―終わり―
viva平塚さん
2016年10月05日 13時02分
旧陸軍機の翼には「サワルナ」「フムナ」と書き込んである物がありましたな
oioaoiさん
2016年09月17日 14時20分
保護しようという行為も人間のエゴなんで、猫の問題のようで人間のコミュニティの問題ですね。虐待といい、餌やりといい、張り紙といい、人のすさんだ心の掃き溜めになっているような印象の現象です。
結維さん
2016年09月16日 14時32分
根本なのですが、今の地球って人間だけのものなんでしょうか? 過度な餌やり、地域猫、糞尿被害、これら全てが人間が中心となりすぎている気がします。 山や森を切り崩され、コンクリートで埋めてしまって、人間には便利(快適とは別ですが・・・)人間以外の生物が温和に暮らしていた時代はあったはずです。 人間が、自分たちに暮らしやすい様に地球をいじくっているのですから、他の生物に寄り添う気持ちを持った人が少しでも増える事を願います。 ゴミも住み難い公園もアスファルトばかりの道路も人間も、他の生物にとっては迷惑だと思います。土があって、木が生えて、食物連鎖の中で生きていきたいのでは? 今の世の中、もう少し他の生物、植物に配慮できる人間が増えたら、異常気象や絶滅危惧種も減ると思います。小さい頃より、すずめを見る機会が減りました。そのうち、すずめも絶滅危惧種になるんだろうな・・・