【横浜の名建築】ベーリック・ホール
ココがキニナル!
横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ。第17回は、山手の西洋館の中でも最大級の大きさを誇る『ベーリック・ホール』。細部まで美しく、華やかでドラマチックな歴史を持つ魅力的な邸宅でした
ライター:吉澤 由美子
見逃せないポイントがたっぷり 繊細で上品な装飾
(続き)
2階の部屋でひときわ目を惹く、クワットレフォイル(四葉)の窓。
この窓もちゃんと開けることができる
この窓はイスラム風だと思われることもあるが、ゴシック建築によくみられる欧州の伝統的なスタイル。
となりには客用寝室。現在は、客間風のインテリアになっている。こちらのカラーはブルー。
大きな窓の外はバルコニー
子ども部屋、客用寝室、夫婦の寝室にはそれぞれ専用のバスルームがあり、使われているタイルの色なども違う。
客用寝室のバスルーム。均一ではないタイルの色が複雑な深みを出している
夫婦それぞれの寝室は、間に専用の浴室をはさんで作られている。
そのため、壁は同じ色。ココア色が少し入った渋いピンクだ。
主人の部屋は、書斎風のインテリア。ここにはベリックやセント・ジョセフについて解説した展示がある。
タイプライターには書きかけの和紙貿易ビジネスレターという演出!
夫人の部屋はかなり広々としており、横にサンポーチもついている。
夫人は個人的なお客様とここで過ごされたそう。
どこか甘さのある夫人の部屋
サンポーチはこの方角に港が見える
大きなクロゼットは、入口の方に帽子と靴、部屋の奥に衣装を分けて収納
この家には、公開はされていないが屋根裏部屋がある。
天窓があるのでかなり明るく、壁面にも収納スペースがたっぷりある便利な場所だ。
屋根裏部屋の天窓
屋根裏部屋に行く階段には、クワットレフォイルの窓が2つ並んで設置されている
ベランダから見える雨樋もどこか異国風。ディティールを見ていると時間を忘れてしまう。
軒下にあるタイルの幾何学的なフリーズ(帯状装飾)もみどころ
取材を終えて
昔、近所に住んでいたころ、ベーリック・ホールは高い塀に囲まれてちらっとしか見えないながら強烈な印象があり、「中を見てみたい」と、いつも思っていた。
パームルームにあった壁泉と同じ獅子頭が外壁にもある
実際に中を見ると頭の中で考えていたより何百倍も美しく、洗練され、上品な空間で、その華やかで変化に富んだ歴史にも圧倒された。
屋根瓦のある煙突も特徴的
※一部、特別な許可をいただいて撮影しております
―終わり―
ベーリック・ホール 公式サイト
http://www2.yamate-seiyoukan.org/seiyoukan_details/Berrick/
ベーリック・ホールのイベント
セント・ジョセフ・ナイト2011
1960年代ポップスでパワフルナイト!
11月19日(土)~20日(日)
60年代のパワフル・スピリットで日本を元気にというコンセプトのもと
セント・ジョセフの寄宿舎だった当時をしのばせるイベント
rincoさん
2014年02月05日 10時36分
クリスマスイベントやハロウィーンのイベントは行けるだけ行ってますが、ここのリビングは西洋館でも最大でアーティストの腕の見せ所ですね。毎回楽しみにしています。去年クリスマス行けなかったのが残念です。