飲む「ブラジャー」? 昭和の雰囲気を残したディープスポット、「若松マーケット」の「横須賀ブラジャー」をはしごレポート!
ココがキニナル!
横須賀の若松マーケットという繁華街で横須賀ブラジャーというジンジャーエールで割るカクテルがある。オリツルサイダーの記事の横浜のジンジャーエールで作ってもらってみては?(マイクハマーさん)
はまれぽ調査結果!
1959年にできた若松マーケットでまちおこしのために2011年に誕生した「横須賀ブラジャー」。横浜のジンジャーエールとのコラボ結果は本文参照
ライター:やまだ ひさえ
インターネットの通販サイトやデパ地下をのぞけば、世界中の個性的な味、珍しい逸品を買うことができる。今や自宅で味わえないものはないといわれるほど、多彩な味に溢れている日本。
でも、あるんですよ、地元に足を運ばなければ味わえないものが。それってこの時代、逆に「贅沢」なことでは・・・。
そんなことを思いつつ、キニナル投稿にあったように横浜オリジナル、坪井食品さんの「オリツルサイダー」のジンジャーエールを持って、横須賀の地カクテルとのコラボを実現させるべく、若松マーケットに行った。
写真中がジンジャーエール。甘さのなかにピリッととがった風味がある
レトロ商店街、若松マーケット
東京湾に面して南北にのびる横須賀市は、三浦半島の中心的存在。海軍の街、ベースの街としても知られている。
そのベースに面してのびるのが、横須賀一知られた商店街「どぶ板通り」だ。
明治時代以降、帝国海軍の軍港街として栄えたどぶ板通りは、戦後、アメリカ軍が駐留することで、日本とアメリカが融合した独特な商店街になった。
どぶ板通り
英語の看板は当たり前
横須賀の新名物・ネイビーバーガーのお店
どぶ板通りといえば「スカジャン」
メインストリート「横須賀中央大通り」をはさんで、どぶ板通りの反対側にあるのが、今回の目的地、若松マーケット。
どぶ板通りと並ぶ横須賀の名物商店街だ。
京浜急行の横須賀中央駅で下車、東口のYデッキ側に降りると、昭和レトロなアーケードが見えてくる。その下に若松マーケットがある。
写真左側が若松マーケットのアーケード。右端が京急の横須賀中央駅東口改札
Yデッキから見たアーケード。加盟するお店の提灯がかかっている
「横須賀ブラジャー」の看板がお出迎え
アーケードの向こうが若松マーケット
現在は約70店舗の店が組合に加盟し、個性を競っている
昭和30年代にタイムスリップしたかのような通りは健在
灯りが灯ると昭和レトロ感が一気に増す
どこか懐かしい雰囲気のお店も多い
横須賀出身の人気俳優御用達のお寿司屋さんも
各店で使う氷を一手に引き受けている氷屋さん
現在の若松マーケットは「昭和レトロ」な雰囲気が魅力的、と映画やドラマの撮影によく使われるそう。
横須賀市内でも歴史のある商店街、若松マーケット。
まずはその歴史を知るため、現在の若松マーケットの組合長の佐藤昭夫さんに話を伺った。
当時の話を聞かせてくれた佐藤さん
佐藤さんは元々、若松マーケットでバーテンダーをしていたが、今は、気さくな飲み屋の親父さんだ。季節料理「詩」は1967(昭和42)年創業の老舗居酒屋。
若松マーケットから少し離れた横須賀市東逸見(へみ)町の「詩」
若松マーケットは1946(昭和21)年、戦後の闇市としてスタート。横須賀の人々の生活を支えてきた。昭和30年代になり、露天から店舗を構える店が登場。生活用品や飲食店100軒以上が軒を連ねるようになり、1959(昭和34)年には、若松新生商業組合が誕生。闇市、青空市場の名残をとどめる「若松マーケット」と呼ばれるようになった。
昭和30~40年代の若松マーケットの様子(提供:若松マーケット)
人で溢れていたという当時、常連だったのが「どぶ板通り」で米軍相手の店で働いていたバーテンダーやバンドマンたち。自分たちの店が終わった深夜、若松マーケットに足を運び、朝まで飲んでいたらしい。
当時は店舗兼自宅という店も多かった(提供:若松マーケット)