【横浜の名建築】大倉山記念館・大倉精神文化研究所 (第1部)
ココがキニナル!
横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ、第22回は『大倉山記念館・大倉精神文化研究所』。特徴ある建物で見どころも多いため、2部構成。第1部は作られた経緯を中心に中央館までを紹介します
ライター:吉澤 由美子
プレヘレニックを強く感じさせる中央館
東側は図書館部分が5層になっていることもあって、小さな窓がたくさん並んでいる。
東側(研究所と図書館)は三角形の窓が中心に1つだけついている
壁の目立たたない部分にも文様が隠れている
正面入り口の二重扉。ロゼット模様や連続螺旋文様、三角形空間が組み合わさっている
正面に戻って中に入ると、エントランスは金色の光にあふれ、見上げると獅子と鷲の像が見える。
エントランスのどこから見ても、必ずどれかの像と目が合う
獅子と鷲の像も、入口にあった八咫鏡と鳳凰の彫刻を作った水谷鐵也の作品。
1体1体、向きも表情も違うテラコッタ(良質の粘土で作る素焼き)だ。
水谷鐵也は、東京美術学校(東京芸術大学)教授も務めた彫刻家。
長野宇平治の建築の多くにその作品を残している。
中央館と西館、東館はドアで行き来できるが、エントランスの左右には3連出入り口が並ぶ。
3連出入り口は、ミケーネ起源のデザインだ。
ドアが3つ並ぶ3連出入り口
エントランスの奥には中庭をはさんでギャラリーがある。ここは昔、瞑想を行うための回廊だった。
現在は回廊全体の形にのみその姿を残している。
広い中庭を一周するようにギャラリーの回廊が広がる
エントランスに戻って正面の階段を登ると、装飾的なドアの向こうに殿堂(現在のホール)がある。
階段の彫刻も素晴らしい
クノッソス宮殿の円柱を模した木製の柱上部に日本建築の斗拱(ときょう)を思わせる組物が乗っている和洋折衷の不思議な空間。創建されて80年が過ぎているのに、今もほのかに木の香が漂う。
宗教的なものはないが、敬虔な気持ちを起こさせる
そして今回、特別に塔の取材もさせていただいた。
大倉山記念館の塔、西館、東館、1階に眠る秘密の部屋は、2部の方でどうぞ。
― 終わり―
横浜市大倉山記念館・大倉精神文化研究所
住所/横浜市港北区大倉山2-10-1
電話/045-544-1881(大倉山記念館)
横浜市大倉山記念館 公式サイト
http://o-kurayama.com/
大倉精神文化研究所 公式サイト
http://www.okuraken.or.jp/
開館時間等は第2部をご覧ください。
dojaneさん
2018年02月12日 11時21分
地元民の自慢