入所者19人が殺害された「津久井やまゆり園」が横浜市に移転する?
ココがキニナル!
相模原殺傷事件。障がい者支援施設「県立津久井やまゆり園」の今後は?この地で存続されるのか?別に移るのか?キニナリます。(マッサンさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
2017年度から「津久井やまゆり園」の建て替え工事が終わる2020年度まで、2017年3月に閉鎖予定の横浜市港南区にある「ひばりが丘学園」に仮移転する
ライター:はまれぽ編集部
横浜に仮移転
2016(平成28)年7月26日、神奈川県相模原市緑区千木良(ちぎら)の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が元職員の植松聖(うえまつ・さとし)容疑者に殺害された事件で、施設を所管する神奈川県は建て替えの方針を決めているが、工事期間中は横浜市港南区の知的障害者施設「ひばりが丘学園」に仮移転することを決めた。
19人殺害という凄惨(せいさん)な事件が起こった現場(2016年7月撮影)
県保健福祉局福祉部障害福祉課によると、仮移転先となる「ひばりが丘学園」は2017年3月に閉鎖予定。閉鎖後に建物を改修して入居者を受け入れる。
入居は「2017年4月以降、できるだけ早い段階で順次」としているが、必要に応じて工事の手配もあるので「正確な時期は未定」としている。仮移転に関する費用も未定だが、2016年度の補正予算に盛り込んで、県議会に提出する。
仮移転先に決まった「ひばりが丘学園」(神奈川県ホームページより)
また、事件を受けて組織された「津久井やまゆり園事件検証委員会」は同年11月、県に対して検証報告書を提出。
その報告書は、植松容疑者が語った「『障がい者はいなくなった方がよい』という言葉に対しては、強い怒りを表明する」と厳しい表現で始まっている。
7回の会議を経て作成された報告書では「危機対応に当たっての考え方」、「関係機関の情報共有のあり方」、「社会福祉施設における安全管理体制のあり方」、「障がい者への偏見や差別的思考の排除」という4点が対応を要する主な課題として指摘されている。
植松容疑者は事件の約5ヶ月前に「ご決断いただければ園で殺害行為を行う」などと書いた手紙を、大島理森(おおしま・ただもり)衆議院議長公邸に届けている。
「休日で対応できない」と言われ、2日続けて公邸へ持参(フリー素材より)
報告書は「事後的な検証という観点からすると、結果的に危機対応は不十分と指摘せざるを得ない点も少なくない」と結論。
また、社会福祉施設は火災や自然災害対策は検討されていても「侵入者が利用者の生命安全を脅かす点については、これまでほとんど検討されてこなかった」と指摘。
加えて、施設と県、県と県警など、関係団体での情報共有がもっと円滑だったら、より積極的な防犯対策が講じられていた可能性は否定できないとした。
防犯カメラを16台設置したことも情報共有されていなかった(同)
報告書を踏まえ、県では「防犯対策などについては早急に検討し、必要があれば予算組みを行う」とした。
「なるべく早く議会に提案したい」方針
取材を終えて
19人殺害という事実もさることながら、その容疑者が福祉に携わるもので、しかも自分が務めていた職場を襲うという衝撃的な事件だっただけに、関係者の衝撃や社会影響は計り知れないだろう。
「津久井やまゆり園」には事件から約3ヶ月経過した2016年10月時点で男女95人の在園者がいる。そのほか、他施設に移転したり、帰宅した人も合わせると、少なくとも計138人が事件の影を引きずっている。
すぐに、完全に癒える傷ではないだろうが、関係者には十分な配慮が行き届いてほしいと願う。
―終わり―
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海の狸さん
2016年12月02日 08時19分
犯人が普通に暮らしてるような写真が載ってるのが気持ち悪い。関係者が見たら、怒りどころではないのでは。
福三さん
2016年11月30日 02時37分
ひばりが丘学園は閉園するのでそのまま移転でいいかと。緑も多いしいい場所だと思いますが。
ニャッシャーさん
2016年11月29日 12時44分
外部からの危害を想定できても、内側からの危害はなかなか想定できないと思います。職員による虐待事例は、高齢幼児障害と、殺人も含めて報道されていますよね。彼らを虐待に駆り立てるものは何なのか、国全体で考える時期に来ている気がします。