南本牧の放射性焼却灰海面埋め立て凍結発表のその後は?
ココがキニナル!
10月26日に南本牧放射能問題の話し合いがあったみたいですが、横浜市からはどんな回答をもらえたましたか?スイスの国営テレビが取材にきたりと話題になってたので気になります。(キタミさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
残念ながら、具体的な回答はほとんどありませんでした。ただ、市民からの情報にいち早く答えていこうという市の姿勢が見えた部分もあったので一歩前進!
ライター:吉澤 由美子
質疑
まずは会の代表である本橋氏より「横浜は汚染されているのかいないのか、正直に回答してほしい」との質問に対し、「行政として、放射性物質が飛散してきて横浜市はある程度汚染しているという認識。さらに、放射能については、体に少しでもいれないようにしないといけないという認識を持っている。市としては情報収集に努め、市民の皆さまに安心して頂けるよう対処していく」とのこと。
質疑応答が行われる
―焼却灰の処分が凍結され、保管方法は見直されているのか
現在の密閉性については、フレコンパックに入れシートをかぶせており、今でも安全に保管しているが、これをさらにコンテナに入れることで安全性を高める
―東電に焼却灰の保管ができないと言われたが、こういう場に東電の方も出席できないか
むしろ会さんの方から東電にお話をされてはどうか
会から東電へ働きかけるというアイデアに「それもアリかも」という声が参加者から出る
―国の暫定基準が高すぎるので横浜市に独自基準を持ってほしい
ここでは判断できないので、後日書面で回答する
―焼却灰について、埋め立ては市の方向性として前提条件なのか
最終処分地は南本牧にしかない。それもひとつの選択肢として残っている
―南本牧に埋め立てることを選択肢から外す条件は
ほかの処分方法が見つかれば
―国有林の活用などについて林市長が発言されたという噂がある
正式ではない
―土壌からのセシウム分離などについて
ご提案いただけるお話は全部聞いているという状況。分離固定、溶けにくくするものといったカテゴリーわけして今整理している。原子力の分野で処理方法はあるが、少量では実現的なコストではないので今調べている。除染の方法についてもまだ不案内なので調べている
出席者もメモなどを取りながら真剣に耳を傾ける
―検討会について
「検討会」というものはない。市民や有識者の方から広く意見をいただいて検討したい
―凍結状態は、中止ではない?
完全撤回ではない。長く保管できる方法、中間含め処分方法を検討している。
他の自治体とも連携してやっていきたい
―焼却灰に関する作業について
白い防護服、メガネ、マスク、線量計をつけ、きっちりマニュアルを作ってやっている。
健康診断は委託相手の会社がしっかりやっていると思う
―バグフィルターが99.9%放射性物質を除去するような印象を与えるHP等の記載をやめてほしい
関係部署に確認して至急検討する
検出限界値の低い高性能のゲルマニウム半導体を導入してほしい
導入予定。現在、横浜市の各部署から購入要望が殺到している。発注してもなかなかものがない現状だが。シンチレーション型のサーベイメーターを発注している。納入され次第各部署に回す予定
―次回は市長も参加してほしい
-要望は持ち帰って迅速に伝えたい
汚泥やゴミの焼却に関して、敷地境界での放射線測定だけでは安全性に疑問が残るといった意見も伝えられた。
最後に今回の件とは直接関係のない内容についても発言の機会が設けられた。東京からいらした親子は海に埋め立てるというのは横浜市だけの問題ではないと発言。別の方より、横浜市の上水道についても危機感が伝えられた。
そのうち林市長や市議によるドイツ出張の件をはじめ、徐々に質問がエスカレートしていき、質問の答が出ないうちに次の質問がぶつけられるなど後半は雰囲気が荒れてくる。
出席していた市議には、フランクフルト視察に加わっているメンバーはいなかった
会の主催者が話を元に戻そうとしてもなかなか収まらない中、当初1時間程度の予定だったはずが、大幅に予定を上回り、約2時間半を越えたあたりで会見をセッティングした井上さくら議員がなんとか収め、次回へと持ち越された。
取材を終えて
回答自体にはさほどの進展は見られなかったが、市民からの情報にいち早く答えていこうという姿勢、そして新しい高性能の検出機器導入などの明るい材料もあった。
市の担当者は一貫してみな落ち着いて粘り強く真摯に対応していた
一部参加者がヒートアップしてしまった件については、それだけ危機感を持った市民が多く、そのわりに行政が直接こうして市民と意見を交わす場の少なさに原因がある。
市民の意見に真摯に耳を傾け、対応や検討を考えてくれることがわかれば、危機感はかなり収まっていくだろう。
これからは、焼却灰や瓦礫にとどまらない放射能全般についての意見交換会や質疑応答などを市が主催して定期的に行っていくべきだと感じた。
―終わり―
横浜市の放射能に関する問い合わせ先:
放射線に関する健康と食品に関する相談窓口 045-671-2470
南本牧処分場への放射性焼却灰海面埋立に反対する会
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