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【横浜の名建築】旧柳下邸

ココがキニナル!

横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ。第28回は、豪商が贅を尽くした旧柳下邸。大正時代に建てられた和洋折衷の邸宅は、丁寧に暮らしていた頃の古きよき日本を追体験できる貴重な建物だった

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ライター:吉澤 由美子

二階建ての洋館 廊下でつながった蔵 (続き)

階段の上部空間を利用したアルコーブのくぼみが部屋に広がりを感じさせている。
 


内緒話をしたくなる楽しいアルコーブ
 

アルコーブの天井には葉のからんだ装飾が残されていた


洋館の裏手には蔵が室内からつながっている。手前に蔵前が設けられていて、そこにも金庫がある。
 


蔵前にあった金庫。使用頻度の高いものを入れていたのだろうか


現在では再現不可能な黒漆喰の大扉が圧倒的な存在感だ。黒漆喰は、普通の漆喰を塗った上に、酒で溶いて数年寝かせた墨を重ね、手で磨き上げて仕上げたもの。
 


蛇腹状の複雑な構造で炎を防ぐ仕組みの大扉は、火災時のみ閉じられる構造


普通の蔵は土で壁を作るが、ここの蔵は石積みだ。

 


展示物を見ていくのも旧柳下邸の楽しみのひとつ

横浜市が取得してから、この家の建具を修繕したのは大磯の職人さんたち。
政治家などの別荘地である大磯には、古い邸宅を手入れする技術が残っている。

職人さんたちは、この家のことを「いい仕事をしてあるので、こちらもついいい仕事をさせられてしまう」と教えてくれたとのこと。

 


浴室の換気を行うための透かし彫り。細部を見ていくだけで時間を忘れる



使ってこそわかる魅力


旧柳下邸の事務局長、倉澤正子さんはこの邸宅の魅力を「当時のものが、いろいろな方の努力でそのまま残っていること」と教えてくださった。

創建当時を再現した建物には、さまざまな方から寄贈を受けた当時の家具が置かれ、大正から昭和初期の時代を体験できる。
 


茶の間の座卓に置かれていた古いオルゴールは実際に使えるもの

 


居間に飾られていた羽子板。2月半ばにはお雛様も飾られる


和洋折衷の魅力的な旧柳下邸は、丁寧に作られ、大切に住まわれ、今もそういった暮らしを体験できる貴重な建物だった。

 


背景の森は昔の根岸を伝える貴重な植生が今も残っている



― 終わり ―


根岸なつかし公園柳下邸 公式ページ
http://members2.jcom.home.ne.jp/ne-yagishitatei/index.html

指定管理者 特定非営利活動法人 根岸なつかし公園旧柳下邸管理委員会
〒235-0004神奈川県横浜市磯子区下町10 
TEL&FAX:045-750-5022

根岸なつかし公園 9:00~17:00
旧柳下邸 9:30~16:30
休園・休館日:毎月第2・第4火曜(祝日の場合、翌日休)
       年末年始(12月29日~1月3日)
入園・入館料:無料
交通:JR根岸線根岸駅から徒歩8分 根岸小学校近く

旧柳下邸で行われるイベント
雛祭り:2012/2/15(水)~3/8(木)
はじめての茶道教室、裂き織り体験などさまざまな体験講座も行われています  

 

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  • 今年のGWに訪問しましたが、地域の方が大切にされているのがわかり気持ちよく拝見させてもらえました。中庭?には水琴窟もありましたね。

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