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2016年2月を予定していた港南区役所の移転が1年延期! 詳細は?

ココがキニナル!

2016年2月の移転を予定していた港南区役所がコンクリートの強度不足により1年遅れるそう。なぜこうなった?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

業者の技術面での検討や工事管理体制が不十分だったことなど複合的なことが要因。再工事にかかる費用は業者が負担し、市は遅延損害金の請求を検討

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ライター:はまれぽ編集部

丸1年遅れ



横浜市は2016年2月末に移転新築を予定していた港南区総合庁舎について、地下コンクリート杭の強度不足が判明し、再工事をすることになったため、完成時期が丸1年遅れの2017年2月末になることを明らかにした。
 


移転時期が1年延期になった港南区役所
 

港南区役所(1~4階)、港南消防署(1階)、港南公会堂(5階)が一体となった現庁舎は2017年3月まで利用。新庁舎は区役所、消防署、公会堂の機能を持たせたまま、現在分庁舎がある道路を挟んで向かいに建設する。
 


現庁舎と新庁舎の位置関係
 

区役所と消防署が新庁舎に移転した後に現庁舎を解体して新しい公会堂を建設するため、当初は2016~2019年度までとしていた公会堂の休館期間も丸1年後ろ倒しの2017~2020年度となる。
 


新たな事業スケジュール(クリックして拡大)
 

では、なぜこのようなことが起きたのか。横浜市建築局公共建築部施設整備課の古賀文夫(こが・ふみお)課長に聞いた。
 


詳細を伺う
 

古賀課長によると、2014(平成26)年6~7月にかけて杭工事を行ったが、同年9月にコンクリートの充填(=じゅうてん、空所を満たすこと)不足であることが判明した。
 


赤い丸で囲った箇所がコンクリートの充填不足部分
 

工事では18本のコンクリート杭を打設したが、すべてに充填のムラがあることを確認。市は建物を支える強度が十分でないとして、打設した杭を抜き取り、新たに杭打ちから始める再工事を決断した。
杭の解体と新規打設にかかる費用は、工事を請け負った共同事業体(JV)が負担する。
 


充填不足が判明したコンクリート杭(写真提供:横浜市)
 

原因について古賀課長は「技術面での検討や工事管理体制の確保が不十分だったなど、複合的な要因」と説明している。請負業者は「従来通りの施工方法」という認識だというが、市は「元請け・下請けの責任の所在が不明確で、技術者の適切な配置が行われていなかった可能性がある」との見解を示した。

工期延長という事態を受け、古賀課長は「今回のことを教訓に業者と密な連絡でコミュニケーションを図り、チームワークや技術力を高めながら引き続き工事に取り組んでいく」と述べた。
 


安全安心な新庁舎を!
 

また、契約約款(やっかん)では横浜市が業者に対して遅延損害金を請求できることも明記されている。請求額は現在精査中で、市では関係部局と調整して手続きを行う準備を進めている。

では、工期の遅れについて地元の人はどのように感じているのだろうか。実際に話を聞いた。

「今のままであまり不便を感じていないので、遅れてもなんとも思わない」という20代男性がいる一方、新庁舎予定地から徒歩圏内という70代男性は「昨年暮れに地元住民に対する説明会で延期になったという話を聞いたが、理由が強度不足だと知らなかったので驚いた」と困惑の表情を見せた。
 


着々と工事は進んでいるが・・・
 

また「基礎工事の段階で見つかったので、よかったのでは」という30代女性がいれば「考えられない。市民が使う施設なのに」と憤りを隠さない60代男性がいるなど、反応はさまざまだった。
 


褒められる行為ではないが、現場にはこんな落書きも
 



取材を終えて



この段階で見つかって良かったと思うべきか、あってはならぬことと断じるか判断は難しいところだ。
しかし、不具合が見つかった以上は二度と同じ過ちを繰り返さないよう、市民が安全安心して利活用できる施設整備に向けて尽力してほしいと思う。


―終わり―
 

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  • 基礎の段階で見つかって良かった・・・って事は絶対に思ってはいけませんネ!不手際・不十分がある事を前提に物事を考えていませんか?現在の実情を見ると仕方ないとも思えますが・・・市側も金さえ払ってもらえば良い!ではなく、不祥事に関わる業者は今後永久に追放!するなどの徹底対応をしない限り、業者側も「賠償さえすれば大丈夫!バレテいないケースの方が多いので、時々バレテも儲けもの!」程度に思われても。賠償請求した上で、今後は永遠に横浜市関連工事には参加出来ないようにすれば、絶対に不手際が出ないように注意しながら工事を進める筈である。人間は結局は「悪知恵」を最大限働かせますからね!

  • 「新庁舎から徒歩圏内」の人は、現庁舎は徒歩圏外になってしまうほど絶妙な距離の住人なのだろうか?

  • 丁度段階の世代が後をたち 技術者としては 若い世代への交代時だと思います。二十年もの間 技術者育成をおこたっている企業には問題あると思うしこのようなことは オリンピック間際までいろんなところで 出るのではないかと予想つきます。ゆっくりでも丁寧に確実ににチェックするようにしてほしいと思います。

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