市営地下鉄・バスの24時間運行や営業時間延長は検討されているの?
 ココがキニナル!
ココがキニナル!
市営地下鉄の終電って、早くありませんか? もっと遅くならないんでしょうか?(taksさんのキニナル)/横浜市営のバスや地下鉄は24時間営業化しないのかの取材をお願いします(小鳩さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
終電は他社線と比べて、特に早いことはない。24時間運行や深夜運行は、地下鉄の線路の保守作業の関係や採算性の問題で、現時点では考えられていない
ライター:田中 大輔
	今年4月、ニューヨークを訪問した東京都の猪瀬直樹(いのせなおき)知事は、都営バスの24時間運行や都営地下鉄の運行時間延長に言及した。
	このニュースは各方面で話題を呼び、6月には都の交通局から「渋谷~六本木間における終夜バスの試行について」が発表されるに至っている。
	
	東京都では具体的に都営公共交通機関の終夜運行や延長運行に取り組んでいるわけだが、横浜ではそういった動きはないのだろうか。
	
	
	
	市営地下鉄の終電は早い?
	
	今回取材をお願いしたのは、もちろん横浜市交通局。
	市営バス担当として自動車本部路線計画課から三村課長と鶴濱さん、市営地下鉄からは高速鉄道本部運転課の山内課長と小野係長が対応してくれた。
	 
	
	バスと地下鉄の両方に関わるとあって、4人で対応してくれた
	
	まず、キニナル投稿にあった「市営地下鉄の終電が早いのでは」という疑問について。
	山内課長は「特別に早いとは思っていない」そうで、実際に他社の時刻表と見比べてみても極端に早いということはないように感じる。
	 
	
	 横浜発の各鉄道の終電時刻。赤枠が市営地下鉄だ
	
	早いと感じるかどうかは利用者それぞれの生活サイクルによる部分も大きいので、そう感じる人がいるというのも事実なのだろうが、客観的に他社線と比べると「遜色はないと思います」という感じだ。
	
	ちなみに、市営バスは128本の路線があることもあって一概には言えないが、利用者の見込まれる場所では“深夜バス”を運行している。
	 
	
	 意外と遅くまで走っている市営バス。お世話になる人も多いのでは?
	
	鉄道駅から23時30分以降に発車する21路線が“深夜バス”と呼ばれ、横浜駅や青葉台駅、東戸塚駅などから発車し、利用者の利便性を確保している。
	
	
	
	市営地下鉄やバスだけが動いていても・・・
	
	では、今以上に終電や終バスを遅くする、あるいは東京都が構想を抱いているような24時間営業を採用する考えはあるのだろうか。
	
	結論から言うと、答えは“ほぼNO”だ。
	唯一、可能性があるのは市営バスの終バスを遅くするという選択肢。
	三村課長は「終バスを遅くしてほしいというご意見はいただくこともあります」と話す。
	そのため、「多くのお客様からの声があがり、現場のリサーチ結果が良ければ最終バスを遅くすることは考えられます」とのこと。
	 
	
	自動車本部路線計画課の三村課長(左)と鶴濱さん。終バスは遅くなる可能性も
	
	ただし、市営地下鉄の営業時間延長と、地下鉄・バスの24時間運行については、「今の段階ではありません」とキッパリ。
	
	その背景として、山内課長は「一晩中動いている東京と、ベッドタウンでもあり住宅地が多い横浜では状況が違う」と街の性質そのものの違いについて指摘する。
	
	横浜の中だけで、それも市営地下鉄と市営バスだけを24時間稼働させたとして、はたしてどれだけの需要があるのか、という話になるわけだ。
	三村課長も「都内で地下鉄やバスが24時間動いていて、東京と横浜をつなぐ鉄道が24時間動いていて、という状況がないと。市内だけで完結させるのだと厳しいでしょう」と話す。
	 
	
	 確かに市営地下鉄とバスだけ走っても、行ける場所は限定的だ
	
	特にバスは「鉄道の補完が基本的な役割」と三村課長が言うように、鉄道が動いていないと駅から乗る人も、駅に向かう人も極端に減ってしまう。
	
	つまり、「採算が取れない」ことが予想されるのだ。
	24時間体制で地下鉄やバスを走らせれば、運転手さんや駅・営業所で働く人たちを増員しなければいけないし、燃料代などの経費も余計にかかることになる。
	それを補って余りあるプラスがなければ、運賃などの売り上げで運営されている交通局としてはゴーサインを出すわけにはいかないというのも頷ける話だ。
	
	
	
	 






