残り28.6km! 鎌倉街道を踏破-中の道4-
ココがキニナル!
鎌倉街道、大山街道などの街道を踏破して下さい。(jckさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
今回歩いたのは戸塚区舞岡町から東海道に出る戸塚区上柏尾町までの2.2km。次々に現れる緑多くアスファルト少ない古道の趣に大興奮の道のりであった
ライター:永田 ミナミ
這う這うの体
しかし、本当のクライマックスはまだこの先にあった。60メートルほど進むとほぼ中世そのままの様子を留めているのではないかと思われるほどの大興奮の古道が現れたのである。
ご覧ください。この細さ、未舗装さ、左側だけながら鬱蒼さ
心のなかで嬉しさを爆発させながら歩き出すも、頭をよぎるあの恐怖
ここを歩いたのは台風一過の8月23日であり
雨の翌日といえばマムシを踏みかけた2015年5月の鎌倉山中の恐怖が蘇るわけで
ただ、右はすぐ住宅街、左は茂みの30メートルほど向こうに広い道路もあるような場所だし
たびたびつるりと足を滑らすも、体はどんどん先を急ぐ
やがて少し道が広くなり、ほっとしつつも何度か足を滑らせながら歩いていくと
道の先に森の出口が見えてきて、ようしあと少しだ、と思ったそのときだった
左足が勢いよく滑り、左半身を下にして(体感としては)空中で体がほぼ横向きになりながらGoogle Mapを表示していた携帯電話を放り投げたあと、どすんと地面に叩きつけられた。真っ先に着地したのはひざだった。幸い、落ち葉の上に落ちた上半身はたいして汚れることはなく、携帯電話も土の上に落ちたので無事だった。
しかし、膝は激しく痛み、お気に入りのスニーカーも悲しげなことになり
左足を引きずりながらしょんぼりと森を出た
森を出たところで、犬を連れた小学生くらいの女の子に「大丈夫ですか?」と声をかけられた。森からよろよろと出てきたひざと靴が土に汚れた大人を見て不憫に思ってくれたようで、優しい言葉に少し泣きそうになった。
少女に礼を言い、よろよろと山を降りていくこの道も旧鎌倉街道
歩きながら、あと3km、いや4kmくらいなら歩いてもいいかなと心を奮いたたせ
Google Mapで次の鎌倉街道上の最寄り駅である相鉄線鶴ヶ峰を調べてみると
約8kmの道のりということなので痛むひざと相談の上
ちょうどこの先で大きな通りにぶつかるはずなので
バスに乗って戸塚駅に向かうことにした
おお、現代よ
公共交通機関よ
引き続き歩き続ける
やがて来たバスに乗り、窓の外を眺めながら、自分の人生で「這う這うの体で逃げ帰る」という言葉がこんなにしっくりくるのはもしかしたら最初で最後の経験かもしれないな、そういう意味ではいい経験をしたな、と思いつつ戸塚駅へと揺られていった。
というわけで、次回旧鎌倉街道はヤマザキパンの工場横から東海道本線と横須賀線を越えて、鶴ヶ峰駅方面へと進んでいくのだが、その前にスピンオフで「弘明寺道」の謎に取り組んでみようと思っています。
参考資料
『中世を歩く』北倉庄一/テレコム・トリビューン社/1998