湘南エリアでのんびり一人歩きにイイ桜スポットは?
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湘南エリアで一人でのんびり歩きながら桜を楽しめるスポットを教えてください。
はまれぽ調査結果!
人ごみを避けて“一人歩き”のお花見がおすすめ!北鎌倉の山桜・鎌倉山の桜のトンネルと夫婦池・藤沢の古刹「遊行寺」をご紹介。
ライター:吉岡 まちこ
何回も桜を楽しめる藤沢の古刹「遊行寺」
藤沢市の桜の名所は、大庭城址公園、長久保公園、新林公園など鎌倉とは違って大きな公園が多い。
でも湘南の桜めぐりのテーマは、一人歩き。一人、公園でお弁当を広げるのはちょっとサミシイので、お寺に桜を求めて歩いてみることに!
藤沢橋の近く、藤沢駅からバスで15分ほどの遊行寺(ゆぎょうじ)は、東海道五十三次にも描かれた古刹。
踊念仏で有名な時宗の総本山で、藤沢は遊行寺の門前町として栄えた街だったのだ。
3月26日、ちょうど河津桜が満開だった
手水鉢の水にも映ってきれい
今も修行僧のための修行道場であって観光寺ではないので、境内はのどかでとても静か。
純木造建築の本堂は、関東大震災で倒壊したあと木材をそのまま使い再建したもので、関東随一の大きさだそうだ。
正面からは大きさがわかりにくいが、横から見ると荘厳!
春には桜の花びらが舞う小道。脇には鐘楼と放生池がある
桜の写真はありませんかとお寺に相談したところ、境内にある博物館「遊行寺宝物館」の主任学芸員である遠山元浩さんは、宝物館内にスタジオを持ちパンフレット作成もされていることが判明。桜の写真をご提供くださった。
本堂の前にはソメイヨシノ(写真提供/以下6枚、遠山さん)
一人で静かに見上げたくなる桜だ
数年前までライトアップされていたことも…今年は未定
放生池には、花の寺100選に登録のハクモクレンと咲きかけのしだれ桜
遊行寺宝物館は国宝・重要文化材など指定文化財をはじめ2万点以上を所蔵し、年5~6回の特別展・企画展を開催(開館日は土・日・月・祝日)している。その宝物館前の桜は、あえて掃除をせずに散り桜を数日間だけ楽しむのだそうだ。なんてニクイ心遣い!
宝物館の前は、緋牡丹桜(八重桜)のじゅうたんに
「遊行寺は、桜の時期が長いんです。河津桜が散る頃に本堂前のソメイヨシノが咲き始め、散る頃に総門から続く四十八段の桜が見頃になります」(遠山さん)
四十八段の桜、通称いろは坂の桜は必見!
夕方17時近かったけれど境内に小さなお茶屋さんを発見!ここ「遊行茶屋」は3年前にオープンし、この4月15日は改装日だそうだ。
貼ってある、お客さんが撮った写真に映る右下の家屋が「遊行茶屋」
寒かったのですごく温まったお汁粉300円。10~17時。木曜日と雨の日はお休み
毎週水曜朝、本堂脇で地元の農家からの朝どり野菜の直売があって、その材料を使い土日は「遊行弁当」も出す。一人歩きのランチにピッタリだ。
取材を終えて
遊行寺にいると、夕方17時を告げる鐘の音に続いて、ドドドドド…と低く小刻みにいつまでも続く音が。…何の音!?と思って出どころをたどると、徳川綱吉の「生類憐みの令」で江戸市中の金魚銀魚が集められ放生されたという放生池のほとりにある太鼓堂からだった。
右が太鼓堂。手前の大きなしだれ桜に花がついたらどんなにか幽玄!
にわか雨が上がって西方浄土のように西日に輝き、太鼓の音と裏山からはウグイスとリスの鳴声…。なんだか桃源郷にいるみたいで、一瞬帰りたくなくなってしまった。
静かに一人で桜を眺めたい時もある。そんな場所を見つけるのも発見があって楽しめそうだ。
― 終わり ―
◆円覚寺・弁天堂茶屋
鎌倉市山ノ内409
0467‐25‐0411
◆ギャラリー北鎌倉物語
鎌倉市山ノ内1149‐1
0467‐67‐3316
◆ル・ミリュウ
鎌倉市鎌倉山3‐2‐31
0467‐50‐0226