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東京オリンピックで江の島が変わる!? 交通手段の3つの改革とは?【前編】

東京オリンピックで江の島が変わる!? 交通手段の3つの改革とは?【前編】

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江の島のオリンピックに向けての取り組みは?/江の島大橋の拡幅工事で車線が増えたそうです/バリアフリー化に地元の人たちが腰を上げました(ハムエッグさん、八景のカズさん、マッサンさん)

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江の島では交通手段の向上に自動運転バスの実証実験などが進行中。自動運転バスは、現時点では、江の島での導入は未定だが、今後、導入の可能性もあるかもしれない。

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ライター:星野 憲由

2020年の東京オリンピックのセーリング競技(ヨット)の会場として、藤沢市の江の島ヨットハーバーが選ばれた。世界中から訪日観光客が訪れることが予想されるオリンピックの開催決定を機に、江の島へのアクセスをより向上しようと3つのプロジェクトが動いていることが判明。江の島への交通手段は、これまでいくつかの課題を抱えていたが、オリンピックの競技会場になったことで、本格的に取り組みが進んだのだ。
その取り組みは以下の3つ。

(1)江の島の自動運転バスの実証実験
(2)江の島大橋の車線拡張
(3)江の島バリアフリー計画

それぞれ、どのようなプロジェクトで、どのようなアクセスの効果が期待できるのか、各プロジェクトの担当者に取材を試みた。今回は前後編の2回にわたり、その取り組みについてお届けする。前編は、自動運転バスの実証実験をレポート。

 
江の島の自動運転バスの実証実験
江ノ電もオリンピックを盛り上げるラッピングで彩られている
 

 
 

自動運転バスの実証実験



江の島への交通手段として、もっとも未来を感じさせるプロジェクトが自動運転バスだろう。2019(令和元)年夏、江の島の公道で自動運転バスの実証実験が実施された。この実証実験は「江の島プロジェクト2019」と命名され、神奈川県さがみロボット産業特区、小田急電鉄株式会社、江ノ島電鉄株式会社、SBドライブ株式会社を中心に運営され、ロボット(自動運転)と共生する社会の実現を目的としている。

実証実験の一部では一般公募で試乗者を募り、乗客を乗せて実際の運行を想定した実験も行われた。
テストコースは、新江ノ島水族館の隣にある県立湘南海岸公園中部バス駐車場から、湘南港桟橋を折り返して、新江ノ島水族館前まで。往復約4kmを約25分で運行するというもの。

 
江の島の自動運転バスの実証実験
自動運転バスの実証実験ルート
 

実は2018(平成30)年にも江の島で自動運転バスの実証実験は実施されている。しかし、これは江の島大橋の直線道路を走行したのみで、信号や交差点、右折、左折は盛り込まれていなかった。今回の実証実験では、信号や右左折、さらには路上駐車や歩行者なども存在するため、より実践に近い公道での実証実験になっている。



実験用の自動運転バスとは?



では、今回実験に使用された自動運転バスについて説明しよう。

 
江の島の自動運転バスの実証実験
鉄腕アトムや神奈川のキャラクターが描かれた自動運転バス
 

今回使用された自動運転バスは28人乗りのバスだが、実験では安全を考慮し全員着座の定員8名で行われた。
バスの前方と後方には、障害物や歩行者、車両などを正確に感知するカメラやレーザーなどの機能が施してあり、屋根には衛星信号を受信できるアンテナが搭載されている。交通状況を把握しながら、効率よい運転を行うことができるのだ。また、運転席に自動ステアリング、自動アクセル・ブレーキ、自動ウインカーも搭載。

これらのバス本体のシステムに加えて、交通管制センターと連動して信号協調(信号が切り替わる情報をリアルタイムで取得)を実施。同時に交差点の信号機に設置された3DRセンサーから対向車の動きを察知して、安全な右左折を判断する。もしAIが異常を予知すると、事故になる前にハンドルやブレーキに制御がかかるのだ。