横浜市の中央図書館で「アンネの日記」が破られた、その事件の経緯は?
ココがキニナル!
東京で被害があった、「アンネの日記」が横浜市の中央図書館で破られていたということを詳しくしらべていただきたいです。(mona tai さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
2月27日現在、横浜市立図書館におけるアンネ・フランク関連の書籍の被害は2冊。警察に被害届が出され捜査が開始されている。
ライター:松崎 辰彦
アンネ・フランクの本が破られている
東京都内の複数の図書館で、『アンネの日記』をはじめアンネ・フランクに関連した書籍の本文ページが、何者かの手で破り取られるという事件が起きていることは、すでに読者もご存じだろう。被害は300冊以上に及び、事件の異常性を印象づけている。
『アンネの日記』は世界中で読まれている
アンネ・フランク(1929~1945)はユダヤ系ドイツ人の両親の下に、フランクフルトで生まれた。反ユダヤ主義を掲げて登場したヒトラー率いるナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)が政権を握ると一家はオランダに亡命し、アムステルダムの隠れ家で2年間、潜行生活を送ることを余儀なくされる。1944(昭和19)年にゲシュタポにより隠れ家が発見され、アンネはベルゲン・ベルゼン強制収容所に移送されたが、翌年1945(昭和20)年、収容所の不衛生な環境により命を落とした。15年の生涯だった。
アンネは潜行生活の最中、日記をつけており、日々起こる家族との心の葛藤などをつづっていた。戦後、彼女の日記は父親の手により出版され、世界中で大きな評判となった。日本でも『アンネの日記』として幅広く読まれ、戦争の悲惨さや人種差別の不当性を強く印象づけている。
東京各地の図書館で、アンネ・フランク関連の書籍が大量に毀損されている事件は、人々に怒りと、そして一種不可解さをもたらしていたが、横浜市の図書館でも被害が出ていることが判明した。
横浜でも被害が見つかった
「現在、横浜市立図書館全体で判明しているアンネ・フランク関連の書籍の被害は2冊です。一冊はここ中央図書館、もう一冊は神奈川図書館です」
横浜市中央図書館
被害状況を説明していただいたのは中央図書館企画運営課長の坪内一氏。横浜市立図書館の施設管理や庶務、企画調整などに携わっておられるが、今回の事件では報道陣への対応も担当されている。
坪内一氏。今回の事件の報道担当である
「被害に遭った中央図書館の一冊は『アンネ・フランクの生涯』という書籍です。本文に先立つ巻頭部分にアンネ・フランクや家族の写真があるのですが、その部分が全ページ、枚数6枚分が引きちぎられていました」
中央図書館で被害に遭ったのと同じ書籍