【横浜の名建築】旧横浜市街電話局(現:横浜都市発展記念館・横浜ユーラシア文化館)
ココがキニナル!
横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ。第18回は、旧横浜市街電話局。現在は博物館となっている落ち着いたたたずまいの建物には、細かな配慮や手のかかった丁寧な仕事がたくさん隠れていた。
ライター:吉澤 由美子
細かな部分が丁寧で美しい
(続き)
時計の横には、階段室の窓が並ぶ壁面がある。
階段の角度に沿って高さの変わる窓の配置がリズミカルで楽しい。
窓の上下にはタイルを縦に配置し、アクセントにしている
表通りに沿って進んだ反対には、みなとみらい線入口がある3連アーチの第二玄関。
第二玄関脇に、旧横浜市街電話局の案内プレート
第二玄関のあたりはかなり改造されている
第二玄関から博物館内部まではゆるいスロープ。腰までの高さにタイルが張られ、石をはさんで漆喰の壁につながっている。
スロープ途中から入口を振り返る。扉脇には現在企画展中のエジプトにちなんだラムセス2世像
内部は博物館として使うために改装されているが、第一玄関内部はそのまま残してある。
第一玄関内部。カーブがついた天井と壁の間を飾るタイルがポイント
裏口のドア上部には円窓(まるまど)
昔の写真を見ると入口の横にあるドアは公衆電話室だったことと、裏口脇のカウンターは後からつけられたものだったことがわかる。
以前の第一玄関 画像:(株)NTTファシリティーズ所蔵
階段室は普段非公開だが、今回特別に見せていただいた。
手すりの上部表面は中央がややふくらんでいて、手を添えると安心感があった。
横の手すりは後から加えたもの
取材を終えて
旧横浜市街電話局は、近寄ってみると細かく配慮されたデザインや手のかかった贅沢で丁寧な仕事がたくさん隠れていた。
昭和初期、電話交換手といえばモダンガールの花形職業。この建物に当時の人たちは特別な憧れを感じていたのではないだろうか。そう思って見ると、またこの建物の魅力が増してくる気がした。
「A.P.5.667m」と記入された謎のプレート。海抜? 外壁にあるので探してみて
― 終わり―
旧横浜市街電話局
〒231-0021 横浜市中区日本大通12
横浜都市発展記念館 公式サイト
http://www.tohatsu.city.yokohama.jp/
横浜ユーラシア文化館 公式サイト
http://www.eurasia.city.yokohama.jp/
2012年1月9日(祝)までは、特別展『古代エジプト 青の秘宝ファイアンス』が行われている
2012年1月28日(土)からは、横浜の市電の企画展が始まる予定
bssさん
2014年08月07日 22時49分
時計いつも気になってました!なぜあの位置に時計がついてるんでしょうね?
orcaさん
2011年11月13日 12時17分
ふくりん目地は目地にレンガの影が出来ず、遠景で見たとき建物が明るく見えるそうです。手の込んだ技術がここで見れたとは!今まで気づかなかった。改めて見て見たいと思う。ryutafeijoadaさんの「荒川工事基準面」も勉強になりました!
ryutafeijoadaさん
2011年11月13日 09時43分
A.P.はArakawa Peilの略で、「荒川工事基準面」ということで、海抜マイナス1.1344mだそうです。【参考URL】http://www.river-museum.jp/archives/dayori/newsletter/no_7/page4.html