横浜にも「峠」ってあるの?
ココがキニナル!
横浜にも「峠」ってあるんでしょうか?あるならどんな所なんでしょう?(chaopeeさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「峠」と言われるところは、金沢区の「六国峠」。通称では、県道204号線にある「朝比奈峠」、青葉区にも「緑山峠」と呼ばれる道があった。
ライター:橘 アリー
峠とは?
峠とは、山道を登りつめてそこから下りになる場所のことを言う。そうすると、横浜にも山は幾つかあるから、その山の数だけ峠があることになる。では、その山の数だけ「登りつめた所が峠と呼ばれているのか」と言うと、必ずしもそうではないようだ。
峠と呼ばれるにはその高さなど何か規定があるのか国土地理院に聞いてみたところ、特に規定は無く、峠と呼ぶか呼ばないかは、それぞれの自治体に依るそうだ。
そこで今回は、峠という名前で呼ばれている「峠」を探してみることに。
「峠」発見!
峠と言うと、身近なところでは、箱根駅伝で有名な東海道(国道1号)の箱根峠がある。そこで、横浜市内の東海道にも峠はあるのかと調べてみたが、台町や権太坂など登って下る形状にはなっているものの、どれも坂と呼ばれている。
走るとかなりキツイ「権太坂」も「峠」とは呼ばれない
では、その他の「登って下る」場所はどうなのか、まず、地名に峠が付くところはあるのか、横浜市の住居表示係に聞いてみた。
すると、現在では地名に峠が付くところは無いそうだ。では、昔はどうだったのかというと、市内も広いので全ては把握しておらず分からないということだった。
続いて、本やインターネットで調査してみた。すると、六国峠ハイキングコースの「六国峠」という名前があるのが確認できた。さらに、通称では、「朝比奈峠」「緑山峠」というのも市内にあるようだ。
「円海山周辺マップ」に掲載されている六国峠ハイキングコース
この「六国山ハイキングコース」は金沢区にある。そこで、もっと詳しく調べるために金沢区役所へ行ってみた。
「峠」と「切通し」!?
金沢区役所
金沢区役所の区民活動センターで「六国峠」について訊ねると、「NPO法人横濱金沢シティガイド協会」が案内のパンフレットなども発行していて、詳しいことを知っていると教えてくれた。
そして、他に峠はないか聞いてみると、「朝比奈切通し」があると教えてくれた。峠って聞いたのに、切通し?…どういうことなのか?聞き間違いかと思い、もう一度「峠」と言ってみたが、「だから、朝比奈切通しがあります」と返ってくる。
「切通し」とは、山を切り開いて作った道のことだが、これも峠の一つなのだろうか?
「朝比奈の切通し」についても「NPO法人横濱金沢シティガイド協会」が知っているそうなので、詳しく聞いてみることに。
六つの国を見渡せた峠!
理事の藤田武昌さん(左)と鈴木ツヤ子さん(右)
お話を伺ったのはNPO法人横濱金沢シティガイド協会の藤田さんと鈴木さん。藤田さんは同協会の理事をされている。
藤田さんによると、「六国峠」はその昔、峠の山頂(標高147.4m)から、伊豆・相模・武蔵・安房・上総・下総の六つの国が見渡せたのでその名前が付いたそうだ。かつては、東海道経由で江戸へ通じる道だったそうだが、今は「六国峠ハイキングコース」として金沢自然公園を通り鎌倉まで続くハイキングコースの一部になっているようだ。
最寄駅は京浜急行の「金沢文庫駅」である。しかし残念なことに、2年ほど前に崖崩れがあり、「六国峠ハイキングコース」は、現在、閉鎖されている。
金沢土木事務所によると、復旧のめどはたっていないようだ
入り口は閉鎖されている
ゲート越しに見た「六国峠ハイキングコース」の様子