検索ボタン

検索

横浜のキニナル情報が見つかる! はまれぽ.com

特別自治市に対して横浜と川崎の考えの違いはある?

ココがキニナル!

川崎市でも特別自治市についての検討は行われているようですが、横浜市の考え方となにか違いがありますか?(源氏さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

川崎市が検討している特別自治市の内容は、基本的に横浜市と同じだが、阿部川崎市長は同時に道州制の導入も必要と述べている。

  • LINE
  • はてな

ライター:吉田 忍

川崎市が提案する「特別自治市」構想



現在の政令指定都市制度は50年以上も見直しが行われていないため、大都市特有の行政需要への対応が十分に果たせていないとし、川崎市は以下のような提案を行っている。

  • 県域から独立した地方自治体となる。
  • 現在、県が担っている事務も含め、国が行うべきもの以外の、市内の全ての事務を担う。
  • 県税も含めて、全ての地方税を課し、徴収する。
  • 現在と同様に行政区を設置し、市民による自治の充実を図る。

 

特別自治市だけではなく、小さな町村の権限も大きくなる


川崎市では、「特別自治市」の実現に向け、具体的な仕組みについて検討を進め、国に提案するなどの働きかけを行うとしている。
 


左から、吉留係長、対馬課長、和田係長




道州制とは



阿部市長の「特別自治市の実現と、道州制はセット」という表現について、これは同時に行うという意味ではなく、比較的早期に実現しそうな特別自治市の創設に加えて、同様に道州制の検討も必要だということ。

道州制には明確な定義はないが、都府県をより広域に広げて一元的な行政を行おうという考え方で、たとえば、府県をなくして関東州や東海州という単位にしようとするもの。
これは一見、より小さな行政単位に権限を移譲するという地方分権改革と矛盾するように感じる。しかし、より広域な自治体で管理運営した方が効率がよいもの、たとえば道路の建設や整備といった県外にまたがるものが多数あるので、広域的かつ一元的な行政が期待できる。

また、特別自治市の創設だけでは、国全体の問題解決にはならない。神奈川県では横浜市、川崎市、相模原市の特別自治市への移行が予想されるが、残された市町村にとっては、現在と同じシステムのままのため、今まで県単位で分配されていた税収などの不利益が懸念される。

小さな市町村は、職員数の問題などで、あらゆる分野に対応する職員を確保することができないので、特別自治市のように独立することは難しい。

そこで、現在の神奈川県よりも大きな広域自治体にし、国からの権限を移譲すれば、無駄なくより一元的な行政が行われ、税分配など懸念される問題も軽減される可能性が高いと考えられる。

大都市が特別自治市として独立することも、より広域な自治体を目指す道州制の考え方も、国から地方への権限や税収の移譲による、住民に近い所で地域の問題を一元的に解決できる仕組みをつくるという意味では同じで、中央集権的な行財政から、より住民密着型の地方分権改革へのシステムである。
 


特別自治市と道州制の実現を提唱する川崎市




まとめ

川崎市の特別自治市構想の内容は、ほぼ横浜市と同じものであった。しかし、対馬課長は「市は特別自治市のことだけ考えていればいいのではない」とおっしゃった。それが道州制の検討だった。

現在、国の方向性としても地方分権が望ましいとして検討されているが、それは特別自治市の創設だけではない。地域ごとの格差をどのように補完していくのかなど、全体を見なければならない問題も多い。

いずれにしても、二重行政などの無駄をなくすための新しい行政システムへの移行は、そう遠い未来ではないようだ。まず、特別自治市が生まれ、その後、道州制への検討が加速するであろう。

と、原稿を書いていたら、「神奈川県独立国構想」を黒岩知事が表明。独自の地方分権改革案をまとめるプロジェクトチームを立ち上げたとのこと。
横浜市や川崎市の特別自治市構想に対抗する狙いがあるのだろうか…


― 終わり―


・川崎市トップページ
http://www.city.kawasaki.jp/index.html

・川崎市総合企画局 Web地方分権改革のページ
http://www.city.kawasaki.jp/16/16bunken/bunken/contents/bunken_portal.html

・市民と進める地方分権改革パンフレットPDF
http://www.city.kawasaki.jp/16/16bunken/bunken/materials/daitoshi/23.4bunken_pamphlet.pdf

・市民が主役の地方分権パンフレットPDF
http://www.city.kawasaki.jp/16/16bunken/bunken/materials/bunken_TM/0_bunken_pamphlet.pdf

・指定都市市長会のページ
http://www.siteitosi.jp/ 
 

この記事どうだった?

  • LINE
  • はてな
コメントする
  • 今こうしてこの記事を読むと、道州制という、誤解を恐れずに言えばある種荒唐無稽な話と特別自治市の話をセットにすること自体無理があるように思います。両者は関連がありそうで関連づける必要はないのではないかと思います。

おすすめ記事

川崎市平成24年度予算はどうなっている?

特典あり

地域の人、飲食店を営む人たちに愛される老舗酒店。全国の蔵元に直接足を運び実現した豊富なラインアップ!

  • PR

横浜市が提案する特別自治市とは?

タイヤ販売から車の修理、日本初? のタイヤプリントも。 タイヤのかかりつけ医「タイヤセンター戸塚」

  • PR

返還の話があった深谷通信所と上瀬谷通信施設、現状はどうなってる?

想像力をかき立てるカーディーラー、港南区「スズキ上永谷横浜オートマン」

  • PR

【参院選2016】随時更新!神奈川県選挙区当選者速報!

“世界に一着”が3万5000円から! 隠れ家サロン「EVERS SUIT」でオーダースーツデビュー!

  • PR

こんな記事も読まれてます

返還された上瀬谷通信施設で2026年に「花博」が開催されるって本当?

8月25日(日)に行われる横浜市長選挙の前に、市長の仕事について知っておきたい!

瀬谷区にディズニーランド!? 街頭演説で前代未聞の誘致案を披露する謎の人物に直撃取材!

横浜市会で2007年度以降廃止されていた議員の費用弁償が復活。その理由は!?

横浜にこんなすごい会社があった!Vol.9「世界初、商用ベースのLED植物工場に成功の株式会社キーストーンテクノロジー」

横浜にこんなすごい会社があった!Vol.7「世界最小のヒーターを製造する株式会社スリーハイ」

選挙もないのに、横浜市各区の区長ってどうやって決まるの?

返還の話があった深谷通信所と上瀬谷通信施設、現状はどうなってる?

新着記事