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早朝6時から反町に漂うコーヒーの香りの正体は?

ココがキニナル!

反町駅近くに朝6時にオープンしている珈琲屋があります。まだ通勤する人もまばらな時間にコーヒーの香り。周りは住宅地なためお客はそんなにいるようには思いません。なぜこんなに早く?(ハムハムさん)

はまれぽ調査結果!

自家焙煎コーヒーのカフェ「NAGI COFFEE」。焙煎時の香りが生活時間に街に漂わないようにと早朝に焙煎をしており、午前6時からモーニングが食べられる。

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ライター:紀あさ

秋も深まり、横浜の太陽は午前6時より少し遅くに昇るようになった。
晩秋の午前6時は、まだ日の出前。
 


横浜の年間の日の出時間(国立天文台、暦計算室のデータより)

 
都会の始発列車は季節を問わず午前5時5分には横浜駅から走り出す。東急東横線反町駅へと早朝の電車でGO!



夜明けの街と、コーヒーの香り



厳密なことをいうと、取材をし始めたのは9月だったので、そのころの午前6時は少し明るかった。
 


午前6時前の反町駅

 
朝の空気が澄んでいて、すべてに「早朝」や「早起き」と付けたくなる。
 


早朝のランナーは寡黙、早起きの犬の散歩で挨拶を交わす飼い主


早朝の朝顔はまだ夢うつつ、早起きのパン屋さんはまだ準備中

 
そこにふわぁ~と、コーヒーの香りが・・・漂っていれば話は早いのだけれど、駅周辺ではなんの香りもしなかった。

事前にインターネットで調べたところ、住宅街にあり朝から開くカフェは1件。駅から徒歩5分。だが午前7時30分オープンとやや遅めだ。でも、まずはそこに行ってみよう。
 


駅から国道1号線をまっすぐ行って、Y字路を右折して「NAGI COFFEE」へ


バス停「松本」の少し手前からコーヒーの香りが漂ってきた

 
ここかもしれない!
 


時刻は6時7分、看板はOPEN

 
扉を開けると、「いらっしゃいませ」の声とともに、店内を満たすコーヒーの香りに包まれた。聞くと、早朝、店を開ける前に豆を焼くのが日課だという。開店時刻は表向き7時半としているが、準備中の入店は歓迎とのこと。
 


ほわぁ~っと焙煎したての煙が店中を満たす

 
メニューにはうれしいモーニングセットがあった。
 


午前11時まで。ドリンクメニュー+100円でトースト・ゆで卵付

 
+200円にするとさらに本日のスープ付。ちょっと贅沢にこちらを頼んだ。
 


「失礼いたします。先にカップです」

 
ラジオの音と、豆を挽く音。

ここで、メニューの中の一文に気付く。
 


無料で厚切りトースト(厚さ約3cm)に変更できます

 
魅惑的。

筆者が「あの、もし間に合わなかったらいいんですけど・・・」と口にすると、マスターはすべてを察して「あ。切っちゃった! 厚切りにしたかったですか?」

いえ、そのままで、と取り下げた。
 


コーヒーは席に注ぎにきてくれる


湯気がカップの上で楽しげに踊る、単品では450円


「今日のスープはニンジンのポタージュです」

 
ポタージュはとてもやさしい味で、トーストは何も言わずに厚切りにしてくれていた。じんわりうれしい。
 


ハチミツはコーヒーの花から取れたハチミツ、小豆は北海道産

 
すてきなカフェだなぁ。これはぜひ、取材をお願いしたい。
 


「朝からカメラ持っているから、そういう方かなって思っていました」

 


焙煎は街の人が起きる前に



マスターは、中村公平(なかむら・こうへい)さん、39歳。2016(平成28)年の8月からここでカフェを開いている。

早朝の焙煎は、焙煎時の香りが生活時間に街に漂ってしまわないようにとの配慮だそうだ。

「香水をずっと嗅ぎ続けると辛いように、コーヒーのようなよい香りでも、常に香るとストレスになるかもしれないから」

直火式小型焙煎機は、20分程度の短時間での焙煎が可能だが、中村さんは一般的な時間の倍、じっくりと40分ほど時間をかけて焙煎をする。そのため、昼間の喫茶の時間帯ではそこまで丁寧に焼く時間がとれないのも理由のひとつだ。
 


「いい豆を、できるだけ丁寧に焼きたくて」

 
焙煎の際に早焼きをしてしまうと、焼き立てはいいが香りが長持ちしない。

「僕が修行していた珈琲屋さんで教えてもらったのは、いかにしてコーヒー豆を豊かに、膨らませて、香り高くするか。豆を買った人が出来るだけ長くその香りを楽しめるように。ふっくらと焼いて、なおかつ香りが『ああもういつまで続いてくれるんだろう』って、そういうとても丁寧なコーヒーの焙煎を教えてもらったので、時間が掛かってしまうんです」と語る。

焼き上げは、豆のもともとの水分を炊き上げるイメージ。丁寧にするとふっくらと膨らむポイントがあり、火をじっくりまめに調節。焙煎されたひとつひとつの豆の表面に柔らかい隙間を作る。
 


焙煎のほかに、具だくさんのサンドイッチの仕込みも着々と

 
「早朝からモーニングをやっているのは、こういうところで一日を始めるのってすごくすてきなことだなと、思って。たとえば仕事に行く前とか、休日でどこかに遊びに行く、そんな日の始まりをちょっとすてきにする。それが一日続いていく。そういう朝っていいな」と。
 


話を聞きながら、筆者にとっても、なんだかそういう朝になってきた

 
モーニングの価格はとてもお得で、コーヒーだけの方が店としては儲かる。けれどお客さんがいい朝を過ごしてくれることがお店を明るくし、ひいては豊かにしてくれる。

「だからこそ、朝を過ごしてほしくて」と言ってから、「正直ね、朝やっていても、そんなにはお客さん来ません」と笑った。

「地域の人たちに、まず朝からやっているお店があると知られて、その文化ができあがってからじゃないと。だから、朝はどんなにお客さんがこなくても、地道に続けていこうかなと」


コーヒーだけではなく、コーヒーのある文化を作りたい

 
 
反町にカフェを始めたいきさつは? キニナル続きは次のページへ