tvkでお買い物情報番組ばかり放送しているのはなぜ?
ココがキニナル!
tvkの番組編成が日中はお買い物情報ばかりで、以前に比べたらオリジナル番組が減った気がします。なぜこの様な番組編成になったのか、キニナル(ヨコさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
景気の潮流のなかで、番組制作をするための広告費としてお買い物情報番組を多く編成している現状。しかし今後は自社制作番組を増やす流れがある
ライター:クドー・シュンサク
「tvk」ことテレビ神奈川。開局は1972(昭和47)年で、はまれぽでも幾度となくtvkにまつわる取材をさせていただいた、放送事業における神奈川県代表メディアのひとつだ。
さっそく編成部の方にアポイントをとり、番組編成秘話を含めたテレビ局事情を伺うことにした。
tvkへ
tvkの本社は、中区太田町にある横浜メディアビジネスセンター内の1階から4階まで。
横浜メディアビジネスセンター(通称YokohamaMBC)
受付を済ませ本社内へ。と、さくさく進めたいところだが、横浜メディアビジネスセンターに到着したとたん、少し困惑する。
横浜メディアビジネスセンター
入口が
めっちゃ
あるやん
そして・・・
入るのはここやん
エントランスを発見。実は、「入口A」の脇にもエントランスがあったが、ぐるっと一周まわった後に初めて気がついた。
受付の方にご挨拶をし、エレベーターに乗って4階へ。tvkのオフィス内へ通してもらい、編成部編成局副参事の近藤和之さんに話を伺うことに。
tvk、現在の番組編成は?
あらためて、「お買物情報番組が多い」という今回のキニナルの旨を伝えると「ちょっと正直答えにくい内容ですねー」と苦笑い。それでもさすが、メディアでのお仕事をされているプロの方、現在の番組表をさし出しつつ笑顔で話してくれた。
「日中の時間帯」を6時から19時とすると土日は3時間程度だが平日4~5時間、とだいたい30%くらいはお買物情報が放送されている、ということになる。
では、どうしてこのような番組編成になっているのだろうか。
「民放である以上、広告収入が必要だからです。お買いもの情報番組自体は局で制作しているものではなく、広告会社が番組枠を購入しています。その中で広告会社の指示のもと番組が編成されています」とのこと。
要するに、広告会社が番組を持ってテレビ局の電波を買いに来て、tvkが広告収入を得るという図式になっている。在京を含めたほとんどのテレビ局は、お買いもの情報番組を多く取り扱い、広告収入をある程度キープし、自社番組制作費にあてているのだ。
ちなみに、最近お買物情報番組で一番売れているのは、エクササイズDVD「TRF イージー・ドゥ・ダンササイズ」なのだそう。
そうして得た広告収入があるからこそ、現在の人気番組「Billboard_TOP40」「sakusaku」「あっぱれ!KANAGAWA大行進」などを制作することができるのだ。
同じビデオジョッキーによる最長音楽番組としてギネス認定を受けた「Billboard_TOP40」
tvk=音楽番組というイメージを作り上げた「sakusaku」
今年度よりお買物情報番組を減らしていきたいという。広告収入が減ってしまう、という問題はあるようだが、やはり視聴者のことを考え自社制作の番組を増やす意向とのこと。
近藤さんは「何より、神奈川県域局として神奈川県民の方々に地域情報を伝えるのが使命だと思っています。今後はテレショップ的な番組を増やさず、確かで役立つ情報番組を作っていきたい」と話してくれた。
そしてもうひとつ興味深い話をしてくださった。
テレビ局は放送法という法律に基づき、総務省管轄の免許事業として運営されている。放送法には、番組編成の偏りを規制する決まりがあり、放送法では、番組内容について教養や教育、報道、娯楽の各番組の調和を保つように定めているとのこと。
ちなみに、「お買物情報番組の視聴率は?」と尋ねると、残念ながら「極秘情報」とのこと。データ測定は、大半の局が使っている視聴率会社「ビデオリサーチ」ではなく、「日本リサーチ」という会社に依頼して年2回の算出により行われているそうだ。
お話も伺ったところで、近藤さんからのご厚意で局内のスタジオや調整室を見せていただけることになった。