アルパカたちはどこへ? 氷取沢ファミリー牧場が閉園する?
ココがキニナル!
以前に記事になった氷取沢のファミリー牧場が5月31日で閉園。かわいいアルパカたちの行く末も気になります。どうか牧場最後の日のレポートをお願いします(永田OLさん)
はまれぽ調査結果!
隣接する障害者援護施設との兼ね合いで閉園することになった。アルパカたちは都内の専門学校に引き取られることが決まっている
ライター:田中 大輔
2013(平成25)年に、「横浜でアルパカに会える場所」としてはまれぽでも紹介した、磯子区氷取沢(ひとりざわ)にある「氷取沢ファミリー牧場」。そのファミリー牧場が、2016年5月いっぱいで閉園することが決まった。
久々のもふもふ。アルパカ牧場へ再び
年間5000人強の人が訪れ、アルパカとの触れ合いを楽しんでいた場所だが、その背景にはどんな事情があったのだろうか。そして閉園後、アルパカたちやあの土地はどうなるのだろうか。
経営者である横浜市会議員の太田正孝(おおた・まさたか)さんと、牧場長を務める金井映美(かない・えみ)さんを直撃した。
牧場はなぜ閉園するの?
「氷取沢ファミリー牧場」は、ウマやヤギなどを飼育する施設として2000(平成12)年にオープンした牧場だ。2008(平成20)年からはアルパカ牧場に様変わりし、珍しいアルパカを観察できるだけでなく、エサやりなどの触れ合いもできる牧場として人気を集めた。
3年前の取材時、一番印象に残ったアレンも健在!
この牧場が作られた目的は2つある。ひとつは、市民と動物の交流の場となること。つまりは、「憩いの場」とでも言おうか、動物と触れ合って楽しんでね、という分かりやすいもの。
そしてもうひとつは、敷地内に併設された「大福コスモス園」という障害者援護施設に通う人たちへの就労支援だ。
比較的軽い障害を持つ人に、アルパカの飼育や毛を使った加工品製造などをしてもらうという内容で、取材で牧場を訪れても施設利用者が声をかけてくれたり、お茶を運んでくれたりと、牧場の仕事を手伝っている様子が見て取れた。
こちらが「大福コスモス園」。裏手が牧場
大福コスモス園を運営する社会福祉法人は、太田市議が理事長を務めていて、牧場同様に太田市議が取り仕切っている。
閉園の理由について、太田市議は、「コスモス園に新たに来た人の中に、動物アレルギーを持っている人がいた」と話す。その人は、アルパカに関する仕事をすることができないというわけだ。
「そういう事情があり、どうするべきか迷いましたが、コスモス園での障害者支援を優先することにして牧場はひとまず閉園することにしました」と太田さんは続ける。
話を聞いた太田市議(左)と金井さん
太田市議も「チャンスがあればまたやりたい」と考えているそうだが、「障害者を二の次にするわけにはいかない」と苦渋の決断だったようだ。