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葉山・鎌倉・江の島にいる、湘南の多彩な看板猫たちに密着取材!

葉山・鎌倉・江の島にいる、湘南の多彩な看板猫たちに密着取材!

ココがキニナル!

猛暑もおさまり、秋の到来を感じる季節に。猫たちにとってもしのぎやすくなって来たこの時期、湘南の看板猫たちはどうしているだろうか?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

気ままに、のどかに、悠々と。さまざまな場所で生きる湘南の看板猫たちは、みんなそれぞれ愛されながら、元気に暮らしていた

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ライター:結城靖博

湘南といえば海、とはかぎらない。山もあれば美術館もある。そしてエリアも広い。葉山・鎌倉・江の島、3ヶ所の異なる地域・環境の看板猫たちを紹介する。
 
 
 
まずは葉山の猫美術館の看板猫に突撃!
 
知る人ぞ知る猫美術館「猫の家(湘南ねこ美術館)」は、葉山御用邸の目と鼻の先にある。

赤い印の場所が「猫の家」

 


左が葉山警察、右が御用邸。もう少し先に「猫の家」がある

 
美術館に面した国道134号線を超え、海へ向かって潮風薫る路地を歩いていくと、まもなく夕陽の美しさで人気の葉山公園にたどり着く。
 


公園の前の海水浴場はすでにシーズンオフで静か

 
こんな素敵な場所が近くにある美術館なんて、きっととってもおしゃれなところなんだろう。初めての人はそう信じて疑わず、美術館の所在を求めて周囲を見回す。
そして、発見。
 


ジャン! ここが「猫の家(湘南ねこ美術館)」だ
 

入り口にもっと寄ると、こう

 
玄関の軒先に「猫の家」とちゃんと書いてある。
玄関を開けようとすると鍵がかかっていた。「休館日なのかな?」と思いつつ玄関横のチャイムを鳴らすと、ガラス戸越しに人影が見えて鍵を開けてくれた。

出迎えてくれたのは同館館長の広沢義之(ひろさわ・よしゆき)さん。
「猫が出て行かないように、鍵をかけているんです」という。
開館日なのに鍵を閉めていたらお客さんは帰っちゃうんじゃないかとも思ったが、さすが猫美術館、猫のほうが優先なのだった。でも、確かに玄関を出るとすぐ目の前が交通量の多い国道だから、心配する気持ちはわかる。
 


出迎えてくれた広沢館長と看板猫のマリンちゃん

 
まずは、美術館内部の様子をざっと紹介しよう。
 


玄関を入るといきなり巨大な招き猫に出くわす
 

招き猫の背後、1階右手は猫グッズのショップになっている
 

左手の廊下を進んで階段を上ると・・・
 

2階の廊下にマリンちゃんがいた

 
マリンに導かれて2階の奥へ進むと・・・
 


2階の部屋は展示室になっている

 
見ての通り、美術館といっても、ここは古民家そのままだ。
この家はもともと広沢さんの祖父母が以前住んでいて、ずっと空き家になっていた。そこを猫専門の美術館「猫の家」としたのは2007(平成19)年4月のこと。

ここからほど近い実家で子どものころからたくさん猫を飼っていた広沢さん。だが、30代のころ病気ですべての猫が死んでしまったという。そのショックでしばらく猫が飼えなくなったある日、たまたま通りがかったデパートで、イギリスの女流作家の猫の原画展を見て、「絵なら死なない」と思い1枚の絵を購入。それをきっかけに、膨大な猫アート・コレクションへの道を歩み始める。やがて、コレクションを通して作家たちとの交流も増え、彼らからの勧めもあり、作品を一人で抱えるのではなく多くの人に見てもらいたいという思いから美術館を開館することになった。
 


2階には3部屋あり、真ん中の部屋も展示室

 
そして一番奥の部屋には、ソファとテーブルがあり、猫の絵本がびっしり本棚に並ぶくつろぎスペースだ。
 


でも今はマリンちゃんお気に入りのキャットタワーが幅を利かせる

 
そんな「猫の家」では現在、看板猫マリンちゃんをテーマにした「白猫」展を開催中。
 


「白猫」展のポストカード(資料提供:猫の家)
 

10人の猫作家たちが多彩な作品を展示している
 

そしてこちらが本物の看板猫、マリンちゃん!

 
とにかく可愛い、そして美しい。こんな素敵な猫をどこで見つけたのか広沢さんに訊いてみた。するとそこには、意外にも深い事情があった。

マリンが「猫の家」に来たのは一昨年(2017年)の12月初め。どこからかって? それは沖縄・宮古島。こう見えてもマリンちゃんは南国生まれなのだ。
 


生まれ故郷の沖縄の海に思いを馳せているのかな?

 
宮古島の福祉会館周辺をうろついていたマリンちゃんは、居つかれては困るという職員の判断から、いずれは殺処分の運命に会う保健所のような施設に収容されたという。ただ、美猫なのでいつか引き取り手が現れることを期待して、通常よりも長期間収容されていたそうだ。その間、現地の動物保護団体が里親を探すがなかなか見つからない中、鎌倉に住む広沢さんの知り合いの保護活動家を通して、マリンを紹介されたという。それが11月下旬のこと。即決しないといよいよ殺処分になるという、間一髪のところだったそうだ。
美術館で育てることを即断した広沢さんは、12月初め、沖縄から空輸されてきたマリンを羽田空港まで迎えに行った。
 


ドキドキするほど澄んだブルーの瞳

 
よかったね、マリン。沖縄の海のようなマリン・ブルーの瞳を持つ猫の名は、美術館職員が名付け親。思えば迎えられた先も湘南の海。海つながりの猫なのだ。処分施設に収容された時期から逆算して、おそらく今2歳と3ヶ月のメスである。
 


大好きなキャットタワーの下で館長と遊ぶマリン

 
マリンは来館者と遊ぶのも大好きだという。美術館に人が来ると、館長よりも先に玄関へ走っていく。だから危なくて鍵をかけているそうだ。
 


初めて会った筆者にも全然動じず、大きな目で見返される
 

ここもまたマリンお気に入りの場所

 
あまりにも可愛くて、とてつもない枚数の写真を撮ってしまったのだが、キリがないので、お会いしたい人はぜひ「猫の家」に足を運ぼう!
 


じゃあ、またね。待ってるニャ!

 
と言ってくれているような気がして、後ろ髪を引かれつつ美術館を後にした。
 


2階の廊下までお見送りしてくれたマリン