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もし電車に乗っているときに地震が起こったら?京急電鉄事故復旧訓練に行ってみた

ココがキニナル!

いつ起こるかわからない地震!今後30年で震度6以上の地震が起こる確率は横浜で82%ともいわれる中、鉄道会社の「もしや?」のための対応がキニナル!(鉄道大好きライター若林のキニナル)

はまれぽ調査結果!

2018年の京急電鉄の鉄道事故復旧訓練に参加してみた。乗務員や作業員同士が連携を取りつつ迅速に避難誘導と設備の復旧を進めているところが印象的。実際に災害が起きる事を常に意識し、行動を考えておきたい。

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2018年11月23日

ライター:若林健矢

多くの乗客を乗せて今日も鉄道は縦横無尽に走っている。万が一大規模な事故や災害が発生した時、鉄道会社は復旧作業に追われ、交通機関もマヒしてしまうことだろう。果たしてその復旧作業はどのように行われているのだろうか?
鉄道が大好きすぎて、大災害の際も電車に乗っているであろうはまれぽライター若林は、身をもって知りたいと思う。という訳で、2018(平成30)年10月25日に京急電鉄久里浜工場で行われた公開訓練に参加してみた。
 
 
 
何が起こるかわからないから、京急電鉄の訓練は毎年実施
 
鉄道会社は数あれど、なかなか復旧訓練を見る機会はない。鉄道が好きなので大災害で命を落とすとしたら、せめて電車で死にたい・・・などと考える前に、死なないようにしたいわたしは、京急電鉄の復旧訓練実施は今年で37回目で、毎年想定災害が異なっている。

2018年は「地震の影響により列車が脱線、乗客に負傷者が発生し、線路・土木・電気・通信設備が損壊する」というとても恐ろしい設定で実施した。ちなみに昨年の設定は「動作中の踏切道内に侵入した自動車と衝突して列車が脱線、乗客に負傷者が発生し線路・電気通信設備が損壊する」だった・・・どちらも恐ろしい。
また、この訓練は例年、京急グループだけでなく、横須賀市消防局や浦賀警察署の協力を受けているので、大掛かりなものになりそうだ。
 
 
 
鉄道事故復旧訓練の現場、久里浜工場へ!
 


京急電鉄久里浜工場。京急久里浜駅から徒歩約20分

 
この訓練では一般の見学者だけでなく、ほかの鉄道会社からも参加しているようだ。実は京急電鉄側も、他社の鉄道事故復旧訓練が行われる場合は見学に行くこともあるとのこと。大災害となれば一つの鉄道会社だけの問題ではない。他社の訓練が現場に活きる素晴らしいものであれば、大災害の前に取り入れておきたいと思うのは当然のことだ。
 


実際の車両を使用して訓練(会場の都合で3両に短縮)

 
京急電鉄の原田一之(はらだ・かずゆき)社長から挨拶のあと、今日の訓練内容の説明と訓練の最終準備が行われ、午前11時16分に訓練がスタート!見学とはいえ緊張するぅ。
 


訓練開始に先立って滅多にお目にかかれない原田社長からの挨拶!

 
 
 
訓練だが大地震発生!
 
会場内に「ピ・ピ・ピ」と列車の非常停止を知らせる信号の音が鳴り響く。
「横浜方面に向けて上大岡駅を発車した快特が、地震発生の警報と強い揺れを受けて急ブレーキをかけて停止したが、先頭車両のみが脱線!このまま対向列車がきたら正面衝突の可能性もあり、二次災害は免れない」
・・・という設定。こんな時はどうするんだろう?

担当運転士がまず車掌に事故発生を連絡し、列車防護に向かう!
 


周囲の安全を確認して下に降りる


発煙筒を使用し、対向列車に事故発生を知らせる

 
「列車防護から戻ってきた運転士が車両の周囲を確認したところ、先頭車両の一番前とその次の車輪が脱線し、枕木が損傷、高架橋の高欄(コンクリートの欄干)も破損。さらに信号機が倒れ、電線や列車無線の誘導線が切れてしまい、その電線を支える架線柱が曲がってしまっていることが確認された」設定。
本当に起こったらと思うと、血の気が引いてしまう。
 


分かりにくいかもしれないが、この車輪は脱線している


コンクリート高欄にヒビが入ってしまったことを確認


電線は切れ、架線柱も曲がってしまっている

 
一方車掌は、運転士から連絡を受けたらまず乗務員室から列車無線で運輸司令所に連絡を入れる。その後、車内の状況を確認するのだが、なんと、先頭車両で乗客が数名けがをしているとのこと!すぐに上大岡駅駅長、駅係員、各部先発隊と乗務主任が現場に到着し、各員で乗客の避難誘導を行う。
 


車掌から運転士へ車内状況の報告


作業員らが事故現場に到着!

 
 
 
キニナル!脱線時の避難誘導!
 
乗客の避難誘導は、脱線していない中間車両の一部のドアを開放し、そこに脱出ハシゴをかけて順番に誘導していく。またハシゴと併用して座席シートも脱出ハシゴのように使用する。
 


真ん中のドアから非常用脱出ハシゴを降ろしていく


座席が脱出ハシゴに変身!

 
普段電車に乗っていると気づかないかもしれないが、実は電車の一部座席は非常時に取り外すことができ、非常用脱出ハシゴのようにして使えるのだ。ドアを開け、車両脇に座席を降ろしていく。

ここで、警察と消防局が到着!
 


警察、救急隊、消防隊、レスキュー隊と続いて現場に到着

 
事故現場まわりを警察に警戒してもらい、消防局の協力を受けて乗客全員の避難を進めて行く。けがをしていない乗客は係員の指示に従って弘明寺駅へ順番に歩いて避難。体の不自由な人や負傷者は隊員らに支えられ、安全に電車の外へ。このように京急、警察、消防局で連携を取ることで迅速に乗客全員の避難が行われていく。


実際の災害時もあせらずに脱出したい



ハシゴ代わりの座席からも車外に脱出


係員の指示に従って順番に避難していく


重傷の人は消防の救助をうけ、病院へ運ばれる

 
 
 
切れてしまった電車線を仮復旧
 
乗客の避難を行う傍ら、切れてしまった電車線の仮復旧作業も並行して行われる。京急の電車は、屋根の上にある“く”の字形やひし形の「パンタグラフ」という装置を電車線(車両の集電装置に接触して電気を送る設備)に押し当てることで電気を取り入れて走るため、架線が切れてしまうと自力で動けない。送電停止を確認後、安全を確保してから作業を開始し、作業員が電車の屋根上に上っていく。
 


パンタグラフが上がらないように固定してから作業を行う


電車の屋根上で電車線を直していく作業員

 
新しく張り替えた電車線同士をしっかり固定し、これで仮復旧が完了。写真には写っていないが、電車線と同じく切れてしまった列車無線誘導線も、この段階でまず撤去された。誘導線の復旧はこの後に行うようだ。
 


切れた架線を新しく張り替えて仮復旧

 
そして、高架線の高欄にはヒビが入ってしまっているため、この段階で撤去作業が行われる。ヒビ割れた欄干を残してしまうと、完全に割れてしまった場合、地上に被害が生じかねない。
 


割れた高欄を取り外し・・・、


防護ネットに交換する

 
もちろん現場の作業員だけに全てを任せっきりなわけではない。京急では事故対策本部が設置され、運転再開に向けた協議や現地への指示、マスコミ対応などを行っていく。



 

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