開店前から大行列!? 朝採れ野菜を販売する西谷の野菜直売所に突撃!
ココがキニナル!
西谷にある野菜直売所「FRESCO」がキニナル。味が良いだけではなく農業塾や見学ツアーを開催したり、日本で苅部さんだけが栽培している「苅部大根」という品種もあるらしい(山下公園のカモメさん)
はまれぽ調査結果!
「FRESCO」は苅部さんが育んだこだわりの野菜が並ぶ直売所。横浜の新名物を作る「はまトピ」「横浜ワイン」など、活動の今後にも要注目。
ライター:福原 麻実
野菜直売所「FRESCO(ふれすこ)」は2011(平成23)年秋、第85回の「はま旅」で登場している。
この頃からこの人気ぶり
その店名は英単語のfreshと同意のイタリア語であることから、とれたて野菜が売られていることはよく伝わるのだが、農業塾とは何だろう? そして自らの名前がついたダイコンなど、ほかにはない野菜を栽培しているという苅部さんとはどんな人なのだろう? 早速調査へ。
朝から農作業を見学
FRESCOは相鉄線の西谷駅から約1分という立地にある。国道16号線にも近く、新幹線が傍を通っている。
右側にあるのが新幹線の線路
この三角屋根のかわいい直売所の裏側、すぐ近くにある作業場所にまずお邪魔した。こちらでは収穫された野菜を、店頭に並べられる状態にするための作業が行われる。
お母さんがニンジンを束ねていたり
「農業塾」の塾生さんが枝豆の葉を取っていたり
名前の通り「FRESCO」はとにかく鮮度にこだわっている。朝に収穫した野菜を午前中、泥落としや袋詰めをして、午後2時の開店までに店頭に並べる。収穫時間が多少前後するとはいえ、収穫からわずか数時間しか経っていない野菜を購入できるのだ。
鮮度が命の同店では、時間の経った野菜は売らない。
お母さんが見せてくださったこのきれいなトマトは・・・
前日に収穫したものなので、売り物にはならないという。1日でそこまで変わってしまうのか、見た目には分からないのでなんだかもったいないように感じる一方、鮮度や質への信頼はこうやって得られているのだと納得する思いであった。
と、同時に筆者宅の冷蔵庫に4日前に買ったトマトが入っている事実を思い出して、トマトとトマト農家さんに申し訳なくなった・・・。
さて、反省したところで、枝豆の葉っぱを取る手伝いをさせていただいた。
枝豆の葉って、そういえば見たことがなかった気がする
ただ葉を下に向かって引っ張るだけの作業なのだが、虫をはらったり、開いてしまって食べられない枝豆も取ったり、チェックすることが多い。
でもなんだか楽しくなってきた
編集部・広瀬も熱中している
作業をしながら、苅部さん主宰の「農業塾」について塾生さんに伺う。
今度はバジルの袋詰め。近づくといい香り
筆者は当初「農業塾」を、すでに基礎的な農業の知識はあり、これから就農する人が来る「研修」のようなものと思っていたのだが、「農業塾」に入って4年目で自らも畑を持つ人もいれば、経験や知識はないが関心はあるという状態で飛び込んだ1年目の人もいるのだという。
さて、そんな塾生さんたちが畑に行かれるとのことだったので、こちらも見学させていただくことに。
と、ここで野菜直売所「FRESCO」とこれから行く畑の主、苅部博之(かるべ・ひろゆき)さんが登場!
今回の記事の主役をご紹介
苅部さんは13代続く農家を継いで、1996(平成8)年に就農。しばらく市場に野菜を卸してきたが「大規模に育てている、ネームバリューのある産地の野菜により高い値がつく。それらと競合するよりも、収穫した野菜を地元で販売しよう」という目的で、2000(平成12)年に「FRESCO」をオープンさせた。
左から、苅部さん、塾生の菊池さんと斎藤さん
あれ? 近くの畑なのに軽トラック? と思ったら、収穫した野菜を運ぶので苅部さんは軽トラックを運転して畑に行くそうだ。確かに歩いて運べないよね・・・。
こちらは農業塾の畑
手伝いをするのではなく、自ら野菜を栽培するのだ。勉強中の身である塾生の方が作ったといっても、このように・・・
まずはナスの収穫!
つやつやで重量もあって、立派な水ナス
次に苅部さんが見せてくださったのは、オリジナルのネギ。これはこの地の在来種である西谷ネギにほかのネギを掛けあわせたもので、根本の色が赤いのが特徴。栽培期間が1年半ほどと、通常のネギの2倍近くかかるそうだ。
栽培期間が倍になるということは、雑な言い換えをするなら収穫量が半分になるということだ。しかし手間と時間をかけて育てるだけあって、非常に甘みの強い、味の良いネギだという。
地中に埋まっている部分が赤いネギ
こちらはスイスチャード。茎のピンクや黄が鮮やか
いずれも他所で見かけない野菜・・・というより、苅部ネギに至ってはここでしか存在しない。そういった珍しい野菜を育てて差別化を図っているというよりは「農業」そのものの可能性を模索しているという印象だった。
そしてそんな模索の一環ともいえる、活動の一つを見せてくださった。
急な上り坂と
果樹園を抜けて
たどり着いたのは・・・
こちら。写真の右半分、杭のようなものが複数立っている
一瞬、何の畑か分からなかったが、よく見ると・・・
ブドウだー!
これは「横浜ワイン部(仮)」が育てているブドウの木だという。「(仮)」までが名前だというのが面白い。
「横浜で育てたブドウで、横浜のワインを作ろう」と今年から苅部さんら有志が活動しているのだ。
ほかにも「横浜トピナンブール農園」通称「はまトピ」という会も、同じく今年発足していて、こちらはトピナンブール(菊芋)を栽培し、広め、そして加工品も作ろうというものだ。
横浜ワイン、そしてトピナンブールが、横浜の特産品として知られる日が来るのかもしれない。