特別自治市に対して横浜と川崎の考えの違いはある?
ココがキニナル!
川崎市でも特別自治市についての検討は行われているようですが、横浜市の考え方となにか違いがありますか?(源氏さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
川崎市が検討している特別自治市の内容は、基本的に横浜市と同じだが、阿部川崎市長は同時に道州制の導入も必要と述べている。
ライター:吉田 忍
川崎市の阿部孝夫市長は、4月に行われた記者会見で、「これまで提唱してきた特別自治市の実現と、道州制はセットだ」そして、「地方分権の原則は、国民に近い所で地域の問題を一元的に解決できる仕組みをつくること。特別自治市で問題を早く解決し、国民に安心してもらう取り組みを進めると、自然にそういう流れになる」と話し、道州制実現をめざす知事らによる組織の立ち上げに参加することを表明した。
特別自治市については、「横浜市が提案する特別自治市とは?」でお伝えしたが、阿部市長の言う「セット」の「道州制」とはどんなものなのか? そして、川崎市の提案する「特別自治市」は、横浜市のものと違いがあるのか?
そこで、川崎市総合企画局自治政策部に伺ってお話を聞いてきた。
地方分権改革とは
川崎市では、「市民と進める地方分権改革」という名称で地方分権改革の目的やこれまでの取組、真の分権型社会の実現のために川崎市が提案する新たな大都市制度についてのパンフレットを作成している。
川崎市のパンフレット
地方分権改革とは、国から地方(都道府県・市町村)に、また、都道府県から市町村に、権限や税財源を移して、地域がその特性を生かして、より効果・効率的に無駄のない行政を行おうとするもの。
住民に密接な地方に大きな権限を
たとえば、信号機の設置などの交通規制に関する権限は、県が有しているので市では対応できないが、このような生活に密着した問題は、県よりももっと市民生活に目が届く市が行った方が迅速かつ有効。
また、病院の病床数は、一定の地域ごとに基準が定められていて、市では必要に応じた病床数の決定もできないなどの問題がある。
より迅速かつ効率的に
さらに、国からの補助金は使い道が定められている場合があり、実情に応じての使い方が難しく、その元になる国税は、いったん国が集めて地方に配分しているので、そこに関わる職員や事務手続きが二重三重に必要で、効率的ではない。
行政の効率化は現在もかなり行われているが、現状では県と市が同じようなことをしているという二重行政問題がある。これは今の、国→県→市というシステムでは解消できない。
これらのステップのそれぞれに人員とコストがかかっている
そこで、より自主的かつ自立的な行財政運営を行えるように、地方(より小さな行政単位)へ権限や財源を移そうというのが地方分権改革の考え方。