カジノを含むIR施設誘致の市民説明会の様子は? 林市長は何を語る?
ココがキニナル!
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致に関する市民説明会が実施。18区の説明会に林市長も参加する模様。説明会はどんな感じで行われるの? 林市長の説明内容とは?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜市による「IR市民説明会」が、12月4日の市開港記念会館での説明会を皮切りに始まった。市民からの質問(書)には、疑問を呈するものが目立った。林市長は引き続き「丁寧な説明を行っていく」とのこと
ライター:池田 恵美子
林文子(はやし・ふみこ)横浜市長が、山下公園に隣接する山下ふ頭(中区)に「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)」の誘致を定例会見で発表したのは、4ヶ月前の2019(令和元)年8月22日。林市長は、2年前の市長選で「カジノは白紙」を掲げて三選を果たしており、それは突然ともいっていい表明だった。
カジノ誘致を宣言したこの日は、反対を訴える市民約70人が横浜市役所市長室前に駆けつけ、2時間にわたって職員との押問答が繰り広げられた。市長に面会を求める市民に対し市長は現れず、市長室に突入しようとする騒動にまでなった。
この定例会見で、林市長は、IR誘致への決断理由に、横浜市の厳しい財政状況などによる将来への危機感を挙げた。そして、林市長は、会見の場で、「全18区を回り市民に丁寧にIRを説明する」ことを確約。その「IR市民向け説明」が、12月4日、中区を皮切りに始まったのだ。
山下ふ頭に設置予定のカジノを含む統合型リゾートのイメージ図(横浜市資料より)
「林文子市長」や「カジノを含むIR誘致」に関する記事はこちら
開港記念会館前でIR誘致反対を訴える市民
初回の中区での「IR市民説明会」は、12月4日(水)19時から約1時間半を予定し、開港記念会館で行われた。
18時過ぎ、JR関内駅に着くと、8月の市長のIR表明の時のように駅前でのIR誘致反対集会は見当たらなかった。が、市庁舎前で、社会民主党横浜連合が、「横浜にカジノはいらない!みんなの力で市政をかえて、カジノを止めよう!」のチラシを手渡していた。立ち止まって聞き入っていた通勤帰りの人達の姿もあった。
市庁舎前でIR誘致反対のチラシを手渡していた社会民主党横浜市連合
反対派の活動を横目に筆者は、関内駅から10分ほど歩き、会場の開港記念会館に到着した。会場の前では、IR誘致反対派の人達が集まり抗議の声を上げ、その前で、横浜市の職員が歩行者を誘導していた。
中区の「IR市民説明会」は趣のある開港記念会館で開催
IR誘致反対派の市民と腕章を付けて歩行者の誘導にあたる横浜市職員
「カジノの是非は住民投票で」を訴える反対派市民
反対派の男性(60代)は、「カジノ誘致 勝手に決めるな」の横断幕をもって訴えていた。
「IR誘致の反対理由を聞かせてください」と声をかけると、次のように応じてくれた。
「私(鶴見区在住)は応募しましたが、外れたのでここに立っています。市は、カジノで目論んでいる1200億円の税収を子ども達に使うと言ってます。しかし、学校では子ども達に、ギャンブルや賭博はダメと教えているのに、なぜ、それが横浜で許されるのですか。市は財政難だから皆、賭博をやって儲けさせてくださいと言ってるわけです。日本人は勤勉だといわれていますが、横浜市はその根本(精神)を壊そうとしているのです」
「ギャンブルの街・横浜にしていいのでしょうか」と話す反対派の男性
反対派の中に「カジノよりディズニークルーズ・F1をよぼう!」のプラカードを掲げている女性達(50~60代)がいた。「プラカードに記されている文言は、カジノに反対している横浜港ハーバーリゾート協会の訴えていることですが・・・」と水を向けると、こう話してくれた。
「全面的に、ハーバーリゾート協会に賛成ではなく、カジノよりは健全なディズニーを呼ぶほうがいいと思っています。私達が一番求めているのは、カジノの是非を問う住民投票の実施です」。そう言って、「カジノの是非を決める横浜市民の会」による「署名サポーター募集」の用紙を渡された。
「カジノの是非を問う住民投票の実施」を求めて訴える女性
「博打の金で幸せは買えない」と訴える市民
会場周辺には、反対派の団体が抗議活動を行い、多くのメディアもそれを取り上げている様子だった。